月刊パントマイムファン編集部電子支局

パントマイムのファンのためのメルマガ「月刊パントマイムファン」編集部の電子支局です。メルマガと連動した記事を掲載します。

アーティストリレー日記(159)しいなまん

2024-11-24 08:28:09 | アーティストリレー日記

今月は、東京マイム研究所出身で、はとりミームラボ、清水きよしワークショップに参加しながら活動する、しいなまんさんの日記をお届けします。リレー日記3度目のご登場となります。

 

1月に単独還暦ライブを控えております、しいなまんです。

オレが還暦?と自分でもびっくりしています。

 

最近はまっているのが、音楽生成AIです。

公演に向けて、それに使う音楽を作れないかなと思ってこの春頃からいじり始めました。

それが!、なかなかのクオリティなんですよ。

このままCDなり配信なりにあっても全然イケるレベルです。

音楽の知識なんていらないし、歌詞まで自動で生成してくれるし。まあ、歌詞はchatGPTを使ってもいいですね。

作品にぴったりの曲が、著作権もジャスラックも気にせずに手に入るのです。

これは革命的です。

 

ざっくりとどんな感じの曲か、歌詞はどんな感じか、などを入れてボタンを押すだけ。

いくつか候補が出てきて選ぶ。

良いのが無かったら何回でもやる。

そんな感じです。

 

しかも、春から始めてこの秋までだけでも、どんどん進化しているのです。

春には1回に曲の途中までしか作れずに何回かに分けて作っていたのが、いつの間にか4分程度なら1回で作れるようになったし、日本語の歌詞にも対応してるし、その他いろいろな機能がどんどん増えています。

まるで今回の公演のタイミングに合わせてくれているかのようです。

 

私が当時中野坂上にあった東京マイム研究所に入門したのは今から36年前になります。

その頃の曲の編集といえば、オープンリールのテープをハサミでチョキチョキして繋げたりしていましたね。私はカセットテープのステレオ右左×裏表の計4トラックを使って編集できるミキサーを持っていて、よく使っていました。

あの頃は、まさか「こんな感じの曲作って」と言うだけで素晴らしい楽曲ができる時代が来るなんて、想像もできませんでしたね。

 

コロナ禍で一時期映像配信にシフトしていたのをきっかけに音楽の著作権を気にするようになり、フリー音源を探したりしていましたが、やはり限界がありました。

そんな中AIは正に救世主です。

 

いま、公演のために過去の作品を掘り返しているのですが、マイムを始めた当初から結構音に頼るものが多かったことに気が付きます。

使う曲にそれなりの意味があったりするので全ては難しいのですが、一部はAIの曲に置き換えています。

それがまた、自分でも大好きな曲になり、配信してたら間違えて買っちゃいそうです。

 

公演全体のテーマソング的なものもできたし、作った曲を前提に新たな作品を作ってみたりもしています。

曲が良くても作品がいまいち、とならないよう目下稽古に励んでいます。

よかったら、是非、楽曲だけでも聴きにきてください。

 

【KAN-REKI LIVE -シックスティ・ブギ-】

○日時:2025/1/24(金)~26(日)

1/24(金) 19:00

1/25(土) 14:00、 19:00

1/26(日) 14:00

○会場:阿佐ヶ谷シアターシャイン

https://theatershine.com/access.html

東京都杉並区阿佐谷南1-15-15

東京メトロ丸の内線「南阿佐ヶ谷」駅から徒歩2分

JR中央線「阿佐ヶ谷」駅から徒歩7分

○作・出演:しいなまん

○料金:予約・当日共 3,000円

○ホームページ:https://sites.google.com/view/siinaman2025-sxtbg

○お問い合わせ:(しいなまん) 417man@gmail.com

 

しいなまん

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アーティストリレー日記(158)高橋素子さん

2024-10-24 20:29:06 | アーティストリレー日記

今月は、11月10日の「劇とあそびのこども祭り」(青梅)に出演する一糸堂の高橋素子さんの日記をお届けします。3度目のリレー日記ご登場です。

 

 何年ぶりの投稿か。

 この5~6年はいろんな事があった。

 こどもたちが独立し、母の介護が始まり、それに伴い大がかりな模様替えがあった。

 仕事でも未知の世界の人形劇に関わる事になり、その間コロナの流行があり、かなりキツかった。その状況でも、人形劇の仕事で札幌・沖縄・山口・島根などでの公演があった。

 

 3年で辞め、2023年には劇団風の子の作品に出演させていただき、多くの幼稚園、保育園、小学校で公演。「言葉」を観客にしっかり届けるという新しい学び。こんにゃく座のオペラ塾にも入塾し、歌というさらに未知の世界へ。

2024年には、舞台の仕事は減ったが、8月には喜多方フェスで初めてのソロ公演。今まで創ってきた小品3

本をまとめて、「めぐる~ミツバチ・くも・人の一生」という一本の作品にした。ひとりの稽古の不安やしんどさもあったけれど、演れてよかった。

今までの様々な舞台が、私の人生を支えてくれていたことに改めて気づかされ、ありがたく感じた。

今回は、山尾三省さんの詩「火を焚きなさい」を、シンドーさんの語りと私のパントマイムでやりたい。

 

 しかし、それと同時に、政治から目が離せない。このままでは、人々の収入は搾り取られ軍需産業へ注ぎ込まれてしまう。格差が広がり、貧困化した人々には舞台を楽しむ余裕など残されない。

本来なら人生の苦楽を、舞台を通してみなで共有するものだと思うが、そうはなっていない。

10月16日~19日に、有明の東京ビッグサイトで「2024国際航空宇宙展」が開催された。海外ブースは事実上の武器見本市。それに対して抗議行動をしてきた。

その他にも、インボイス中止を求めるなど、日野市議会へ何度も請願を提出した。納得がいかないことに声をあげることを、当たり前のこととしてやっていきたいと思う。

 

  ヨネヤマママコさんがフランス在住の折、マルセル・マルソーさんたちと政治の事もたくさん話したとおっしゃっていたことが印象的だった。マルソーさん自身、戦争で苦しんだ方。今またそんな時代にしないように動きたいと思う。

 どこの国のこどもたちも、思いきり遊び、知りたいことを学び、夜は安心して眠れるように。

 私にもやれる事がいろいろあるだろうから。

      一糸堂 高橋素子

 

*「劇とあそびのこどもまつり」のイベント情報はこちらです。

https://www.instagram.com/GEKIASO2024

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アーティストリレー日記(157)清水きよしさん

2024-09-26 19:15:30 | アーティストリレー日記

今回は、10月に「幻の蝶」45周年記念公演を上演する清水きよしさんの日記をお届けします。リレー日記5回目のご登場です。

 77歳、喜寿。良いことづくめの歳になると思っていたのにまさかの引っ越しを余儀なくされ、近年になく落ち着かない日々を送っています。
 7月に仙台で公演した「KAMEN」を最後に本格的な舞台は全くなし。

 異様な暑い日々、バテバテになりながら引っ越し先のリフォーム、そして11年過ごした古民家の後片付けに追われています。
9月末には全てスッキリの予定だが遅れに遅れ、10月も近づいて少々焦り気味です。

 ところで仙台での「KAMEN」は東京以外で行う最後の自主企画/制作による舞台になりました。ほぼ毎年続けてきた東京での「幻の蝶」「KAMEN」は今後も体が動く限り継続していくつもりですが、両作品共に東京を出て自分で舞台を作る事はもう無くなります。

 思えば57年に及ぶマイム活動になりますが、ただでさえマイナーなパントマイムの舞台はお声が掛かるのを待っていたら永遠に自分の作品を観てもらえる場はやってこない。
 ましてや、自分の生活圏以外ではそのチャンスは皆無に等しいだろうと思い、イベントなどに呼んでいただいた時にできた小さなご縁や、友人知人に半ば強引に協力して頂きながら舞台を作ってきました。
 地方での公演の8割くらいは自主公演だったと思います。

 イベントで稼いでは舞台に注ぎ込む、好き放題に舞台に注ぎ込んでしまう私は家族にどれ程迷惑をかけてきたことか。
 でもそういう活動だったからこそ、得難い貴重な思い出には恵まれてきたと言えましょう。
数多くの想い出を語りだすとキリがなくなるので省きますが、恵まれたマイム人生である事は間違いありませんね。

 さて、この歳になっての引っ越しは思った以上に過酷です。しかもこの暑さですから作業は遅々として捗らない。暑さは最大の敵ですがもう一つは77年という歳月の重さ。
 個人的な家族との歴史、そして57年にというマイム生活の歴史を改めて思う日々になりました。写真や資料を整理しながら手が止まってしまうことがしばしば。
 「断捨離」だと思って始めたのだけれど、いまは「生前葬」ならぬ「生前遺品整理」だと言うのが実感です。
 想い出って結局は自分にとっては自分が生きているうちだけのもの。基本的に舞台は生物(なまもの)が持論の私には映像化された記録にも未練はない。数百本のビデオが出て来たのだけれど、丁寧に保存しようと言う気が無かったのでカビだらけ。結局一部を残して全てを燃えるゴミとして処分しました。少なくとも自分で見返す時間などないしね。

 ということで、物も過去の記録も捨てていくことで、身も心も軽くなっていく様です。
これからの残された時間は、寅さんの様にカバンひとつで好きなマイムを持ってあちこちに行くことを夢見ています。
 そう車も手放したのでテクテクとね。
これがもしかしたら「喜寿」の幸いになるのかもしれないですね。

 最後に宣伝をひとつ。
10月19日(土)16時、20日(日)14時から青山の銕仙会の能舞台で今年も「幻の蝶」を行います。ぜひ足をお運び下さいます様お願いします。
 詳細やご予約は公式サイトをご覧ください。
 https://maboroshino-chou.com

清水きよし

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アーティストリレー日記(156)江ノ上陽一さん

2024-08-31 07:16:55 | アーティストリレー日記

今回は、9月末の大型公演が間近に迫ってきたスーパーパントマイムシアターSOUKI代表の江ノ上陽一さんの日記をお届けします。リレー日記2度目の登場です。

2024『銀河鉄道の夜』公演まであと1ヶ月となりました

毎度毎度公演開催はチャレンジなのですが

今回は特にチャレンジ性の高い公演になっています

まず

出演者数が33名と過去最多であり

そのうちの17名が一般公募で応募してきた方々です

ということはパントマイム未経験者ということになります

5名のゲストの中にもパントマイム未経験者もいます
(他ジャンルのスペシャリスト)

また

全員揃うリハーサルは多分できないと思われ

会場に入って初めて全員揃うという状況になりそうです

これは流石に初めてかもしれません

SOUKIでの34年目の真価が問われる

ってことになります

そして

本公演は久しぶりに2部構成

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロでは

2部構成での公演を数多く開催してまいりました

ということで

今回も2部構成、硬派なパントマイム作品「銀河鉄道の夜」と

パントマイムとは呼べないような作品もある

SOUKI独自のエンターテインメント作品集「MIME traveler」

まだあるんです

関連企画の上映会&パフォーマンスイベント

「30th⇄60th modern times」も開催します

SOUKIの作品の中から厳選して上映

ゲストの小野廣己さん、吉澤耕一さんを迎えトークセッション

パフォーマンスもいたします

*2024年9月28日(土)18:00開演

もうてんこ盛りの企画です!


個人的にもありまして

今回は私の還暦記念公演ということになります

皆様に支えられ60歳までパントマイムの世界にいられました

この場を借りて感謝申し上げます

そしてもうひとつ

SOUKIの舞台照明のプランを34年に渡り

担当してくださっている加瀬さんが

本公演が最後に描くプランになると言っております

加瀬さんとは12歳違いですので72歳です

まだ一緒に仕事はしてくれると思いますが

SOUKI本公演での最後の仕事になるということです


SOUKI30周年記念(本当は2020年でしたがコロナ禍で開催できず)
江ノ上陽一還暦記念公演
加瀬隆純プランナー勇退記念公演

本公演は3つの記念公演となります

*公演特設サイト(詳細はこちらでご確認ください)
https://souki-mime.com/gtgt2024/


どうか皆様

お時間をお取りいただき

ご覧頂きたいとこのような長い文章を記させていただきました

皆様とともに時空間を共有し

一緒にパントマイムでワクワクしたいと思っています

どうかご来場くださいますようお願い申し上げます

SOUKI一同、お待ちしております

スーパーパントマイムシアターSOUKI
代表 江ノ上陽一

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アーティストリレー日記(155)Piroさん

2024-07-23 19:48:42 | アーティストリレー日記

今回は、大道芸などで活躍する長身のパントマイミスト、Piroさんの日記をお届けします。リレー日記2回目のご登場です。

3年前に東京都の林業が盛んな山間部エリアへ転居しました。
毎日、野鳥のさえずりがきこえ、山に囲まれたとても素敵な環境です。
都心に比べて気温が3~4℃程低いので、冬期は氷点下続きでとても寒いです。
都心で雪が少し降ると、こちらでは大雪となり、東京とは思えないような雪景色になります。
日常的に鳶が空を舞い、猿・鹿・カモシカ・等々の野生動物にたまに出会います。
実は、初めて野生の蛍を見ました。とても感動しました。
また自宅から見える登山道のある山は殆ど登りました。
豊かな自然の中には、パフォーマンスに繋がるたくさんのヒントがあるように感じます。
こうした野生動物、草花、樹木を題材としたパフォーマンスができたらおもしろいかもと、
色々試しています。

パフォーマンスを続けていく中で大切にしていることは「地域での繋がり」です。
転居した翌年から近所の商店街のイベントに実行委員として参加しています。
もっとも長い関わりのある活動場所として、三鷹の商店街で開催される「Mマルシェ」があります。
開催初期から参加しつづけてきて、今年で9年目です。
幼稚園児だった子が小学6年生になるまでの間に毎年のように観に来てくださった事は、
とても感慨深い思い出です。小さなファンの中には「またやっているの?」とわざわざ声を掛けにきてくれたりします。スーパーボールやお菓子など、思い思いのお気持ちをくださいます。
そういったコミュニケーションも大切にしています。
いつの日かパントマイムを始めるきっかけになってくれたら嬉しいですね。

最近は、パントマイムの動きを細かく分析して、色々な見せ方を試すことが楽しいです。
今後は、もっと色々な場所でパフォーマンスをしていきたいので積極的に参加していきます。
機会がありましたら是非みにきてください。

Piro

 

 

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