NHK大河ドラマ『龍馬伝』。
第18回「海軍を作ろう!」。
大坂神戸で勝私塾・幕府海軍操練所両方の「塾頭」だった佐藤与之助が登場した。(字幕には「勝塾 塾頭」と出ていたが、そういう肩書きを実際に名乗っていたわけではない。大坂神戸の勝私塾や幕府操練所の筆頭であり塾の現場における事実上の塾頭だった、ということだ。本当の塾頭を求めるなら普段は江戸に居る勝海舟ということになるだろうが、海舟もそんな肩書は名乗っていない。)
司馬遼太郎の空想歴史小説『竜馬がゆく』ではその存在を無かったことにされ「塾頭」の座を坂本“竜”馬に奪われた佐藤与之助さん。あの世でさぞやご無念な思いだったことでしょう。とりあえずは、良かったですね。
だが、横柄で短気でいかにも器量が小さそうな人物に描かれている。後に勝塾は神戸に移転するが、そこで佐藤与之助がどういう扱いを受けるか心配だ。
土佐勤王党に龍馬が入る直前のように、何らかの事件で龍馬が(架空の)大活躍をして塾生たちの心を掴み“神戸では形式的には佐藤与之助が塾頭格だったが本当の塾のリーダーは龍馬だった”ということにされそうな気がする。
この番組では土佐勤王党は極悪非道の殺人集団とされ、武市半平太はその冷酷無比な首領という扱いを受けてきた。
その武市がいよいよ“報い”を受け始める。岡田以蔵は龍馬によって勝海舟の用心棒として引き抜かれ、他の勤王党員も前土佐藩主山内容堂によって勝塾へ送られたりして、武市の周りから人が居なくなってしまう。朝廷を動かす程の影響力を誇っていた武市は転落の坂を転げ落ち始める。
“「天皇をお守りする。国を守る」などと言うような人間はバカだ、能無しだ、悪党だ、差別主義者だ、人殺しだ、落伍者だ、人間のクズだ”という印象付けをしたいのだろう。「皇室を初めとする日本の伝統を守る。国を守る」という気概を日本人から徹底的に奪い去り、将来の中共サマによる「日本解放」戦争に少しでも役立ちたいという一心でプロパガンダに精を出しているに違いないというのが私の想像だ。
ハンセンヘーワ生命至上二重人格龍馬クンは今回も異常言動を繰り返す。
龍馬と近藤長次郎を除く勝塾塾生達が「外国と戦をする為の海軍」という“勘違い”をしていることに“気付いた”龍馬クン。わざわざ赤ら顔のホームレスのオッチャン武田海舟のところまで出かけて行き、その皆の“勘違い”問題を訴える。
勘違いは龍馬クン、君の方だろう。
「戦をしない為の海軍」と「戦をする為の海軍」は同じものだ。国を守る為なら躊躇せずに「戦をする」という気概と能力をしっかり保持している海軍だけが「戦をしない為の海軍」たり得る。「戦をしない為“だけ”の海軍」など有り得ない。それが常識的な考えだしこの世の真実だ。
ハンセンヘーワ生命至上龍馬と歴史的実在の坂本龍馬を無理やり一人の福山龍馬に押し込めようとするから、其の言動や物語の筋に矛盾が生じる。