




いばらき大使の報酬だけで6000万円超 ペテン食専門家のうさんくささ
12/13(金) 9:26配信
日刊ゲンダイDIGITAL
トンズラした元いばらき大使(笠間市のHPから)
「テレビ番組の企画・構成、コメンテーターなど幅広く活躍する“フードアナリスト界の星”」と持ち上げられていた。
納期を過ぎても委託した商品のパッケージデザインを制作しなかったとして、小野瀬水産(茨城県筑西市)が元「いばらき大使」でフードアナリストの藤原浩氏(55)に約191万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は10日、約114万円の支払いを命じた。藤原氏は「情熱大陸の密着取材中だから待って欲しい」と嘘をつき、委託先から逃げ回っていた。
2013年に「いばらき食のアドバイザー」に抜擢され、県や各自治体の報酬は5年間で6000万円以上に上る。複数の食品関連会社との間に金銭トラブルを抱えていることが判明し、県は3日、大使を解任した。
■手口と虚言癖
洋菓子店・備前堀LAB(水戸市)の水越建一社長は昨年、120万円を貸したものの一切返却されず、藤原氏から「万策尽きました。あとはよろしく。さようなら」というメッセージが届いた。
「『密着取材では風呂場までカメラが入ってくる。ビックリしたよ』と毎日のようにその話をし自慢話ばかりでした。講演では、大勢の聴衆の前で堂々と輝かしい経歴を披露していましたが、今回、私が聞かされた話は全部嘘でした」(水越社長)
龍ケ崎市の高橋肉店は、店のロゴ作成の費用として数十万円を支払ったが、出来上がったロゴは無料配布されているフリー素材を加工したものだった。同社の飯島進社長が言う。
「『300万円ぐらいの一流のデザイナーに頼んでいる』と言うので、『名前を聞かせて下さい』と何度もお願いしたのですが、『それは教えられない』の一点張りでした。新聞記者から『フリー素材そっくりですよ』と指摘されて初めて知り、他のデザイナーに頼んだロゴに変更しました」
本人が公開している経歴によると、テレビの構成作家に弟子入り後、音楽制作プロダクションを経て広告代理店業務に携わり、トレンディードラマや話題のCMを多数手掛けるとある。
その後、モータースポーツ界に転身し、世界全大陸を転戦。マネジメントしたレーサーが世界チャンピオンになり、その功績からヨーロッパでの地位を確立。イタリアに7年間在住し、所属チームのスポンサーだったミシュランタイヤからレストランガイド編集部のスタッフを紹介され、200軒以上のレストランを訪れたことが、食文化の研究を始めたきっかけだったという。いかにもうさんくさい。
藤原氏の名刺には「いばらき大使」の下に「株式会社フレール」と社名が明記されているが、会社自体、実在しない。裁判にも出廷せず、自宅にもおらず、電話もつながらず、雲隠れ。テレビは「県がお墨付きで被害拡大」などと報じていたが、テレビ局も「大使」の肩書で番組に出演させていたのだから、噴飯ものだ。

