えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

またひとつ、区切りがついて

2012-03-20 | 日記
 今日、「櫻井家」の開眼法要が営まれました。
夫の両親の眠るお墓です。(いずれ私たちも)

夫の兄姉妹、従妹、本家の義従妹の出席をいただき、長いこと集まる事のなかった親族が一同に会し、和やかなひと時を過ごしました。 

 今日は、お義母さんの命日でもありました。
まだ、守る会もない時代、拘置所に囚われていた息子の無実を信じ、最後まで「悔しい」と言い続けながら亡くなられたという事を義妹から聞いて、私も胸が詰まりました・・・。

お義父さんが、駅頭に立って息子を取り戻すために署名を訴えていた姿を知る、従妹の話も聞きました。

義父母の無念さ、悲しみ、怒りはいかばかりだったろう・・・。
どれだけ、この親族はそれらを味わってきたのだろう?
そんなことを考えながら、皆さんの話を聞いていました・・・。

 でも、今日の皆さんは、とても明るく、長い間バラバラになっていた親族の再会に誰もが喜んでいました。
楽しい話もたくさんあり、私も一緒にそのひと時を楽しみました。
長い間、夫が
「誰が植えてくれたんだろう」と言っていたお墓の沈丁花と白い椿は、お義兄さんが挿してくれたことも分かり、私は、お義兄さんの「優しさ」を今までになく強く感じました。


夫と結婚し、私が、
「両親のお墓を造ろう」と言った時、夫は
「今はとてもそんな余裕は無い。俺たち生きている者を優先する事を両親も分かってくれているはず。裁判が終わったら『俺が造る』から」と言いました。

 仮釈放で社会に戻ってから15年4ヶ月。
やっと夫の思うように夫自身の手で、両親への思いを建墓という形で成し、親族の再会の場も無事に終え、気持ちの上でも一区切りがついたことを実感しているようでした・・・。

・・・・・・・・・

夫へ
「本当に今日の集まり、よかったね。
 長い間抱えてきたもの、またひとつ下ろすことができたね。
 お疲れ様でした。
 私も、皆さんといいお付き合いを続けていきますね。
 お墓参りも、これまでのようにできる限り、年に何度でも行きましょう」

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