ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

There will be blood

2008年06月01日 | Weblog
雨が降りしきる中、太宰府へ。市内からタクシーでちょうど5000円。お参りしてからお目当ての光明禅寺へ。九州唯一の枯山水庭園、らしい。方丈前庭は東西に長細い敷地に白砂と石のみで構成された庭。北は白砂を大海に見立てた苔と石の庭。モミジが多く、紅葉の頃はきっと素晴らしい色彩で彩られるだろう。広々とした庭は滴るような緑で覆われ、酸素の密度が高く感じる。禅の庭とはいえ厳しさはあまり感じられずむしろ柔らかいおおらかな雰囲気。眺めているだけで癒されるような庭。
参道の「小野筑紫堂」でツツジの刈込の庭を眺めながらくず湯と共に名物「梅ヶ枝餅」を食べる。焼きたての餅の香ばしい香りと自家製餡の控えめな甘さが見事にマッチしていて1つではおさまりつかず、おかわりを注文。

福岡へ戻り、地鶏鍋を食べる。風情のある純和風民家を改造したお店。梁が剥き出しの高い屋根、土壁、年季の入ったアメ色の床が日本人DNAに響く。付き出しのキャベツと味噌がおいしい。鳥刺盛り合わせ、地鳥鍋など。

第80回アカデミー賞受賞作品、ポール・トーマス・アンダーソン監督、ダニエル・デイ=ルイス主演「There Will Be Blood」を見る(@シネテリア天神)。昨今のハリウッド映画には珍しいような、スイートなシーンが徹底的に排除された、シンプルで古典的なストーリーは黄金期ハリウッドを彷彿とさせる。カット、被写体との距離が絶妙で非常に抑制が効いていて、空気が伝わってくる。画面もさることながらダニエル・デイ=ルイスの演技が素晴らしい。終始途切れることのない緊張感で、2時間35分という長さは全く感じられなかった。REDIOHEADギタリストの音楽も全編に漂う不吉な雰囲気を見事に醸し出している。