映画「Girl」
2018年・第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、これが長編デビュー作のルーカス・ドン監督がカメラドール(新人監督賞)、主演のビクトール・ポルスターが最優秀俳優賞を受賞した。
トランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して葛藤や苦悩を乗り越えながら夢を追いかける姿を描いたドラマ。男性の体にうまれたトランスジェンダーのララは、バレリーナになることが夢で、強い意志と才能、そして血がにじむような努力で、難関とされるバレエ学校への入学を認められる。しかし、成長とともに変わっていく体によってうまく踊れなくなることへの焦りや、ララに対するクラスメイトの嫉妬や嫌がらせにより、次第に心身ともに追い込まれていく。
映画.Comの清藤秀人氏の評論が詳しい。
https://eiga.com/movie/89979/critic/
ララを瑞々しく好演するアントワープのバレエ・スクールに通うトップダンサー、ビクトール・ポルスターが、役柄の設定とは違いシスジェンダー(肉体の性と性同一性が一致している人)であることを問題視する論調は、決して的を射ていない。誰が演じるかではない。人が本来の自分として生き抜くための努力と、挫折と、そして、葛藤の果てに訪れる自由こそが、作品のテーマなのだから。
それにしても、ララの家族や医療関係者の、何とフラットなことか!? 黙々と冷静に的確な治療を提案するドクターは勿論だが、娘の幸福のためならすべてを投げ打つ覚悟のシングルファーザーの父親が、どんな時も愛に溢れていて涙が出る。これは、ベルギーという国の成熟を痛感させる映画でもある。
2018年・第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、これが長編デビュー作のルーカス・ドン監督がカメラドール(新人監督賞)、主演のビクトール・ポルスターが最優秀俳優賞を受賞した。
トランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して葛藤や苦悩を乗り越えながら夢を追いかける姿を描いたドラマ。男性の体にうまれたトランスジェンダーのララは、バレリーナになることが夢で、強い意志と才能、そして血がにじむような努力で、難関とされるバレエ学校への入学を認められる。しかし、成長とともに変わっていく体によってうまく踊れなくなることへの焦りや、ララに対するクラスメイトの嫉妬や嫌がらせにより、次第に心身ともに追い込まれていく。
映画.Comの清藤秀人氏の評論が詳しい。
https://eiga.com/movie/89979/critic/
ララを瑞々しく好演するアントワープのバレエ・スクールに通うトップダンサー、ビクトール・ポルスターが、役柄の設定とは違いシスジェンダー(肉体の性と性同一性が一致している人)であることを問題視する論調は、決して的を射ていない。誰が演じるかではない。人が本来の自分として生き抜くための努力と、挫折と、そして、葛藤の果てに訪れる自由こそが、作品のテーマなのだから。
それにしても、ララの家族や医療関係者の、何とフラットなことか!? 黙々と冷静に的確な治療を提案するドクターは勿論だが、娘の幸福のためならすべてを投げ打つ覚悟のシングルファーザーの父親が、どんな時も愛に溢れていて涙が出る。これは、ベルギーという国の成熟を痛感させる映画でもある。