ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

煌めきの街、アントワープ <第3回 ルーベンスハウス>

2020年03月15日 | Weblog
経済的にも文化的にも繁栄を極めたアントワープ至上、最も成功した画家はルーベンスでしょう。
アントワープのみならず世界的にも成功を収め、「王の画家にして画家の王」と言われるほどの名声を得たそうです。
外交官として政治的な手腕も発揮し、諸外国の王室からの信頼も非常に厚く、宮廷画家としての地位は揺るぎないものに。

多忙を極めたルーベンス。多作でも知られるルーベンスは、多くの弟子とともにアントワープに住居兼工房を構えます。それがルーベンスハウス Rubenshuis。作品のみならず、当時の生活スタイルや工房の雰囲気も感じられる邸宅美術館です。

エントランスから、まず目に飛び込んでくる構造物、「ポルチコ」。


建物の中から。画家の守護神メルクリウスと知恵の女神ミネルヴァの彫刻が飾られています。






中庭から望む外観。豪奢な建物です。


ルーベンスに興味がない方も、建物自体一見の価値あり!


★2024年、ルーベンス・エクスペリエンス・センターがオープンする予定だそうです。

開館時間
10-17 月曜休
入場料
8ユーロ
(ただし、コンビチケットやユーロレイル利用時の割引あり)
★最終水曜日は無料

煌めきの街、アントワープ <第2回 アントワープ中央駅>

2020年03月15日 | Weblog
ダイヤモンドのような美しさを放つ煌めきの都、アントワープ。
その玄関口であるアントワープ中央駅は、世界で最も美しい駅として知られています。
もはや駅というイメージを超え、まるで宮殿のような建造物です。

ホームに降り立つと、我々の目に飛び込んでくるのがこのような構造物。


ブルージュ出身の建築家ルイ・デラサンセリ(Louis Delacenserie)によって設計され、1899〜1905年に建設されました。



多層構造になっていて、地上レベルが出入口、そこからエレベーター等で地上〜下層のプラットフォームに移動します。ヨーロッパの中央駅は、しばしば不穏で治安があまり良くない印象なのですが、アントワープ中央駅は壮麗な建築物のお陰なのか、危険な香りが全然しない!(もちろんそれは「安全」を保証するものではありません)

地上部分のプラットフォーム。レースのように繊細な鉄筋構造。


これ、本当に駅?



そして2階にはロイヤルカフェがあります。旅の祝祭的な気分が俄然高まる、ロイヤルな空間ですが、価格はお手頃。紅茶はカップにティーバッグが添えられて提供されます。建物は豪華ですが、サービスと提供される商品はカジュアルです。



出発までのひとときを過ごすにはもってこい。
地上フロアにはスタバやワッフルの出店なんかもあり、地元の人々にも親しまれています。

ツーリストインフォメーションも併設しているので、まずは地図や基本情報をゲットして移動するのがオススメです。
窓口のスタッフはとっっても親切でした。

超フォトジェニックなアントワープ中央駅、人生最高のポートレートが撮れるかもしれません。




煌めきの街、アントワープ <第1回 聖母大聖堂>

2020年03月15日 | Weblog
ベルギー第2の都市、アントワープ。
15世紀には世界で最も美しい都として讃えられ、17世紀には文化的興隆を極め、現在はヨーロッパ第2の港湾都市として、また世界的ダイヤモンド原石の中継地点として、その繁栄は歴史的建造物に彩られた美しい街の随所に感じられます。

日本人にとっては、『フランダースの犬』の最後のシーン、ネロ少年がパトラッシュと共に最期を迎えるルーベンスの絵の印象が強いかもしれません(アントワープ市民の認知度は低いみたいですが)。

煌めき溢れるアントワープの魅力は語り尽くせませんが、ポイントごとにシリーズでご紹介いたします。

<第一部>
聖母大聖堂 Onze-Lieve-Vrouwekathedraal Antwerpen
ベルギー最大のゴシック様式の聖堂として1352年の着工からおよそ170年の歳月をかけて1521年に完成。1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」として世界遺産に登録されています。先述したルーベンスの祭壇画以外にも、聖堂内部は美術館レベルの絵画、ステンドグラス、彫刻で目を奪われっぱなし。壮麗な聖堂内部は神聖な空気に満たされ、キリスト教信者ならずとも敬虔な心持ちに導かれます。大聖堂のパトロンのみならず、アントワープそのものの繁栄を如実に感じられる、都市のイメージを集約、象徴する場所です。







美しいステンドグラスを通して内部を照らす光、神の言葉を翻訳するフィルター装置のようです。


ネロ少年が最期を迎えるルーベンスの絵、『キリストの降架』。三連祭壇画の中央部分です。


やはりルーベンスによる巨大な祭壇画、『聖母被昇天』。


アントワープ市民の祈りの場であり、世界的観光名所であり、優れた美術品を収蔵する美術館としての機能も果たす聖母大聖堂。アントワープで必ず訪れたい場所のひとつです。


オープン時間
10:00〜17:00(土〜15:00)、日曜日は13:00〜17:00
入場料
8ユーロ

ちなみに、私が訪れた2020年2月14日は修復工事中で、外観(鐘楼部分)は作業用の足場と布で覆われていました。残念!