皆様ごきげんよう。昨日、またビリーもどきのレッスンを受けたせいか、今日は左腕の前腕部(肘から手首までくらい)が筋肉痛な黒猫でございます。・・・なんで?サークォ!サークォ!がいけないのか。
それはさておき、いよいよ旅日記も最後です。よろしくどうぞ~。
四日目 7/5 曇り→暴風雨→雨
実質上の最終日。今日も備え付け時計のアラームと携帯電話のアラームでつつがなく起床。初日からこうしていればねえ・・・。今日も余裕を持って支度を終え、朝食に向かうも、昨日の最後のほうは注意力が散漫になっていたせいか、ふたり揃ってガイドさんが何時に迎えに来ると言っていたかちゃんと覚えていない。8:30か8:50かどっちかだったような、という線までは一致。わたしがチンタラ食べている間に先に食べ終えたSさんがロビーに行き、待っていてくれることに。いつもすいません。
ほどなくわたしも追いついてロビーに行くと、ガイドさんはまだ来ていなかった。どうやら8:50が正解だったらしい。ココナッツのアロマオイルの香りが漂う中、生演奏の笛の音に満たされてガイドさんを待つ。しかし笛の生演奏すごいな。ロビーの吹き抜けの反響がいいのでかなりいい感じだった。
少し待ってガイドさん登場、本日の観光へ。何故か日程表にはないアンコールワットに再び行く。でも昨日は雨であまりちゃんと見られなかったので大歓迎。幸い今日は今のところ曇り。昨日ガイドをして義務を果たしたと思ったのか、今日は1時間取るので自由に見て回って下さいと言われる。望むところだ。
それにしても昨日の明け方に来た時は、闇の中懐中電灯まで使って入場パスを確認していたスタッフが今日ひとりもいない。どういう基準・・・?昼は基本スルー?よくわからん。
今日は全体的にやたら空いている。昨日はあの雨にも関わらずぎっしりだったのに。何?今日何かあんの???
(※追記 書いていて思い出した。ベーシックな観光コースとしては午前中の暑さがまだましな時間帯に屋根のないアンコールトムに行き、午後は屋根があって日差しが遮れるアンコールワットに来るのが一般的、と聞いた気がする。だからか)
ともあれ、空いているに越したことはない。こんだけ空いてるなら余裕だし、トイレに行っておきたいということで、昨日の朝来たベストビュー地点の先にあるらしいトイレに向かう。進んでいくと、通りすがりの女性が「トイレはあっち」と。途中から少年の案内がつく。カンボジア人親切だな、と思ったら、有料トイレの係の子だった(笑)。利用料1000リエルで使用。中はキレイ・・・というか、汚くはなかった。学校のトイレなんかみたいに水をかけて綺麗に掃除してある感じ。アジアにありがちな、備え付けの水槽の水を汲んで自分で流す方式。それ自体に抵抗はないけど紙がない。多分これ、水で洗えって話なんだとは思ったけど、手持ちのティッシュを使用。・・・してみたら、それを捨てるところがなかった。困った。床全体水で濡れていてそれなりに綺麗だし、そのへんに捨て置ける感じでもない。流したら絶対詰まる。しょうがないので、ティッシュの入っていたビニールに入れて持って出て、その後見かけたゴミ箱に捨てた。紙使用禁止ならその旨書いたほうがいいと思う。有料ならせめて内部にゴミ箱を設置してほしい。
その後アンコールワット内を散策。水溜りは随所にあるものの、人も少ないし昨日より格段に快適。今日は傘も差さなくていいので、そのままフットワーク軽く第三回廊へ。

第三回廊から第二回廊を見下ろす形で撮ってみた。結構な高低差だけど雨が降ってないだけマシ。
昨日はそれどころじゃなかったけど、今日はそれなりに写真も撮れたしゆっくり見られて満足。さらに昨日の雨の洗礼のおかげで、降りるのなんぞCHA-LA HEAD-CHA-LA、何が起きても気分はへのへの河童という感じ(ドラゴンボールZか)。またも前方の人のもたつきにイラっとする。でもプレッシャーをかけては可哀想なので、暖かく見守る。
時間より早く回り終えたので、お土産屋でも見ようか、ということで店に向かって歩いていたら、どこからともなくわたし達の乗るワゴン車とガイドさん登場、店に入る前に乗せられる。えーん、ちょっとくらい見せてくれても。
その後、バンテアイスレイに向かう。シェムリアップ市内の遺跡群より時代が古いらしく、やや郊外にある。牧歌的な農村が散在する赤い道をひたすら進む。
わたしはバンテアイスレイは初めて。思ったより小さいけど、今まで見たどの遺跡よりも彫刻の彫りが深く、はっきりしていてとても細かい。薔薇色砂岩という稀少な石でつくられているそうで、赤い色が美しい。
特に美しいレリーフは「東洋のモナリザ」と評され、アンドレ・マルローがあまりの美しさに一部を持ち帰ろうとしたという逸話があるらしい。マルローも作品以外のことでこんな後世まで語り継がれようとは夢にも思うまい。可哀想に、没後もずっと言われる運命だよ。カンボジア人的には作品よりこの行動が有名なのかも。

噂の東洋のモナリザ。遺跡保護のロープが張られているため、15Mくらい離れたところからしか見られないのでちょっと遠い。
しかしここに来てガイドさんのガイドぶりが少し怪しくなる。ちゃんと覚えていないのか、言葉がうまく出ないのか、注意して聞いていないとわかりづらくなり、一生懸命聞いてしまった。
にも関わらず、ちょっとはぐれた隙に他の日本人の女の子に軽くガイドしてあげていた。「余所見してるとカッちゃんのところに行っちゃうゾ☆」と南ちゃん風に不平を述べてみる。
ここも結局かなりのスピードで見て回った気がする・・・。
シェムリアップ市内に戻る途中、昨日約束してくれた地雷博物館に寄る。
ここはプランにないので自費で入館料1$。創立者アキー・ラーさんの経歴や博物館を開いた経緯などが日本語でも掲示してあったけど、惜しむらくは誤訳率がすごかったこと。どうやら自動翻訳を使っているらしい。でも大体の意味は通じるので、是非ともお薦めしたい。
地雷は嫌だね。本当に。処理済の地雷が展示されていた(というか所狭しと置かれていた)けど、本当に色んな種類があり、こんなものが今でもこの国の地中にたくさんあるかと思うとやるせない。犠牲になるのは一般人だから。
明らかに素人手による絵もいくつか展示してあり、お世辞にも上手いとは言えない平面的な絵の中央より下で地雷を踏んだらしい人がふたり、血を流して倒れていて、家族らしき人々が泣いている。技巧的には決して上手な絵ではないのに、やりきれなさと悲しみが胸に迫った。
ここは地雷犠牲者の支援もしていて、子どもたちを学校に行かせる資金などを募っていたので、些少ながら寄付。

地雷博物館の地雷。全部地雷。夥しい数。
このあと市内に戻り、昼食。またブッフェですよ・・・!全体的にブッフェ率高すぎるよう。朝もそうだったし、あまりお腹もすかないので軽く食べる。飲み物だけは別料金で頼むのが普通なので、ミックスフルーツジュースを頼んだら、高さ30cmくらいありそうなグラスでドカンと来てびっくりした(笑)。でも明らかにマンゴーの味を感じる。ワーイ!うまうま。でもお腹たぷたぷ。にも関わらず、ここのブッフェにはココナッツアイスクリームがあったので、アイス大好きッ子の血が騒いで食べる。トッピング全部乗せで。豆みたいなのとか餅みたいなのとかよくわからないものも乗せたけど、全部美味しかった。
このあと一度ホテルに戻り、すぐに出られるよう荷物をパッキング。いい匂いだったのでホテルのシャンプーとかまで貰っておく(笑)。お土産で増えた荷物をどうにか整理し、ほぼパッキングを終えてから最後の観光地へ向かう。
最後の観光地は東南アジア最大の淡水湖・トンレサップ湖。しかし向かう途中でまたしても激しい雨に。だいじょぶかコレ、と不安がよぎり、昨日までの大部分を一緒に観光した、一足先にトンレサップ湖を観光済みの女性二人連れの台詞を思い出す。曰く「道がすごく悪かった」と。
・・・途中からすごく納得した。もんのすごいぬかるみ。
トンレサップ湖は雨季と乾季で大きさが何倍も変わるそうなので、きっと最大時には湖に沈むエリアなんだろう。だから舗装しない(できない?)のかも。それにしたってすごいぬかるみだ。幅も狭くて時々タイヤが嵌るし、ニワトリやら犬やら子どもやらバイクやらが始終ちょろちょろして危ない。度胸試しかお目当ての異性にいいとこ見せたいのか知らないけど、道路の真ん中で寛ぐ犬、自重しろ。
しばしガタガタ揺られた末、ようやく車が止まり、降りてみた。
降り立った第一印象・・・「ねちょっ」。スニーカーが埋まる。うう、足元悪すぎ。これではどう避けてもどこかで泥水溜まりに嵌る。少し弱まったものの、まだ雨も降ってるし。そんな中をしばし歩き、チャーターしたらしい船に乗り込む。若い運転手と少年が担当。20人くらいは乗れそうなサイズだったけど、わたしたちで貸切。通常ならひゃっほい!と喜びたいところだけど、風雨が激しくなりそれどころじゃない。船から湖上生活者の暮らしぶりなどを眺めるはずが、それどころじゃなくなり、風雨を避けるためにシェードみたいなものを下ろす。このせいで側面からは視界ゼロ。前方からのみしか外が見えない・・・来た意味あんのかコレ。

船の中。画面左は運転手。この幅しか視界がない上に雨でろくに見えない。
シェードの隙間から雨は滴り落ちてくるし、途中前方からも雨が吹きつけ、ガイドさんが傘でガードしてくれるも、そのせいでわずかだった視界がゼロに。今回の旅で一番激しい暴風雨はこの時かも。そんな中、助手(?)の少年は濡れるのも厭わずシェードを直したり巻き上げてみたりかいがいしく働いていた。働き者だったなあ。
幸い途中で一度雨の勢力が弱まり、ほぼ止んだので、少年がシェードを上げてくれて、多少湖上生活者のボートなど見られて、観光的なことができた。

ようやく外が見られた。湖上生活者の生活は教会もお家もお店も船の上。
ここで見た限り、途中までは川にしか見えなかった、幅的に。今の時期はこういうもんなの?と思い、どこまで行くんだこの調子で、と思った頃に広い水域に出た。すごい、一面の水!360度とは言わないけど、300度くらいは水で覆われている。海にしか見えない・・・果てが見えないもん。色がちょっとアレだけど。広いところに出たせいか、運転手、エンジン全開の勢いでガンガン飛ばす。そしてそれに追いすがろうとする物売りのボート。すっげ!(笑)
ほどなくして川っぽいエリアに戻り、大きめの商店船でトイレ休憩。この店、外の生簀にワニを飼っていたりして面白かった。食べるらしい。舟のデッキに上がるとまた見渡す限りの水平線が見えたけど、おお、とか言っているうちにまた雨が降り出す。やれやれだぜ。
そして陸に戻り、車に戻る。が、出て行こうとする車と入ってこようとする車が入り乱れ、カオスな渋滞になっていてしばらく待たされる。傍らでそれを暇そうに眺める湖上生活者たち・・・誰でもいいから(ボートの運転手とか)交通整理を買って出ればかなり効率的だろうに、そういう発想はないらしい。しかもどっちが優先というのもないらしく、かなりもたもたして時間をロスした。うーん、まあ、アジアだから(笑)。
降ったり止んだりする中をホテルに戻る。
空港へのピックアップにはまた迎えに来るというので、1時間ちょっとの空き時間に最後の散策と称してに外へ。今日までずっとスルーしてきた、ホテルの向かいの高級ブランド品を置いているらしい土産物屋に、最後だからというので行ってみたら、ここで普通にビールとかワインとか売ってたよ・・・!お土産になりそうなお菓子も!!何だよ、シャネルとかプラダとか表のガラスに書いてあるわりにはほんのちょとしかないじゃん!!基本は土産物屋じゃん!!!ああん、そういうことは先に言え・・・!がっくりきた。でもここも多分7時くらいで閉店するんだと思う。初日は既に電気消えてたし。
ともあれ、ここで少し買い物して、一足先に部屋に戻るSさんと別れて少しだけ屋台を冷やかす。孵化しかけのゆで卵、あったら買おうと思ってたんだけど、屋台エリアの下にはくるぶしくらいまである水溜りができていて、裸足か靴濡れ覚悟じゃないと近づけず断念。地元の人は潔く裸足で闊歩していたけど、わたしはこれから飛行機に乗る身・・・今からあんまり汚れるわけにもいかない。キー悔しい!仕方がないので近づけそうな屋台で肉まんと焼きバナナだけ買って帰る。肉まん、初日のよりこっちのほうが美味しかった。焼きバナナは存外普通。ああん、もっと屋台エンジョイしたかったよーーー!!!
部屋に戻り戦利品の肉まんとバナナをSさんとシェアしつつ、最後の荷物整理。忘れ物のチェックも終え、ロビーへ。また日本人スタッフの男性がいたので、この人にチェックアウトをお願いする。その際、部屋とかこのフロアとかで使っているアロマオイルは買えるのかと訊いてみたら、ルームサービスで頼むものだったらしい・・・盲点!道理でショップにはなかったはずだよ。部屋で焚いたレモングラスのオイルは本当にいい香りだったので、残念。
しばし待つうちに迎えが来て、ガイドさんとともに空港へ。あっという間すぎて泣ける。お別れに小額ながらチップと、日本から持ってきたのに食べなかったお菓子をあげた。ああんさようならカンボジア。
チェックアウトもあっさりと無事に済み、空港内でしばし待つことに。
時間があったので、ここでも30分のフットマッサージを受けた。10$。気持ちよかったけど、ここも明らかに人員過多で、わたしたちのマッサージを担当してくれた人たち以外はみんな携帯をいじったり大声で喋ったり、休み時間の学生みたいな勢い。暇なのはわかるけどあれはどうかと思う。空港内のお店なんだし、もうちょっと何かこう、規律があってもさぁ。マッサージは上手だったけど、なんか俺らだけ働いてて不公平じゃね?みたいな顔してた(笑)。
ちなみにお土産好適品のロールクッキー、ノム・トム・ムーンは空港にも売ってます。だからこれ買うなら最後でも大丈夫。オールドマーケットにあった小洒落た雑貨屋も空港内に支店があります。アロマオイル、コーヒー、胡椒などのスパイスはここでも買えますよ・・・!(これからカンボジアに行く人のための絶叫)
そんなこんなでまたエアバスに乗り込み、1時間弱でホーチミン着。ここでまた2時間ばかり待つ。ここが退屈だったな~。行きと同じトランジットエリアで、暇を持て余した。でもここで写真家(?)のアラーキーさんを見かけた。同じ機だったみたい。Sさんよく気づいたなあ。わたし「あれアラーキーじゃない?」と言われてもしばらく気づかなかったよ(笑)。しかも見つけてからも「電撃ネットワークの人じゃなくて?」とか言ってた。
ま、そんなこんなで飛行機に乗り込み、またしても強制おやすみシステム発動、寝たり起きたりワイン飲んだりしつつ、あとは無事に日本まで帰ってきましたとさ☆
最後に。
カンボジアに行った、とか言うと、結構皆さん秘境っぽいイメージがあるようで、勇気あるね、みたいな扱いを受けがちですが、シェムリアップは別に秘境ではありません。むしろ高級リゾートホテルもたくさんあり、今も建設ラッシュ中だから、今後サービスの競い合いでもっと質が高まると思います。ホテルで贅沢三昧してのんびりしたい、という方にも向いていると思います。日本で同じことをするよりずっとリーズナブルに楽しめますよ!
わたしの行った他のアジアの国よりも人々が穏やかで、物売りがしつこくないし、料理もそんなに刺激の強いものや辛いものはないので、馴染みやすく初心者にも向いていると思います。ただ夜がものすごく早いのが玉に瑕だけどな!(笑)
是非皆さんも行ってみて下さい。面白いですよ!雨が降っても気にすんな!(笑)
やたら長い旅行記に最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!時間を無駄にしたぜ、と思われなければいいのですが・・・。
おしまい!