月刊パントマイムファン編集部電子支局

パントマイムのファンのためのメルマガ「月刊パントマイムファン」編集部の電子支局です。メルマガと連動した記事を掲載します。

アーティストリレー日記(157)清水きよしさん

2024-09-26 19:15:30 | アーティストリレー日記

今回は、10月に「幻の蝶」45周年記念公演を上演する清水きよしさんの日記をお届けします。リレー日記5回目のご登場です。

 77歳、喜寿。良いことづくめの歳になると思っていたのにまさかの引っ越しを余儀なくされ、近年になく落ち着かない日々を送っています。
 7月に仙台で公演した「KAMEN」を最後に本格的な舞台は全くなし。

 異様な暑い日々、バテバテになりながら引っ越し先のリフォーム、そして11年過ごした古民家の後片付けに追われています。
9月末には全てスッキリの予定だが遅れに遅れ、10月も近づいて少々焦り気味です。

 ところで仙台での「KAMEN」は東京以外で行う最後の自主企画/制作による舞台になりました。ほぼ毎年続けてきた東京での「幻の蝶」「KAMEN」は今後も体が動く限り継続していくつもりですが、両作品共に東京を出て自分で舞台を作る事はもう無くなります。

 思えば57年に及ぶマイム活動になりますが、ただでさえマイナーなパントマイムの舞台はお声が掛かるのを待っていたら永遠に自分の作品を観てもらえる場はやってこない。
 ましてや、自分の生活圏以外ではそのチャンスは皆無に等しいだろうと思い、イベントなどに呼んでいただいた時にできた小さなご縁や、友人知人に半ば強引に協力して頂きながら舞台を作ってきました。
 地方での公演の8割くらいは自主公演だったと思います。

 イベントで稼いでは舞台に注ぎ込む、好き放題に舞台に注ぎ込んでしまう私は家族にどれ程迷惑をかけてきたことか。
 でもそういう活動だったからこそ、得難い貴重な思い出には恵まれてきたと言えましょう。
数多くの想い出を語りだすとキリがなくなるので省きますが、恵まれたマイム人生である事は間違いありませんね。

 さて、この歳になっての引っ越しは思った以上に過酷です。しかもこの暑さですから作業は遅々として捗らない。暑さは最大の敵ですがもう一つは77年という歳月の重さ。
 個人的な家族との歴史、そして57年にというマイム生活の歴史を改めて思う日々になりました。写真や資料を整理しながら手が止まってしまうことがしばしば。
 「断捨離」だと思って始めたのだけれど、いまは「生前葬」ならぬ「生前遺品整理」だと言うのが実感です。
 想い出って結局は自分にとっては自分が生きているうちだけのもの。基本的に舞台は生物(なまもの)が持論の私には映像化された記録にも未練はない。数百本のビデオが出て来たのだけれど、丁寧に保存しようと言う気が無かったのでカビだらけ。結局一部を残して全てを燃えるゴミとして処分しました。少なくとも自分で見返す時間などないしね。

 ということで、物も過去の記録も捨てていくことで、身も心も軽くなっていく様です。
これからの残された時間は、寅さんの様にカバンひとつで好きなマイムを持ってあちこちに行くことを夢見ています。
 そう車も手放したのでテクテクとね。
これがもしかしたら「喜寿」の幸いになるのかもしれないですね。

 最後に宣伝をひとつ。
10月19日(土)16時、20日(日)14時から青山の銕仙会の能舞台で今年も「幻の蝶」を行います。ぜひ足をお運び下さいます様お願いします。
 詳細やご予約は公式サイトをご覧ください。
 https://maboroshino-chou.com

清水きよし

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アーティストリレー日記(156)江ノ上陽一さん

2024-08-31 07:16:55 | アーティストリレー日記

今回は、9月末の大型公演が間近に迫ってきたスーパーパントマイムシアターSOUKI代表の江ノ上陽一さんの日記をお届けします。リレー日記2度目の登場です。

2024『銀河鉄道の夜』公演まであと1ヶ月となりました

毎度毎度公演開催はチャレンジなのですが

今回は特にチャレンジ性の高い公演になっています

まず

出演者数が33名と過去最多であり

そのうちの17名が一般公募で応募してきた方々です

ということはパントマイム未経験者ということになります

5名のゲストの中にもパントマイム未経験者もいます
(他ジャンルのスペシャリスト)

また

全員揃うリハーサルは多分できないと思われ

会場に入って初めて全員揃うという状況になりそうです

これは流石に初めてかもしれません

SOUKIでの34年目の真価が問われる

ってことになります

そして

本公演は久しぶりに2部構成

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロでは

2部構成での公演を数多く開催してまいりました

ということで

今回も2部構成、硬派なパントマイム作品「銀河鉄道の夜」と

パントマイムとは呼べないような作品もある

SOUKI独自のエンターテインメント作品集「MIME traveler」

まだあるんです

関連企画の上映会&パフォーマンスイベント

「30th⇄60th modern times」も開催します

SOUKIの作品の中から厳選して上映

ゲストの小野廣己さん、吉澤耕一さんを迎えトークセッション

パフォーマンスもいたします

*2024年9月28日(土)18:00開演

もうてんこ盛りの企画です!


個人的にもありまして

今回は私の還暦記念公演ということになります

皆様に支えられ60歳までパントマイムの世界にいられました

この場を借りて感謝申し上げます

そしてもうひとつ

SOUKIの舞台照明のプランを34年に渡り

担当してくださっている加瀬さんが

本公演が最後に描くプランになると言っております

加瀬さんとは12歳違いですので72歳です

まだ一緒に仕事はしてくれると思いますが

SOUKI本公演での最後の仕事になるということです


SOUKI30周年記念(本当は2020年でしたがコロナ禍で開催できず)
江ノ上陽一還暦記念公演
加瀬隆純プランナー勇退記念公演

本公演は3つの記念公演となります

*公演特設サイト(詳細はこちらでご確認ください)
https://souki-mime.com/gtgt2024/


どうか皆様

お時間をお取りいただき

ご覧頂きたいとこのような長い文章を記させていただきました

皆様とともに時空間を共有し

一緒にパントマイムでワクワクしたいと思っています

どうかご来場くださいますようお願い申し上げます

SOUKI一同、お待ちしております

スーパーパントマイムシアターSOUKI
代表 江ノ上陽一

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アーティストリレー日記(155)Piroさん

2024-07-23 19:48:42 | アーティストリレー日記

今回は、大道芸などで活躍する長身のパントマイミスト、Piroさんの日記をお届けします。リレー日記2回目のご登場です。

3年前に東京都の林業が盛んな山間部エリアへ転居しました。
毎日、野鳥のさえずりがきこえ、山に囲まれたとても素敵な環境です。
都心に比べて気温が3~4℃程低いので、冬期は氷点下続きでとても寒いです。
都心で雪が少し降ると、こちらでは大雪となり、東京とは思えないような雪景色になります。
日常的に鳶が空を舞い、猿・鹿・カモシカ・等々の野生動物にたまに出会います。
実は、初めて野生の蛍を見ました。とても感動しました。
また自宅から見える登山道のある山は殆ど登りました。
豊かな自然の中には、パフォーマンスに繋がるたくさんのヒントがあるように感じます。
こうした野生動物、草花、樹木を題材としたパフォーマンスができたらおもしろいかもと、
色々試しています。

パフォーマンスを続けていく中で大切にしていることは「地域での繋がり」です。
転居した翌年から近所の商店街のイベントに実行委員として参加しています。
もっとも長い関わりのある活動場所として、三鷹の商店街で開催される「Mマルシェ」があります。
開催初期から参加しつづけてきて、今年で9年目です。
幼稚園児だった子が小学6年生になるまでの間に毎年のように観に来てくださった事は、
とても感慨深い思い出です。小さなファンの中には「またやっているの?」とわざわざ声を掛けにきてくれたりします。スーパーボールやお菓子など、思い思いのお気持ちをくださいます。
そういったコミュニケーションも大切にしています。
いつの日かパントマイムを始めるきっかけになってくれたら嬉しいですね。

最近は、パントマイムの動きを細かく分析して、色々な見せ方を試すことが楽しいです。
今後は、もっと色々な場所でパフォーマンスをしていきたいので積極的に参加していきます。
機会がありましたら是非みにきてください。

Piro

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アーティストリレー日記(154)woodyさん

2024-06-23 18:09:53 | アーティストリレー日記

今回は、8月6日の「a・la・ALA・Live(アラライ)」にユニットで参加するwoodyさんの日記をお届けします。リレー日記、2度目のご登場です。

日本マイム研究所で毎月開催している試演会は自由な発想で作品を試せる場。
そんな場に4~5年前からか時間があるときは参加しています。
佐々木博康先生曰く「試演会なんだから思うがままに自由な発想でやるように」
「いいとか、わるいとかそんなものはどうでもいいんだ」「叫んでもいいんだ」

独特な雰囲気のスタジオには老若男女が集う、多い時には10人以上の参加者がいることもある。
1人7分以内の作品群、演劇、モダンダンス、バレエ、演芸、お能、パントマイム、ジャンルは問わず。
研究所内は暗幕が引かれ、赤いビロードの幕が垂れ下がる、レトロな雰囲気たっぷり、オンとオフだけの簡単な照明とBluetoothスピーカーから持ち寄りの音を流す。
終演後は車座で輪になり個々の感想等意見交換、そして佐々木先生の武勇伝を聞きながらの飲み会、先生お手製のじゃがいも煮っ転がしは絶品です。
参加当初は自主公演でやった作品などを演じていましたが、最近では未完成の作品を演じ感覚感触を探りながら、新しい表現の可能性を模索しています。
そこには観衆がいて意見を聞ける貴重で有難い場です。
参加者達の自由で媚びることのない作品群は良質な公演を観た気分になります。

その試演会に数ヶ月前、鈴木秀城さんを誘ってみました。
見学から始まりここ数ヶ月連続で参加していただいてます。
多分、研究所外からの参加は初なのではないだろうか?
そんな彼とのユニット「Bellwoody」8月6日(火)座•高円寺2/アラアラライブに登場します。乞うご期待!

「a・la・ALA・Live(アラライ)」の詳細→https://ameblo.jp/alaalalive-ararin/

woody

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アーティストリレー日記(153)東京トライモニヨン・アメノシズさん

2024-05-24 19:29:42 | アーティストリレー日記

今回は、女性3人によるユニット東京トライモニヨンのアメノシズさんの日記をお届けします。リレー日記、初登場です。

皆様はじめまして。東京トライモニヨンと申します。

広島を拠点にパントマイムとスタチューパフォーマンスで全国的に活躍しているアメノシズ。
パントマイムアーティストであり舞台役者としても精力的に活動している野中さくら。
台湾から日本に帰国後、パントマイムとダンスで独創的なアート作品を生み出し続けているカレン。

以上3名でユニットを組んでいます。

もともとソロで活動していた我々ですが、たまにタイミングが合うと女子会なんかをやってまして
私アメノシズが広島で単独公演を終えた際、「次は3人でなにかやってみようか」ということになり結成しました。

東京トライモニヨンという名前は造語です。
【調和】や【挑戦】といった意味合いがあり、3人いて初めて生まれる特別な光や空気そして「自分達の力で歩みを進める」という我々なりの意志が込められてあります。
(「東京」はなんかお洒落っぽいなと思ったので田舎者の私が付け加えました)

今回はご縁があり『さくっとパントマイムvol.54』が結成後初舞台となります。

演目の全体構成はアメノシズが担当。3人が大切にしている表現方法を尊重しながら動きを取捨選択していきます。
もちろん稽古中は野中さくら、カレンも意見やプランを出します。そこがチームとしてめちゃめちゃ重要なことだと私は思っていて、ソロで完結していたことでも人数が増えてくると見え方や伝え方など色々変わってきたりします。
それを彼女達が言葉で伝えてくれるので私は新しい気付きを得ることが出来、作品についてディスカッションが出来る。
本当の意味で「3人の演目」として育っています。

そんな我々の演目は日常生活に着目した日常系パントマイム作品です。
3人が生きるそれぞれの時間の流れをひとつの部屋にまとめてみました。
時に繋がり時に離れる【調和】と【挑戦】に満ちた新ユニット「東京トライモニヨン」をどうぞよろしくお願い申し上げます。

東京トライモニヨン・アメノシズ


*東京トライモニヨン出演
「さくっとパントマイムvol.54」
6/22(土)15:00/19:00@スタジオエヴァ(新大久保)
詳細→https://sakupan54-2024.hp.peraichi.com/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする