前川氏答弁が加戸氏発言の25倍超だった!加計問題でテレビ報道に異議アリ 民間団体がBPOへ告発検討
8/22(火) 16:56配信 夕刊フジ
前川氏答弁が加戸氏発言の25倍超だった!加計問題でテレビ報道に異議アリ 民間団体がBPOへ告発検討
7月10日の参院の閉会中審査に出席した加戸氏(左)と前川氏。テレビの扱いには大きな格差があった(写真:夕刊フジ)
テレビ局の報道姿勢が疑問視されている。民間団体が「加計学園」問題をめぐる、国会の閉会中審査のテレビ報道を調査したところ、「行政がゆがめられた」という前川喜平前文科事務次官ばかりが取り上げられ、「ゆがめられた行政が正された」と反対の主張をした加戸守行(かと・もりゆき)前愛媛県知事らはほぼ無視されていた。公共の電波を使用するテレビ局の「政治的公平性」が疑われる。悪質な番組について、BPO(放送倫理・番組向上機構)への告発も検討されている。
「マスコミがつくった世論が、政府に『説明すべきだ』と要求し、閉会中審査が開かれた。だが、一方の意見は報道しながら、もう一方の意見はほとんど報道しない。『偏向報道』というレベルではなく、テレビ局による『情報統制』といってもいいのではないか」
調査した一般社団法人「日本平和学研究所」の理事長で、文芸評論家の小川榮太郎氏は語った。
同研究所は、加計学園の獣医学部新設をめぐる7月10日の閉会中審査について、NHKと民放キー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)の30番組(=10日午後2時19分から翌11日放送)が、参考人の発言をどれだけ取り上げたかを調べた。
驚くべき結果は、小川氏が呼びかけ人を務める「放送法遵守を求める視聴者の会」(視聴者の会)のウェブサイトに掲載されている。同会には、前拓殖大学総長の渡辺利夫氏や、米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏らも名前を連ねている。
30番組で「加計問題」を扱った8時間44分59秒のうち、「初めから加計学園と決まっていた」という前川氏の発言を放送した時間は、何と2時間33分46秒もあった。
これに対し、「(前川氏の主張は)まったくの虚構だ」という国家戦略特区ワーキンググループの原英史委員は2分35秒、「岩盤規制にドリルで穴を空けた」という加戸氏は6分1秒だった。
前川氏は衆参両院に呼ばれ、原氏は衆院だけ、加戸氏は参院だけという違いはあるが、正反対の意見が披露されていながら、前川氏の放送時間が、加戸氏の25倍以上というのは尋常ではない。
報道各社の世論調査で、加計問題をめぐる政府側の説明に「納得できない」という意見が6~7割あるが、こうしたテレビ報道も影響しているのではないのか。
なぜ、テレビ局は極端な報道を行ったのか。
「視聴者の会」の事務局長を務める、経済評論家の上念司氏は「2つの可能性が考えられる。まず、番組制作者が安倍晋三首相を嫌い、『安倍降ろし』のために、公共の電波を『政治プロパガンダ』の手段として使った。もう1つは、(偏った放送内容で)視聴率が取れたので、同じ方向に乗ってしまったのではないか」と分析した。
7月10日の閉会中審査を報じた番組で、加戸氏の発言をほとんど取り上げなかったことは、ネット上などで「加戸隠し」などと批判された。このため、同月24、25日に衆参両院で行われた閉会中審査については、加戸氏の発言を紹介するテレビ局が増えた。
だが、上念氏は「アリバイ的に加戸氏の名前を一瞬出すようにしたが、映像にアナウンサーの声をかぶせたりして、隠している印象だった。変化に気づかないほどの変化だった」と指摘する。
8月末に新体制への移行を予定している「視聴者の会」は、悪質なテレビ番組について、BPOへの告発を含めた対応を検討している。
さらに、野田聖子総務相率いる総務省に対し、「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と記した放送法第四条を順守するよう、各テレビ局への指導を求める。
それが不可能であれば、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかける「電波オークション」(=電波の自由化)を要請する予定という。
上念氏は「テレビ局が『公平』という基準を勝手に決めていいという話になっていておかしい。(テレビ報道が)『公平に見えない』という視聴者が一定以上の割合いる現状をテレビ局は重くみるべきだ」と話した。
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7月10日の参院の閉会中審査に出席した加戸氏(左)と前川氏。テレビの扱いには大きな格差があった(写真:夕刊フジ)
テレビ局の報道姿勢が疑問視されている。民間団体が「加計学園」問題をめぐる、国会の閉会中審査のテレビ報道を調査したところ、「行政がゆがめられた」という前川喜平前文科事務次官ばかりが取り上げられ、「ゆがめられた行政が正された」と反対の主張をした加戸守行(かと・もりゆき)前愛媛県知事らはほぼ無視されていた。公共の電波を使用するテレビ局の「政治的公平性」が疑われる。悪質な番組について、BPO(放送倫理・番組向上機構)への告発も検討されている。
「マスコミがつくった世論が、政府に『説明すべきだ』と要求し、閉会中審査が開かれた。だが、一方の意見は報道しながら、もう一方の意見はほとんど報道しない。『偏向報道』というレベルではなく、テレビ局による『情報統制』といってもいいのではないか」
調査した一般社団法人「日本平和学研究所」の理事長で、文芸評論家の小川榮太郎氏は語った。
同研究所は、加計学園の獣医学部新設をめぐる7月10日の閉会中審査について、NHKと民放キー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)の30番組(=10日午後2時19分から翌11日放送)が、参考人の発言をどれだけ取り上げたかを調べた。
驚くべき結果は、小川氏が呼びかけ人を務める「放送法遵守を求める視聴者の会」(視聴者の会)のウェブサイトに掲載されている。同会には、前拓殖大学総長の渡辺利夫氏や、米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏らも名前を連ねている。
30番組で「加計問題」を扱った8時間44分59秒のうち、「初めから加計学園と決まっていた」という前川氏の発言を放送した時間は、何と2時間33分46秒もあった。
これに対し、「(前川氏の主張は)まったくの虚構だ」という国家戦略特区ワーキンググループの原英史委員は2分35秒、「岩盤規制にドリルで穴を空けた」という加戸氏は6分1秒だった。
前川氏は衆参両院に呼ばれ、原氏は衆院だけ、加戸氏は参院だけという違いはあるが、正反対の意見が披露されていながら、前川氏の放送時間が、加戸氏の25倍以上というのは尋常ではない。
報道各社の世論調査で、加計問題をめぐる政府側の説明に「納得できない」という意見が6~7割あるが、こうしたテレビ報道も影響しているのではないのか。
なぜ、テレビ局は極端な報道を行ったのか。
「視聴者の会」の事務局長を務める、経済評論家の上念司氏は「2つの可能性が考えられる。まず、番組制作者が安倍晋三首相を嫌い、『安倍降ろし』のために、公共の電波を『政治プロパガンダ』の手段として使った。もう1つは、(偏った放送内容で)視聴率が取れたので、同じ方向に乗ってしまったのではないか」と分析した。
7月10日の閉会中審査を報じた番組で、加戸氏の発言をほとんど取り上げなかったことは、ネット上などで「加戸隠し」などと批判された。このため、同月24、25日に衆参両院で行われた閉会中審査については、加戸氏の発言を紹介するテレビ局が増えた。
だが、上念氏は「アリバイ的に加戸氏の名前を一瞬出すようにしたが、映像にアナウンサーの声をかぶせたりして、隠している印象だった。変化に気づかないほどの変化だった」と指摘する。
8月末に新体制への移行を予定している「視聴者の会」は、悪質なテレビ番組について、BPOへの告発を含めた対応を検討している。
さらに、野田聖子総務相率いる総務省に対し、「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と記した放送法第四条を順守するよう、各テレビ局への指導を求める。
それが不可能であれば、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかける「電波オークション」(=電波の自由化)を要請する予定という。
上念氏は「テレビ局が『公平』という基準を勝手に決めていいという話になっていておかしい。(テレビ報道が)『公平に見えない』という視聴者が一定以上の割合いる現状をテレビ局は重くみるべきだ」と話した。
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