えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

公開学習会と第12回茨城の会総会

2008-06-14 | 日記
茨城の会の総会が開かれた。
今回は、東京高裁での抗告審決定を目前にした重要な総会と位置付け、冤罪をもっと広く市民に知ってもらおうと第一部を「公開学習会」とした。

 講演を鹿児島・志布志事件(公職選挙法違反で地域住民が13名、逮捕、勾留、起訴された事件→『全員が無罪確定』したが、全くありもしない会合や票の取りまとめ、金銭の授受等の自白を強要され、その取り調べの違法性が明らかになった)で、家族や親族の名前を書いたものを『踏み字』までさせられた川畑幸夫さんにお願いした。

 まったく身に覚えのないことで逮捕され、厳しい取り調べを受ける、というあってはならないことがまた起こったのだ。
それも、会合そのものがなかった、金銭の授受などありようもない。それなのに、地域住民13名が一斉に逮捕されたという。
そして、川畑さんは、連日、長時間
「ビールを配って投票を依頼したろう!」と厳しい取り調べを受けたが
「そんな事実はない」と否認を続けていたところ、3日目には、
お孫さんや、親族の名前を書いた紙を床に置かれ、両足首をつかまれて何度も無理やり踏まされ「早く、正直に言え」と強要されたというのです・・・。

 人間として、屈辱的な扱いを受け、尊厳を傷つけられたその体験報告はやはり私の胸に重く沈んで行った。

それは、41年前、夫も同じように体験していること・・・。

なぜ、こうも、えん罪が改められないのか・・・。

夫たちが被ったえん罪被害が未だに正されないこと、そして誰もその責任を取らず延々と続いている今の司法の在り方が根源にあるからではないかと怒りを覚えた。

 川畑さんは、「取り調べの全面可視化」を訴えて活動されている。
密室の中で行われている現在の取り調べの在り方こそ問題である、と。

 

 弁護団からの報告は、松江先生から詳しく最終意見書の報告がされた。
請求人の夫やSさんが、「最高の弁護団」と信頼を置いている先生方の、本当に渾身の意見書というべき内容のものだ。
先生は、いよいよ決定を待つ段階を迎えたこと、このあとは、裁判官が事実と道理に基づき、公正な判断を勇気を持ってされるよう多くの人が関心を持って見守っていることを伝えていくことが大切、と結ばれた。

 総会では、来るべき決定の日までにできうる限り、「公正な裁判を求める声」を届け続けること、当日、その後の取り組みを確認しあって閉会となった。

 川畑さんや弁護団の先生方を囲んでの懇親会もなごやかに進み、夫も私も充実した一日となった。

・・・・・・・
川畑さんの言葉で強く心を打たれた言葉があった。

懇親会の席で
「下着を脱がされ、裸にさせられたと聞いているが恥ずかしくなかったか」という質問に対し

「何もやましいことはしていないので、恥ずかしいという気持ちなんてなかった」と毅然と答えられたのだ。

その気持ちの裏を思ったら、私は涙が出そうになった。
どんなに悔しかったろう。屈辱的であったろう。・・・・と。