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映画「エリカ38」

2019-07-24 09:23:30 | 映画
映画「エリカ38」監督・日比遊一。

2018年9月に他界した樹木希林が生前、自身初となる企画の下で製作された映画で、実在の事件をモチーフに、60歳を過ぎても38歳と偽って色香で男たちをだまし、最後は異国の地で逮捕された女の姿を描いた。

エリカ役は、45年ぶりの映画主演となる浅田美代子が務めた。樹木は浅田の代表作になってほしいという思いから今作を企画し、自らもエリカの母役で出演している。


浅田美代子の新境地を引き出した樹木希林の慧眼(映画Com.AuVisさんの評論より)
清純派アイドル歌手から女優に転身した浅田美代子。にこやかで明るいキャラとほんわかムードで、かつて役柄が限られていたのではないか。ドラマ共演から公私の付き合いがあった樹木希林は、浅田の一般に知られていないさまざまな面、能力を評価していたのだろう。長いキャリアで唯一という企画で、一風変わった女詐欺師の役を浅田に用意した。

実話がモデルで、確かに奇妙な詐欺事件として一時マスコミを賑わしていたと記憶する。あの時大勢が抱いたであろう、若作りの女性容疑者のうさんくささ、逮捕され送還されているのになぜか媚びたような態度、そんなもろもろを巧みに抽出し、浅田が見事に血肉化した。

樹木は出演シーンは少ないものの、エリカの老いた母役で一筋縄ではいかない複雑な人物像を描く。エリカが支援者を招いたパーティーの場面での台詞「娘をよろしくお願いします」には、樹木の浅田への思いが重なって聞こえ胸が詰まった。
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