満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『天と地の守り人 第三部』

2007-08-06 02:00:05 | 

皆様ごきげんよう。明日から・・・いえ、数時間後からまた一週間始まるわけですが、週末で昼夜逆転気味のこの身には夜明けが遠い、そんな黒猫でございますよ。良くないね。うん、良くない。そんなのわかってる。でもどうしようもないじゃない・・・!(そうだろうか)

それはさておき。今日は本の感想です。

『天と地の守り人 第三部』(上橋菜穂子著、仁木真希子絵、偕成社)

 
『精霊の守り人』に始まった守り人シリーズ最終作の最終巻を読み終えてしまいました。
これでシリーズが終わってしまうかと思うと、「しまいました」と言いたくなるほどに名残惜しい作品です。

今回あらすじを書くとまだ読んでいない人にとっては何を書いてもネタバレになってしまうおそれがあるので、今回はやめておきます。巻が下るにつれ描写されてきた近隣の国をすべて含め、大きな戦争が始まろうとしており、それと同時に、今にも天災が来ることが予想されていて、それをどうにかしようとするチャグムやバルサを始め、様々な立場にある様々な人の想いが描かれている、とだけ言っておきましょう。

物語の始まりから結構な時間が経ち、『精霊~』の時はまだ子どもだった、新ヨゴ皇国の皇子であるチャグムはすっかり立派な若者に成長しました。父王に「穢れ」として暗殺されそうになり、辛くも逃れてバルサと逃げてから、様々な経験をしたチャグムは本当に成長しました。途中まではバルサや旅の途上で出逢った多くの人に導かれて、そして途中からは自らの力で。

幾度も辛い決断に迫られてきたチャグムが、この巻で父である帝とまみえるシーンは本当にじんと来ます。ここは是非とも読んで頂きたい。これもひとつの親子のかたちなんだろうなあ。せつないけど。

一方で、ずっとつかず離れずを続けてきた女用心棒バルサと呪術師見習のタンダの関係にも決着が。ここが気になる方も是非読まないとね!(笑)バルサは本当に男前だよなあ。この巻でつくづく思いました。関係を問われて赤の他人にはいきなりすごいことを言うくせに、タンダに対しては・・・。別に今更言葉はいらないってことでしょうか。完全に力関係ではバルサが上ですよコレ。今更言うまでもないことなんでしょうか(笑)。でもこのふたりの関係大好きです。

あとわたしはタンダの師匠、呪術師のトロガイ師が大好きなんですが、この巻大活躍でしたよ。トロガイ師グッジョブ!(笑)特に最後の最後。実にトロガイ師らしい。

一応シリーズは終了ということですが、あとがきに「もし物語の種が降ってきたら、バルサの若い頃の話などを書くかもしれません」とあったので、外伝的な続編にも期待したいです。個人的にはトロガイ師をお願いしたいですが、需要なさそうだなあ(笑)。

『精霊の守り人』に続いて『闇の守り人』もめでたく文庫で出たので、この調子でシリーズ全部落ちてくれると非常にありがたいです。
コメント
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