司馬遼太郎の空想歴史小説『竜馬がゆく』の主人公「坂本“竜”馬」は、確かに決断力と信念がある人物として描かれているようだ。だが「坂本“竜”馬」は小説の中で活躍する架空の人物だ。
実在の人物である「坂本“龍”馬」はどうか。(史実の坂本龍馬は自分の名を「“竜”馬」と書いたことは無いそうだ。)
史実の坂本龍馬にそれが無かったとは言わないが、王政復古運動の中の所謂「武力倒幕派」と所謂「大政奉還派」の間を状況次第で右往左往していたような彼に、他人に優れた決断力・信念が有ったとは、私には思えない。
まあ、私なら相談しない。「周りの“風向き”を良く見て決めるぜよ」とかいうつまらない返事をされそうな気がする。
それにしても、小説やテレビドラマ・映画での歴史上の人物に関する描写を簡単に歴史的事実と信じてしまう人間が何故こんなに多いのだろう。
私の身の回りでもNHK『篤姫』を観て”篤姫と小松帯刀が恋仲だった”と信じている人間が何人も居る。本当は両者は会ったことすら無いのに。
以下、iZaより引用。
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理想の相談相手は竜馬 不況下の決断力評価
産経新聞
2009/12/16 18:00更新
仕事や家庭の悩みを最も相談したい歴史上の人物は幕末の志士、坂本龍馬-。企業の広報活動を支援するNPO(特定非営利活動法人)「広報駆け込み寺」(三隅説夫代表)は16日、こんなアンケート結果を発表した。
全国の20歳以上の男女に聞いたところ、坂本龍馬という答えが全体の5.2%で最も多かった。「国家の発展に尽力した姿勢や決断力、信念の強さを持つこと から、現在の厳しい不況下で募る悩みについて、的確な解決策を示してくれると評価されたようだ」と広報駆け込み寺では分析している。
俳優の福山雅治さんが来年のNHK大河ドラマで龍馬を演じることも注目度が高まった要因だ。
2位は聖徳太子(4.9%)で、3位は徳川家康(3.1%)が入った。4位は、今年の大河ドラマ「天地人」主人公の直江兼続(2.3%)。
5位は、インドで貧困にあえぐ人々を救う活動を続けたマザー・テレサ(2.2%)。特に女性に支持された。現代の有名人では瀬戸内寂聴さん、美輪明宏さん、島田紳助さんが上位3位を占めた。
一方、普段の生活の中で、「何かに駆け込みたい思うことがある」と回答した人は全体の約6割を占めた。駆け込みたいと思うテーマについては、「仕事」が全 体の5割でトップ。特に男性は約7割を占め、不況の世相を反映した。また、「駆け込み先とえる人・場所がある」と回答した人は全体の約半数。その相手は 「友人・知人」が最も多かった。
駆け込み手段については「直接会って」が、どの相談でも最も多かった。三隅代表は「ネット時代でも、本当の相談には会話でのコミュニケーションが重要だ」と話している。
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