落語初心者に談春が贈る落語会「白談春」も今年最後、しかも来年は未定。企画意図を見事に裏切る落語会常連でほぼ席が埋まっている状況、それもそのはず初心者にはチケットがあまりにも取り難い。そんな常連に杭を刺すためか、2日連続公演の中身は若干マクラに変化はあったがほぼ同じ内容。しかし小春は時間の都合上か、2日目高座に上がることを許されず、代わりに談春の前座噺講座。「たらちね」の談春ネタ「ヨネのことなり」「ヨネ?九つの時神隠しにあったあのヨネかい?」はかなりおかしい。前座噺は口慣らし以外にも、演者が個性を加えられない人物が登場することで、基本の基本を叩き込む意図があるという。その好例が「たらちね」のおかみさんや「たぬき」のたぬき。獣は人間と目を合わさない、時々チラチラ見上げる程度、という演出法、続く「たぬきの鯉」でなるほど納得。「たぬき」シリーズで札、賽はよく演じられるが、鯉はあまり聞かない。子供達に「犬をいじめちゃいけないよ」「犬じゃないよ、たぬきだよ」という子供とのやりとりから展開。談春のいたずら子供、助けられた子狸は愛嬌がある。鯉は出世魚、お祝いにはもってこい。そうして兄いのところに祝いの品として届けるが、間の悪いことに包丁を持たせたら玄人レベルの男が訪問中。早速鯉をさばく手筈が整ってしまう。子狸と涙の別れ、そして俎板の上に載せられた鯉についてのもっともらしい講釈。しかし本当の鯉ならいざしらず、相手は鯉に化けた狸だから暴れる一方、さらには包丁を持つ男を睨みつけ、引っ掻く始末。さげは「あれが本当の鯉の薪のぼり」。
「禁酒番屋」は侍の近藤が酒屋の主に禁酒になったいきさつを語る場面から展開していく。小便屋へと至るまで、酒屋の使用人たちのなんとか酒を届けよう、何とか番屋を出し抜いてやろうという気合いがどんどん盛り上がっていく、その演出が見事。カステラに執着する小僧がかわいい。番屋の侍がぐでんぐでんに酔っぱらっていく変化もおかしい。
中入後に「景清」。にわか盲の定次郎。腕利きの木彫り師だった頃にこれぞという作品が残せなかった、悔しくはないかい、という旦那の言葉に自分を取り戻し、観音様に願掛け100日。満願の日、開くはずの目が開かない。散々悪態をついている所で旦那に諭される。威勢が良くって強がり一方の定次郎が観音様の前で旦那に弱音を吐くシーン、そのガラリと変わる調子につい涙。そんな定次郎を連れ帰る途中、雲行きが怪しくなる。そして雷が定次郎を貫き、無類の雷嫌いの旦那は定次郎を置き去りにして逃げ帰ってしまう。我に返った定次郎、なんと目が見えるように。しかし旦那はあんまりひどい、と旦那にかわいい復讐を計画。サゲは「目を開けてくれたのは観音さまです」。
夕飯は阿佐ケ谷の韓国料理太田屋(テジョンヤ)で。焼肉はイマイチだが、ここのクッパはおいしい。パジョンは鉄鍋でジュウジュウ音を立てながらサービスされる。これを裏表返しながら食べるスタイル。かなり厚みがあって、表面はパリッ、中はトロッとしていて食べ応えがある。値段もリーズナブル。
「禁酒番屋」は侍の近藤が酒屋の主に禁酒になったいきさつを語る場面から展開していく。小便屋へと至るまで、酒屋の使用人たちのなんとか酒を届けよう、何とか番屋を出し抜いてやろうという気合いがどんどん盛り上がっていく、その演出が見事。カステラに執着する小僧がかわいい。番屋の侍がぐでんぐでんに酔っぱらっていく変化もおかしい。
中入後に「景清」。にわか盲の定次郎。腕利きの木彫り師だった頃にこれぞという作品が残せなかった、悔しくはないかい、という旦那の言葉に自分を取り戻し、観音様に願掛け100日。満願の日、開くはずの目が開かない。散々悪態をついている所で旦那に諭される。威勢が良くって強がり一方の定次郎が観音様の前で旦那に弱音を吐くシーン、そのガラリと変わる調子につい涙。そんな定次郎を連れ帰る途中、雲行きが怪しくなる。そして雷が定次郎を貫き、無類の雷嫌いの旦那は定次郎を置き去りにして逃げ帰ってしまう。我に返った定次郎、なんと目が見えるように。しかし旦那はあんまりひどい、と旦那にかわいい復讐を計画。サゲは「目を開けてくれたのは観音さまです」。
夕飯は阿佐ケ谷の韓国料理太田屋(テジョンヤ)で。焼肉はイマイチだが、ここのクッパはおいしい。パジョンは鉄鍋でジュウジュウ音を立てながらサービスされる。これを裏表返しながら食べるスタイル。かなり厚みがあって、表面はパリッ、中はトロッとしていて食べ応えがある。値段もリーズナブル。