本日、『プライドと偏見』の試写会に行ってまいりました。
ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』(ちくま文庫あるいは岩波文庫)の映画化作品です。
比較的最近この作品を読んでいたので、実に面白く鑑賞しました。
18世紀末のイギリス。ベネット家の隣の立派な屋敷に、金持ちの貴族ピングリーが引っ越してくる。ベネット家の娘達は女ばかりの5人姉妹で、母は常に娘たちの結婚相手を探していた。ピングリーはベネット家とは格が違う上流階級だったが、近所で開かれた舞踏会でベネット家の長女ジェーンに好意を抱く。そんな姉を応援する次女エリザベスは、ピングリーの友人だというダーシーの無愛想で高慢な様子が気に入らない。ピングリーとジェーンの恋は支障なく進展すると思いきや、ピングリーは突然ロンドンに帰ってしまう。それが姉とピングリーの仲を裂こうというダーシーの差し金だと知ったエリザベスは、ダーシーに一層の反感を抱くが・・・?
というようなお話です。
女性には家督を継ぐ権利がなく、金持ちの家に嫁ぐことこそが無類の幸せと考えられていた時代のお話なのですが、主人公エリザベスは自由闊達な精神の持ち主で、周囲の幸せを願ってはいても自分の心を曲げることはできない、強い女性です。実はダーシーはエリザベスのそういうところに惹かれるのですが、家の格が違いすぎるという点と、持って生まれた無愛想な性質から彼女にアプローチすることができません。もうこの性格だけでものすごいツボなんですが(笑)。
原作はわりと長めなので、2時間程度の枠に収めようと思ったら色々端折るところというか、説明不足の点もあったようで、帰り際「何でダーシーはエリザベスが好きなくせにあんなに高飛車なの?ツンデレなの?」と友達に訊かれましたが(笑)、確かに時代背景が多少わかっていないと映画だけでは理解しづらいかもしれません。
ダーシーとエリザベスの進展具合は多分にエリザベスの姉妹の恋愛に絡んで展開するということもありますので、余裕のある方は原作をお読みになってから鑑賞なさるといいと思います。
ちなみに原作の『高慢と偏見』は、『ブリジット・ジョーンズの日記』に大きく影響を与えていますので、読んでみてから『ブリジット』を観ると(或いは読むと)またニヤニヤしますよ。『ブリジット』のヒーロー、マーク・ダーシーの名前は『高慢と偏見』のダーシーと同名ですし、マークを演じたコリン・ファースはイギリスで放送されたTV版『高慢と偏見』でマーク・ダーシーを演じたそうなのです。(※ブリジットはこのTV版ダーシーが大好き)だから映画でも起用されたみたいですね。ああ、その『高慢と偏見』、ものすごく観たい・・・!コリン・ファース好きなんです。10290円かあ・・・ううーん。欲しいけどちょっと高いなあ。ううーん・・・。
今回の映画もなかなか良かったです。主人公エリザベスがキーラ・ナイトレイというのはちょっと美人すぎる気もしますが(※ちょっと変わり者の上あまり美人でないという人物設定)。ダーシー役の俳優さんは知らない人だったのですが、なかなか良かったです。あとお父さんとコリンズ牧師はよかった!原作そのままのキャラクターって感じで(笑)。
ちなみに原作を読んだ時は舞踏会ってダンスホールで優雅に輪を描いて踊るワルツとかだと思っていたのですが、どちらかというとアイリッシュダンスとかフォークダンスみたいなノリで、ひとりの人と踊るというよりも基本パートナーはいるものの、次々とパートナーが変わる感じで、とても楽しそうでした。あんなのなら出てみたいなあ。多分10秒で裾踏んで転ぶと思いますが(笑)。