「原爆の日」に感じた違和感

2017年08月20日 | 政治社会問題




「原爆の日」に感じた違和感
8/20(日) 17:01配信 Japan In-depth
「原爆の日」に感じた違和感
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(平成28年) 出典:長崎市HP
【まとめ】
・「原爆の日」、広島・長崎の宣言は北朝鮮の核開発には言及せず。

・両宣言は「核兵器禁止条約」に日本が賛成しなかったことを批判。

・日本の安全保障への配慮や北朝鮮の核の脅威への対策なしに、一方的な防衛放棄を叫ぶ論調はどうであろうか。

「原爆の日」に感じた違和感
写真1)チャールズ・スウィーニー氏(Brigadier General Charles W. Sweeney) (C)City of Boston
アメリカの首都ワシントンにいて、広島と長崎の「原爆の日」を考えると、核兵器に対する日米両国の視点の違いを改めて感じさせる。原爆を落とした側と落とされた側と、その思考や感覚が白と黒ほど異なるのは当然だろう。

しかし核兵器という危険な存在の危険度を減らそうという努力は日米共通だともいえそうだ。ワシントンではいま北朝鮮の核兵器の廃絶を求める主張が官民で熱っぽく語られる。アメリカにとっても目前の最大の核の危機である北朝鮮の核開発を阻止するために外交、経済、軍事などの具体的な手段が提起される。

いや北朝鮮の核兵器は全世界にとっても切迫した脅威だといえよう。国連での制裁の動きをみれば、明白だろう。北朝鮮の核開発を非難し、防止するための経済制裁の強化に中国やロシアまでが賛成した事実はグローバルな懸念を物語っている。

ところが日本側での広島、長崎の8月の6日と9日の宣言を改めて読むと、北朝鮮の核開発にはただの一言の言及もない点が強く印象に残る。日本にとって国家の根幹までも揺さぶられる重大な脅威であるはずの北朝鮮の核兵器開発には広島、長崎の両市長の宣言はまったくなにも触れていないのだ。

「原爆の日」に感じた違和感
写真2)ジョン・スヌヌ(John Sununu)氏 Photo by Nv8200pa
アメリカの官民が必死となって対策を論じる北朝鮮の核武装、国連で文字どおり全世界の主要国こぞって阻もうとする北朝鮮の核兵器開発、その同じ核兵器の悪や危険を叫ぶ日本での集会では北朝鮮という言葉さえ出てこないのだ。どうしても違和感を覚えた。なぜなのだろうと、疑問を感じた。

ただし私は「原爆の日」自体を批判しているわけではない。広島や長崎の記念日でふたたび想起される被爆者たちの悲劇を軽視するわけでもない。この点は誤解のないように強調したい。

広島や長崎の毎年の儀式は被害者の追悼が主体であることは理解している。自分自身、日本国民として被爆者への同情は人一倍に持つつもりだ。たとえ日本の反核運動が反体制勢力や共産主義陣営に政治利用されてきた経緯があったとしても、出発点での人間の心情は尊重されるべきだと痛感する。

私にはそもそも広島と長崎へのアメリカの原爆投下の非人道性への非難も当のアメリカ側に向かって述べた体験もある。アメリカのCNNテレビの「クロスファイアー」(2014年放送終了)という視聴率の高い討論番組に招かれ、発言したのだ。

番組には広島、長崎両方の原爆投下ミッションに参加したチャールズ・スウィーニー退役将軍(写真1)が登場し、司会は元大統領首席補佐官のジョン・スヌヌ(写真2)氏だった。1994年のことだが、テーマの今日性はまったく現在も変わらない。

この場で私は原爆投下の人道主義という面での残虐性をあげて、非難し、「当時のアメリカは日本の降伏はすでに確実だとみており、『戦争の早期終結』のために、あえて原爆2発を落とす必要はなかった」と述べた。

その上でのあえての考察だが、広島、長崎の両宣言が核廃絶を訴えるならば、日本の目前の無法な独裁国家の核兵器開発に沈黙を保つまま、というのはいかにも不自然である。

同宣言は北朝鮮を非難せず、逆に日本政府を非難していた。今年7月に国連で全加盟国の6割ほどの諸国が採択した「核兵器禁止条約」(写真3)に日本が賛成しなかったことを批判するのだ。

「原爆の日」に感じた違和感
写真4)田上富久長崎市長 出典:長崎市HP
自国の防衛に核抑止力を取り込んできた諸国はこの核兵器全面否定の条約には反対した。核保有国の態度は明解で断固としていた。アメリカも、イギリスも、フランスも、この条約は現実の無視だと断じ、核抑止力が自国や同盟国の防衛を支えていると指摘して、一方的な核兵器の放棄宣言に等しい同条約への賛成を拒んでいた。

他の核兵器公式保有国の中国もロシアも核兵器禁止条約には明確に反対していた。東西冷戦の期間中の米ソの核対決でも相互の核抑止こそが冷たい平和を保ってきたという認識は国際的なコンセンサスだともいえよう。この現実に対して今回の条約はあまりに無力なのである。

広島、長崎の両宣言は核廃絶を求めながらも、その実際の方法についてはなにも語らない。核廃絶を目指すならば、現実の世界ではまず核兵器の国際的な次元での管理があり、その後に核兵器の拡散防止、そして核軍縮という手順がなければ、核廃絶という展望はまったく浮かんではこないだろう。

田上富久長崎市長(写真4)の宣言は日本政府にアメリカの拡大核抑止による「核の傘」の放棄をも明確に求めていた。他国からの核の攻撃や威嚇に対しこちらも核で必ず報復する態勢を保つことでその他国の攻撃を抑えるのが核抑止である。その抑止を自国だけでなく同盟国にまで提供するのが拡大核抑止、つまり「核の傘」となる。

北朝鮮は日本に対しても核攻撃を辞さない態勢をみせる。その敵性や攻撃性を抑える核の傘がいまほど必要なときもないだろう。だが長崎市長らの宣言はその核の傘を無条件で捨てろと要求する。では日本の防衛や独立はどうなるのか。

実際には8月17日にワシントンで開かれた日米両国政府の外務、防衛閣僚による「2プラス2」の会合(写真5)でアメリカの拡大核抑止、つまり核の傘の日本への適用は公式に合意され、発表された。これ以外にはない現実的な選択だといえよう。

一方、朝日新聞は「原爆の日」の報道の一環として安倍首相が核兵器禁止条約に賛同せず、アメリカの拡大核抑止を保持することを「どこの国の総理か」という大見出しの記事で糾弾していた。

だが日本の安全保障への配慮や北朝鮮の核の脅威への対策なしに、一方的な防衛放棄を叫ぶ論調には「どこの国の新聞か」と問いたくなる。

(この記事には複数の写真が含まれています。すべて見るにはhttp://japan-indepth.jp/?p=35629の記事をご覧ください)

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
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富士山噴火想定し広域避難訓練 2千人参加、渋滞3キロ

2017年08月20日 | 旅行
富士山噴火想定し広域避難訓練 2千人参加、渋滞3キロ
8/20(日) 19:42配信 朝日新聞デジタル
富士山噴火想定し広域避難訓練 2千人参加、渋滞3キロ
午前9時の避難開始直後、避難路のトンネル周辺で最大3キロの渋滞が起きた=山梨県富士吉田市竜ケ丘1丁目、河合博司撮影
 富士山の噴火に備え、山梨県北麓(ほくろく)地域の富士吉田市、富士河口湖町など6市町村が20日、初めての広域避難訓練を行った。住民約2千人と自家用車約600台が参加し、25~30キロ離れた避難先を目指した。

【写真】自衛隊のトラックで避難した訓練参加者=山梨県笛吹市一宮町坪井、野口憲太撮影

 午前7時、気象庁が噴火警戒レベル5(避難)を発令し、溶岩流が市街地に迫っているという想定で訓練が始まった。富士吉田市は午前9時、防災無線で一斉に避難を促した。住民は大半が自家用車を使い、高齢者役の参加者らは自衛隊のトラックと民間バスに分乗。峠を越え、避難先へ向かった。

 実際に北麓地域の住民約10万人が一斉に避難すると、交通渋滞やパニックが懸念されている。この日は最大約3キロの渋滞が発生した。参加した男性(63)は、普段30分で行ける約25キロ先の避難先に3倍の時間がかかったという。「噴火したら、渋滞はこんなものじゃすまないと思う」

 富士山の最後の大規模噴火は江戸中期の宝永噴火(1707年)。県富士山科学研究所の内山高研究部長は、現在兆候はないと前置きした上で、「住民が訓練を定期的に続け、防災意識を共有することが緊急時の備えになる」と話した。(河合博司)
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「徴用工は反日カード」 呉善花氏、佐賀で講演

2017年08月20日 | 朝鮮エベンキ族


「徴用工は反日カード」 呉善花氏、佐賀で講演
8/20(日) 7:55配信 産経新聞
「徴用工は反日カード」 呉善花氏、佐賀で講演
佐賀市内で講演する呉善花氏(写真:産経新聞)
 評論家で拓殖大教授の呉善花(オソンファ)氏は19日、佐賀市天神のアバンセホールで講演し、日本統治下の朝鮮半島での徴用工問題について「韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は人権問題として持ち出した。新たな反日カードであり、言葉だけが国際社会で一人歩きすると危険だ」と語った。

 文大統領は17日、徴用工について「個人の権利は残っている」と述べた。これに対し、日本政府は日韓請求権協定(1965年)で「完全かつ最終的に解決済み」と抗議した。

 呉氏は「徴用工問題はまだ盛り上がっていない。しかし今後、韓国側が人権問題として世界に訴えれば、専門家が反論しても通じてしまうだろう。慰安婦問題と同様に、(反日の)大きな力となる危険がある」と警鐘を鳴らした。

 文大統領は徴用工について、北朝鮮と共同での被害実態調査にも言及した。呉氏は「日本を巻き込み、北朝鮮を支援したいとの狙いがある」と指摘した。

 また、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を舞台にした韓国映画「軍艦島」(柳昇完(リュスンワン)監督)について、「過剰な演出がある。いくら映画といっても、歴史を扱う際は、事実関係に忠実であるべきだ」と批判した。講演会「佐賀土曜セミナー」で語った。

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バイク販売低迷、ピークの1割…原付き振るわず

2017年08月20日 | モーターサイクルメーカーなど


国家政策的な観点から分析すると<<社畜飼い殺しが二ホン国家の基本政策>>なので反対物に該当する(フリーダムの象徴)二輪車を撲滅したいというのが二ホン国家の本音だ。

私は小学生時代から現在もモーターサイクルと人生をともにしてるが(原付きからハーレー、二ホンブランドのリッターマシン、4輪も)あの風を切る爽快感は特別のものが有る。

そしてコーナーリングを攻めるスリルなど、、、

こういう感覚を国民が知ると社畜家できなくなる虞があるので支配者層が忌み嫌うのである。

以上 海外の経営者(もう日本には見切りをつけた)


バイク販売低迷、ピークの1割…原付き振るわず
8/20(日) 11:40配信 読売新聞
バイク販売低迷、ピークの1割…原付き振るわず
(写真:読売新聞)
 国内バイク市場の低迷が続いている。

 手頃な価格の軽自動車や電動アシスト自転車が人気となり、身近な移動手段だった原付きバイクの販売が振るわないためだ。二輪車大手は利幅の大きい中・大型に力を入れるなどして打開したい考えだが、若者のさらなるバイク離れを招く恐れもあり、難しい対応を迫られている。

 「バイクの日」の8月19日、ホンダ、ヤマハ発動機、川崎重工業、スズキの大手4社は東京都内で合同記者会見を開いた。ヤマハ発の柳弘之社長は国内について「特に原付きが厳しい」と危機感をあらわにした。

 日本自動車工業会(自工会)によると、2016年のバイクの国内販売台数は33万8000台で、ピークの1982年(328万5000台)の10分の1に縮小した。

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成功を決めるのは努力、それとも運? 経済学が明かす意外な事実

2017年08月20日 | 日記
成功を決めるのは努力、それとも運? 経済学が明かす意外な事実
8/20(日) 13:54配信 BuzzFeed Japan
成功を決めるのは努力、それとも運? 経済学が明かす意外な事実
スペインのお祭り。幸運を求めて馬に触る。
才能があり、努力しても経済的に成功する人は少ない
「あなたがいまのポジションにいるのは、努力や才能ももちろんあるけど、やはり運に恵まれたんですね」。こう言われて、むっとした人はおそらく社会的に成功している人だ。自分が成功したのはたゆまぬ努力を続けて、他の人よりもリスクを取ってきたからだ、と言いたがる人かもしれない。話題の経済学書『成功する人は偶然を味方にする』(日本経済新聞出版社)が明かしたことは…?【石戸諭 / BuzzFeed Japan】

成功を決めるのは努力、それとも運? 経済学が明かす意外な事実
表紙
成功は本当に努力や才能だけによってもたらされるものなのか?

『成功する人は偶然を味方にする』(日本経済新聞出版社)を書いた経済学者のロバート・フランクの主張は明快だ。

リスクを取ること成功との因果関係はない。リスクを取るとは、いくら努力を重ねたところで、どうしても失敗を避けられない要素があるということだ。

努力すればするほど確実に手に入れることができるという類のものではない。

従って、リスクを取って成功した、というのは自分が「運」が良かったと告白しているのと同じであるーー。

フランクはいかに運が大事かというエビデンスを、これでもかと並べる。彼の基本的な考えは、この言葉に集約できるだろう。

「才能と努力だけで経済的成功が保証されるとしても(実際はされないのだが)、運が不可欠であることは変わりない。才能豊かで、まじめに働く意欲が高いこと自体が、そもそも大きな幸運によるものなのだから」

「運が左右するのが全体のパフォーマンスのごく一部だとしても、最も能力が高い人が勝者になることはほとんどない。むしろ、最も幸運な者のひとりが勝つのである」

努力できるかどうかも運で決まる?
同じように努力して成功する人もいれば、成功しない人もいる。

例えば、仕事で高く評価され、成功しやすいのは「集中して疲れも見せずに働く能力と意欲のある人」だ。

こうした資質は、遺伝と環境の組み合わせから得られると言われている。

人は、生まれる親も、生まれる環境も選ぶことができない。頭の良さだって遺伝や環境でほとんどが決まっていく。家庭の影響や、周囲の影響で努力ができる人になっていく。

つまり、運は個人の資質に大きく影響する要素なのだ。

成功も小さな偶然によって決まる。わかりやすい事例がある。

同書で、フランクは紹介している社会学者のダンカン・ワッツらによる「ミュージックラボ」という実験を紹介している。

48のインディーズバンドが、バンド名と自分たちの代表曲を掲載したウェブサイトをもつ。ウェブサイトを訪れた人たちは、48曲なかから好きなものをダウンロードできる。条件は、どのくらい気に入ったかを評価することだ。

「曲の運命」やいかにーー。

運命は「客観的な良さ」(同書の定義は、回答者が他者の評価を知らずにくだした評価)では決まらなかった。

もっとも重要だったのは、初期にダウンロードする人たちの評価だった。

最初に評価する人がたまたま高く評価したら、ハロー効果(目立った特徴のみにひきずられ、他の特徴についての評価が歪められること)によって他の人たちも好意的に評価するようになる。逆も同じで……。

1%客観的な良さがよかったら、1%成果が違うといったようになっていなかったのだ。

どんな人が最初に紹介するかを決めることはできない。同じくらい良い曲であっても、ヒットすることもあればしないこともある。

運命を決めるのは、ほんのわずかの差であることがわかる結果だ。初期の評価にひきずられ、人は判断する。

競争の激化と、情報技術の進化で勝者の「ひとり勝ち市場」が広がっている。わずかな運の差が、人生を左右する決定的な差になるのだ。


これだけ証拠があっても、努力や才能もさることながら「運」が重要だというとムッとする人は残るだろう。

それ自体は「普通」の反応だ。フランクも繰り返し述べるように、人は一般的に、成功は「自分の能力と努力」によるものであると評価する傾向にあり、逆に失敗する不運だと考える傾向にある。

こうした考えのデメリットは大きい。
ここから、フランクがなぜ運の重要性を論じてきたのか。彼が、何を主張したかったのが明らかになる。

成功は努力によるもの。言い換えると成功するために努力をしようと考えないと、人は努力をしなくなるという考え方である。

こうした考え方をすると、経済的に成功した人は自分が得た所得はすべて努力の成果だと考えて、税金をとられることを嫌っていく。

「成功者は幸運だったことを認めず、他者に成功のチャンスを与える公共投資に反対しがち」になる。

本当は努力以上に運に大きく左右されるのに。その結果、教育への投資、公共投資への投資はどんどん減っていき、社会はうまくまわらなくなる。

大事なのは社会全体の幸運度をあげることだ、とフランクは考えている。そのために必要な理想の税制を考察し、公共投資に必要な財源は、運の要素もあって成功した富裕層から求めるべきだと主張する。

《高所得者による執拗な減税要求が一因で、世界中で財政赤字が拡大している。(…)切り捨てられる政策は、切り捨てが妥当だからではなく、切り捨てによって苦しむのが弱者だからだ。
財政赤字は、将来への投資を切り詰めることにもつながる。その犠牲になる国民は生まれていないから、抵抗すらできない。》

運を大事にするメリット
主張への詳細は本書を読んでいただくとして、最後にこんな実験結果も紹介しておこう。

自分の功績は他の人のおかげであること、運であることを認めることで、周囲から高く評価されるという。

過去の成功体験があったとしても、自分の努力や才能の必要ばかりを強調して、運の要素を軽んじることは、個人の将来にとっても、社会の将来にとっても、いいことは少ないのだ。
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100人に1人はいる「サイコパス」を見抜くには?

2017年08月20日 | 日記


100人に1人はいる「サイコパス」を見抜くには?
8/16(水) 19:30配信 TOKYO FM+
100人に1人はいる「サイコパス」を見抜くには?
100人に1人はいる「サイコパス」を見抜くには?
日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。6月19日(月)の授業講師には、脳科学者の中野信子さんが登場! 21万部を超えるベストセラーとなった「サイコパス」の著者としても知られる中野さんに、最新の脳科学研究によって解き明かされつつあるサイコパスについて4日間にわたりお話を伺いました。

未来授業1時間目となるこの日の放送では、およそ100人に1人くらいの割合で存在すると言われているサイコパスとは一体どんな人格なのか……、まずは“サイコパス入門編”をお届けしました。

サイコパスと聞いてまず連想するのは、映画「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」に出てくるような極めて知能が高くて猟奇的な殺人を犯す人やシリアルキラー(連続殺人鬼)をイメージする人が多いのではないでしょうか?

しかしながら、中野さんは「そうとも限らない」と断言します。では、具体的にどんな基準で診断されるのかというと……、アメリカ精神医学会が作成した「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」によると、サイコパスという項目はなく、「反社会性人格障害」というカテゴリに属される人のことを指すのだそうです。

その大きな特徴として、「反社会性が高い、しかも共感性が低くて、相手が痛がる顔を見ても何とも思わない、または滑稽だと思って笑ってしまうような人格を持つ人のこと」だと中野さんは話します。

中野さん曰く、サイコパスは言葉がすごく巧みで、相手が何を欲しているのか見分ける能力、さらには相手が何をされたら痛いのか、何をされたら苦しいのか見抜くことに長けていて、飴と鞭を巧妙に使い分けて相手をコントロールするのだとか。
そんな危険な性質を持つサイコパスだけに、「真っ向から対峙しようとしても、太刀打ちできなくて取り込まれたり搾取されてしまう。そうならないためにも、サイコパスとうまく共存していく術がないか模索していく必要がある」と中野さん。

すべてのサイコパスが凶悪な犯罪に手を染めるのかと言えばそうではなく、犯罪を犯さないタイプも多く、人の事情や人の痛み、人の喜びや涙にまったく無関心、なおかつそれを利用するような素振りを見せる人が予備軍にあたるそうです。

「もしかしたら、あなたの会社の上司にそんな人がいるかもしれませんよ」と中野さんの口からは背筋が凍りそうな一言も。
でも、それはあながち大げさではなく「いたぶるように無理難題をふっかけてきたり、その人が自殺を考えるような状況に追い込まれているにもかかわらず暴言を吐いたり、やさしい素振りを見せたかと思いきや陰では裏切るようなことをしていたり……、相手が痛めつけられていく様を見て喜んでいるような人がいたら、その人はサイコパシー(精神病質)が高い」と言い、意外と身近に潜んでいる可能性についても示唆していました。

残虐な犯罪者に多いと言われるサイコパスですが、実はオーストラリアの大学の研究によると、大企業のCEOや政治家、外科医などにもサイコパシーの高い人が多いというデータがあるのも事実……。

次回、8月20日(日)配信の記事では、「あの人もサイコパス?」と題して、サイコパスについてさらに紐解いていきます。


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