ステップ5の続きです。エッチングパーツも含めた細部の部品を組み付けます。
組み上がりました。J37およびJ38は塗装まで接着せずに保管としました。
再び車内に仮組みで入れてみて具合をチェックしました。
パーツの組み合わせはピッタリでした。ズレや歪みや干渉はまったくありませんでした。ドラゴンの製品はこういうところが優れているなと思います。
さて、ドラゴンが手を抜いた、問題のエンジンルームです。御覧の通り何もありません。折角のインテリアキットなのに、肝心の部分が抜けていてはつまりません。全てを再現しパーツ化するタコムやライフィールドモデルやミニアートの心意気を少しは見習え、と言いたくなりますが、このキットはフルインテリアキットがまだ珍しかった昔に発売されたものです。ここは客観的に時代の差を読み取っておくべきでしょう。
キットの車体パーツのエンジンルーム区画内は、このような状態です。しかし、このままですとエンジン以下の再現製作に支障をきたします。
そこで、本来は有り得ない、上図の二ヶ所の赤円内の三角部分をカットします。
カットした状態です。これでエンジンルームの再現製作に進むことが出来ました。
ステップ5で組み立てた隔壁の裏側に、Ⅱ号戦車の資料図版などを参考にしてエンジン関連の各部品を取り付けました。プラ材やジャンクパーツなどを駆使して形をあわせて作りました。
エンジンに関しては、ガルパン車輌の製作で色々と教示をいただいている、サークルの先輩でミリタリートラックマニアのN氏に相談しました。氏は第二次大戦中の戦車や車輌のエンジンを単体で作って集めるという変わったコレクションをしており、したがってエンジンに関しても詳しい方です。
私が電話して問い合わせた時、N氏はフフフと笑って「さすがに星野君は面白いところに目をつけるねえ、Ⅱ号戦車のエンジンをも再現して作る、か・・・まったくもって面白いなあ」と言いました。
「・・・面白いですか・・?・・・こっちはどうしたらよいか分からなくて悩んでるんですが・・・」
「Ⅱ号戦車のエンジンやろ・・・?・・・あれか、マイバッハのHL62やな」
「すぐに分かるんですねえ・・・」
「まあ、手元にあるからな・・・、これはハーフトラックのSd.Kfz.7のエンジンでもあるからね、キットは幾らでもある」
「そうなんですか!・・・Sd.Kfz.7っていうと、兵員輸送車とか、荷台に対空砲積んでるアレですね。タミヤやドラゴンのキット見た事あります・・・。それにエンジンも入ってるわけですか」
「そういうこと。今手元に余りのドラのSd.Kfz.7のキットがあるからな、1個あげるわ。明日ヤマトで送ったるで」
「有り難うございます!」
「だが、ここからが肝心や。Sd.Kfz.7のエンジンをそのままⅡ号戦車には積めないのやな。レイアウトが違うからな」
「えっ・・・」
その後の質疑応答を電話およびパソコン上でのメールでのやり取りにて重ね、Ⅱ号戦車のエンジンへの改造法も教えて貰い、あわせて関連の部品の作り方も資料図および図面とともに示していただきました。
後日送られてきたSd.Kfz.7のキットから該当のパーツだけを抜き出して、教わった通りに改造したのが、上図の三つの部品でした。それぞれの詳細は後で述べます。 (続く)