生きていれば
97歳になるのかな
長い事 民生委員をやりながら
50年も前に手話サークルを立ち上げ
初代会長として聴覚障害者と健聴者の橋渡役
買って出た
当時 福祉という言葉も
ほとんど聞かれなかった時代だった
そんな母の影響を受けてか
あなたは自らパートと称して
知的障害者施設で20年近く
食事の世話や家事全般を引き受けた
母65歳 あなたは67歳で
なすべきことをやりきって
二人ともこの世を去った
散りぎわが男前だったよ
そんな
素敵な母と妻を持ったことを
僕は本当に誇りに思う
今日は
これから筍ご飯を炊くからね
母の好きなひまわりの花は
まだ咲いてないけど
黄色いフリージアが咲いてる
わたボコリみたいな翼でも
木の芽みたいな頼りない爪でも
明日 僕は龍の足元へ崖を登り
呼ぶよ「さあ、行こうぜ」
銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ
銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を