えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

最高裁は冤罪者を生むことに心を痛めないのか…

2020-03-08 | 日記
 今市事件の最高裁上告棄却決定を、夫から知らされた。

 東京高裁は、一審宇都宮地裁が認定した、殺害場所、殺害方法、自白の信用性などを否定して有罪判決を取り消したが、それで無罪とするのかと思ったら、改めて一審で問題とできなかった勝又拓哉さんの手紙(母親に宛てた、当該事件に関係ないことで書いたものだという)を証拠採用し、有罪・無期懲役を言い渡すという驚くべき判決を出した。
 それに対し、最高裁に上告していたのだが、すでに1年7か月。
いつ出るか、3月中にもあるかもしれないということは、支援する会から聞いていた。
だけど、最高裁の動きは全く見えないので、何としても有罪確定になる前に救い出したいと、毎月の最高裁要請を支援する会も救援会も一緒に続けてきたのだった。
 私も、勝又拓哉さんと手紙のやり取りをしていて、直近で2月末にも私の手元に届いていた。
そこに、面会はいい。「自分から会いに行きます」と書かれてあった。「外で会いたいし…」とも。

 彼が「最高裁なら、一審、二審の誤りを正してくれるはず」と、希望を持って、判決を待っていただろうと思うと、胸が痛んだ。
 
 私は、棄却決定の知らせを受けて、勝又さんに電報を打った。

今は絶望の中にあるだろうが、多くの人が勝又さんの無実を確信し、国の誤りを正すため一緒に闘おうとしていることを少しでも伝えたかったから…。

 夫も、最高裁で上告棄却された経験者だ。でも、今は晴れて再審で無罪判決を得て、社会で生活できている。
その夫に、激励面会に行って欲しいと要請があり、13日に行くことになった。

 これから、勝又さんも「再審」で闘うことになる。
夫の面会は、きっと力になるだろうと思う。
私も、夫が皆さんに支えていただいて、社会に戻ってこられたことを思い、少しでも勝又さんの再審のたたかいの力になれるよう頑張ろうと思う。

 それにしても、日本の裁判のでたらめさに怒りを覚える。
何人冤罪犠牲者を生み続けるのか。
誰も反省しない。責任を取らない。
これほど多くの人が、冤罪を訴え、裁判のやり直しを求めているというのに、
「日本に冤罪はありません」と、国連でも平然と公言するような日本政府であることを知っている私だから、ただ、ただ、怒りが増すばかりだ。

でも、それだけに、ひとり、ひとりのたたかいを支援し、勝たせることが夫の、そして私の使命と思って頑張って行きたい。