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今日は旧暦の8月15日「中秋の名月」とあり、子供の頃母親が白い団子を作り、ススキをかざり秋の果物や野菜を盆に載せ月を眺めながら拝み「お月様にはウサギが杵で餅を搗いている」と教えられた。 たしかに、子供の目にはそのように見えた。
十五夜は、中国が始まりとされ中国では「中秋節」として各家庭で月餅で月を眺め家族の健康をお祝いするそうだ。 この月餅が日本に伝わって、月見団子に変ったという。 先月の「敬老の日」に上海の次女から月餅(画像)が送られてきたが日本の月餅と異なり甘味をおさえた違った数種類の餡入りのもので日本のように木の実は入っていない美味なものであった。 中秋節には家庭で月餅を小さく切り月を眺めながら「家庭円満を願う」とメールに記してあった。 この月餅家に訪れた友人に茶菓子として小さく切って出したが好評ですぐ無くなってしまった。
子供の頃の十五夜には「月見どろぼう」と云う習慣があり数人の悪餓鬼グループがお月様にお供えした団子(サトイモ)や果物を庭から忍び込み盗み取るものだが、かりに盗み取られても追求・お咎めはなしで子供の公然とした習慣行事のようなものだった。 後年の話であるが隣町に歳のわりには艶態な一人暮らしの戦争未亡人がおり十五夜の日は若い少年をこっそり一人だけ招きいれて可愛がってくれるそうで、十五夜の数日前から若者グループでくじ引きで決めていたそうだ。 その未亡人がある日突然町から東京へ引っ越したと若者グループが残念がって話してくれたのを覚えている。 おそらく作り話だろうと思うが、戦前、戦後の間もないころの半世紀以上前の田舎町のお話しである。
セキュリテイの厳しい現代の住宅事情「中秋の名月」の昔の慣習行事は一般家庭では無くなっているだろう。
40年以上も前に京都の植物園で琴の演奏や舞などがある月見会に行ったが、何と優雅な月見をしたのを懐かしく思い出す。
北陸地方は今夜は晴れで金沢城公園と兼六園夜間開園され名園と城に浮かぶ名月観賞月見会があるがよい月見となるだろう。
名月はもちろん結構ですが、月餅も“艶態な一人暮らしの戦争未亡人”もいいのでしょうね。
月餅と言えば中国なのですが、中国にも地方によってさまざまな月餅があるようで、日本でおなじみのもの、杏花楼のものもそうですが、皮が薄く餡が大きいものは、広東風に属するのだそうです。ある中国人はその随筆「中秋の月餅」の中で杏花楼の月餅は、餡のつくりが入念で、材料が純正で、糖分の含有量が適度で、甘いのにべとべとしないのが最大の特徴であると褒めていました。
昨年西安の友人から送られてきた月餅は広東風でも皮がパイ風のものがあったり、餡の種類もさまざまで、やはり若い人の嗜好に合わせているのかなと思いました。