ひでさんの気まぐれ日記

旅の様子や趣味を書いていきます

中仙道13 1日目

2023-10-07 22:42:44 | 街道歩き

中仙道131日目


いよいよ本番、中山道の旅の始まりです。
ホテルを7:30くらいに出発して昨日の和菓子屋「ひつばたご」の近くにある中山道を目指しますが、その前にコンビニに寄って今日の食料を仕入れておきます。なぜなら、今日向かう道は十三峠を含む街道で恵那駅を過ぎて次の駅までは約30km、それまではずっと山の中を歩くこの街道旅の中でも一番ハードでは?と思われる区間。その30kmの間にコンビニも無し、大黒屋という宿が1件と売店が1件あるかないか?自販機も期待できないという事で1日分の飲み物と食料(小アンパン4個入)をローソンで購入しリュックに搭載し出発です。
相変わらず岐阜県内は中山道の印として道路に陶器のかけらのようなものが埋め込まれているのでわかりやすい、中井宿本陣は前回過ぎましたが昔の建物もちらほら見られます。    

しばらく進むといよいよ十三峠、入り口にはこのような看板があってこれからの旅の厳しさを感じさせます。

歩き始めると直ぐに公衆トイレが有ったのでとりあえず用を済ませます、この峠には所々にこのような公衆トイレがあるようですので見かけたときには使うようにしておいたほうが安全、今日は一日こんな感じで進みます。
 

気になって事前に調べたところ岐阜県内は結構熊の被害が多いので以前民宿で購入した鈴をつけての旅となります。この十三峠ではほとんど人とすれ違いません、昔の中山道はかなり人気の街道だったそうで峠には茶屋が有ったり途中にある大湫、細久手宿にも旅籠が何件もあったと思われますが、今はほぼ何もない山道をひたすら進みます。暫く行くと槙ヶ根一里塚、こんもりとした塚が残されていました。

少し歩くと突然視界が開け山々の景色が見渡せます、紅葉にはまだ少し早いですが今日はこんな感じで進むのでしょう。
実りの秋という事で柿も色づいています。

山の中にはこのような看板が有りました、十三峠に入ってから未だ誰とも、何とも遭遇しませんが江戸時代には多くの人々が行きかっていたのでしょう、ここには9軒の茶屋が軒を連ねていたそうです。
 

ひたすらこんな道が続きます、
   

といっても人しか通れない道があったと思えば車が入って来られる山道、普通の市道に民家なども混在しながらの道になります。
 


 
途中石畳が現れたと思ったら、さにあらず、ここは「紅坂のぼたん岩」と言って岩の表面がボタンの花のようにごつごつしていて我々はその上を歩いているようです。
 

山を下りてきました、この十三峠には栗の木が多く街道の所々に毬栗が散乱しています、という事はそれ目当ての動物たちが集まってきそうなので用心が必要です。
 

深萱立場本陣跡の近くにトイレと休憩できる場所が有ったのでしばしの休憩、どこで付いたのか何かのかわいい種がトレッキングパンツに付いていました。
 


 
しばし休憩して歩き再開です、またまた山の中に入っていきます、しばらく歩くと一昨日?の雨でぬかるんだ道に動物が歩き回った真新しい足跡が数知れず、なんか普通と違うなと緊張しながら進むと明らかに鹿や猪、猿とも違う人の手のひらに近いサイズの足跡が、よく見ると3本以上の指の跡も確認、どう考えても熊にしか見えないので鈴を鳴らしながら足早に先に進みました。こんな人と会わない山中で熊とばったりは避けたいものです、この後は熊の気配にビビリながらの行程となりました。
 

一里塚も一瞬で撮影しその先へ、


 
ゴルフ場を横断する中山道を歩き峠を降りた所にこのような看板がありました、長い間トレッキングや街道歩きをしていて和田峠を歩くときも宿泊した民宿の方に熊に気を付けて鈴は必ず良く鳴る場所に身に着けて!と注意いただきましたが、こんな身近に感じたのは初めてです。
 

ここを下りるとようやく初めての大きな宿場町大湫宿です、
 

大井宿を過ぎて初めての宿場町大湫(大久手)に到着、十三峠初めての売店と自動販売機が有りました、というか十三峠とは大井宿から大湫宿までを指すので一個もなかったことになります。
十三峠は「おまけが七つ」といわれる難所でやっと峠を越えたと思いきやこの先も峠の連続です。
自販機で飲み物を補給し店前にあった駐車場のベンチで昼食とします、目の前のお店は開いている様子もなしですが閉業している店でもなさそう、今日は定休日?しばし休憩してから出発し道を左に折れると宿場町らしい町並みとなりました。すぐ左には大湫宿おやすみ処(旧森川訓行家住宅)という古い建物があり、そこの方が大湫宿の見どころなどを話してくれました、「今日はどこから来たの」というので恵那からと話すと「大黒屋さんに泊まるの?」と、御嵩駅まで行きますと言ったら「それはたいへん」と少々驚いていました。そうなんです結構大変なのです、時間が限りなくあって気持ちよく色々見て回りながら中山道を旅するのであれば次の宿場町細久手の大黒屋さんに宿をとるのが最善の方法と思われます。十三峠という名前の通り(実際御嵩宿までを考えるともっと多い)アップダウンをずっと繰り替えした街道を歩いていると足腰よりも体力の消耗が激しいです。

大湫宿おやすみ処を出てこの日最初のCafé(今日の行程で2か所ほどチェック済み)古民家カフェ橘を目指します、お店に着いて中を覗くと客は1人もいません、店員も見当たらないが奥から洗い物をしている?らしき物音が、とりあえず座敷に上がって「すみませ~ん」と何度も声をかけるが反応なし、さっきサイクリストが店の前で途方に暮れていたように見えたけどこういう事でしたか、という事で休憩を諦め先に進みます。このCaféを目指した結果、先ほどの休みどころの方に聞いた倒れた大木を見逃しました、Caféの目の前に見えるけど急階段を登った上、でも見とけばよかったか、衛星写真でもしっかりと見て取れ後のCaféで聞いたら奇跡的に本殿などに被害はなかったとの事、確かにこんな大きな木が建物に直撃したらただ済まない。
 

次の峠に差し掛かる前に巨大な2つの岩が現れました、中山道二つ岩というこれも名所らしいです。

ここからは石畳の道が続きます、この山中にある一里塚はどれも当時の面影を残していて道の左右にしっかりと2つ共形を残しているものも有ります。
ここは美濃十六宿の中で一番高い峠で日本一長いとされる石畳の道だそうです、対でしっかり当時のまま残っている一里塚は八瀬沢一里塚。

峠の中を歩いているとどこからか爆音が!普通の車の音ではなく明らかにレースの時の轟音とスキール音、地図を見るとこの森の先に「YZサーキット 東コース」があるという事で、練習か大会かわからないけど何台もの車が走っているのが聞こえます、ちょっと覗きたい気もしますが先を急ぎます。峠を越えると細久手宿、噂の大黒屋さんがありました、この後すれ違う人が増えるので時間的にみな大黒屋さん目当てかと思います。細久手宿は大湫よりもこじんまりしている感じで、大湫には街道らしい町並みが残っているのに反し細久手には大黒屋さん以外それらしき建物は見られず「細久手宿本陣跡」も手書きの何ともほっこりする看板のみでした。

十三峠のあともここ細久手まで山の中、本日ここまで22kmをほぼ峠路で歩いてきたので流石にバテました。大黒屋さん前の公民館の軒先をお借りしてしばらくの休憩、少し休んだくらいでは回復しないので、今度来るときはスマートウォッチを買って体のチェックをしながら歩いてみたいと思います。

細久手宿を過ぎてあと一山超えれば平坦な所に出られるそうです。。。(また峠)
少し行くと鴨之巣一里塚、いったい何個目の一里塚か!4キロごとなので5~6個?道はまだ続きます。
  

この山道の先にCaféがあることを調査済みなのでそれを楽しみに体に鞭を打って進みます。
やっと「ラ・プロヴァンス」に到着、さあ入店と思ったら街道から入る道はCloseされている、進むと駐車場がありそこから上げっていくような構造になっているらしい、しかし!
駐車場には5~6台の車、若いカップルがお店から出てきて若い女性達が車で入店、どうも汗だくの街道旅人が寄る雰囲気の店ではなさそうという事で何事もなかったようにスルーしました。
峠を下り、田んぼの脇を進み、またひと峠こえるとその先に休めるところが有ったので一人Café Timeといきます。
   

さてあとは御嵩と思い歩き出すと間もなく予定外のCafé発見、「いろは茶屋」というお店は新しいお店のようですが臨時休業の文字が、ここもダメかと思いきや中からマスターが現れ「休んでいきます?」と、やってます?と聞くとお客さん来ないから閉めようと思っていたところとの事だったので外のスペースでコーヒーを一杯ごちそうになりました。山の中で味わう珈琲はいいものです。
暫くまったりと過ごしたいところですが、もう午後三時半近く。まだ先があるので日が暮れないうちに歩き切りたいという事でCaféを後にします。
 

Caféの先に進むとまた石畳ですがパッと目に入って来たこれ、偶然と思われますが「上」はお見事です。
   

空の感じも夕暮れ時を思わせます。
 

やっと峠ともおさらば、この先にこれもチェックしておいた場所が有ります。
全く目立たないところにあるそれは、「和泉式部の廟所」、平安時代を代表する歌人が晩年この地方で過ごされここで没したといわれているところだそうで、中山道脇にこの看板だけで納屋の奥のような所にひっそりと祀られています。
 

ここを過ぎるといよいよ街中、御嵩宿に突入です。
もうあまりゆっくりと見て回る気力もないので駅を目指します、ここ御嵩宿にも所々古い建物が残されておりました。
  

いよいよ今日の目的地である御嵩駅に到着、本日の歩行距離33km
 

足腰はまだ行けそうですが、峠の連続と熊への警戒と相まって体力気力はかなり限界に近いです、後は電車で可児駅に行ってホテルに宿泊、明日への備えをします。