2020（令和2）年
1月1日
水曜日のことだった
アルバイトもなく
ひまだったので
昼の12:00頃から
みせをあけてみた
17:00頃になった
すると
ひさびさに
フランス人が
やって来た
もう
何か月（なんかげつ）ぶりだろうか
「マスタ～
まだ生（い）きてんの？？」
と
言いながら
入ってきた
フランス人と言っても
それは
ぼきが（僕が）
かってに
呼（よ）んでいるだけで
れっきとした
日本人だ
みたことはないが
このフランス人のおっさんの
父も母も
日本人だ
この
フランス人の
おっさんの
只今の（ただいまの）
年齢は67歳だ
この
フランス人は
若き頃（わかきころ）
仕事で
フランスへ
なんども行った
ことがある
と
むかし
言っていたので
ぼきが（僕が）
かってに
フランス人
と
呼んでいるだけだ。
５～６年前
このフランス人は
まだ
60歳すぎだった
その
60すぎのころ
ガラケーの
出会い系メールに
はまり
まいにち
当店で
ガラケーのメールを
虫眼鏡（むしめがね）をつかい
ひっしに
読（よ）んでいた
その
フランス人の
がらけーに
送られてくる
メールは
こんな内容だった
「わたしは、20歳のおんなです
身長175㎝
体重 50ｋ
バスト98
ウエスト58
ヒップ90
です
わたしの親が急になくなり
遺産(いさん)がはいったので
あなたに1億円あげたいです
こんど
おあいできませんか」
とか
「わたしは26歳の
ばついちの
おんなです
こどもはいません
まいばんさびしく
ひとりで
なぐさめています
よろしければ
はやいうち
おあいしたいです
わたしと
おあいしてくれましたら
10万円さしあげます
わたしを
だいてくれるのでしたら
さらに
20万円
さしあげます
ごれんらくおまちしています」
とか
変な出会い系のメールを
むしめがねで
いっしょうけいんめい
読んでいた
まいにち
そのような
へんなメールが
フランス人の
ガラケーが
こわれるくらい
送られてきていた
そして
そのメールを
まにうけて（間に受けて）
おかねをはらい
メールを
返信して
あう（会う）段取りまで
していた
しばらくして
メールを返信した
おんなから
「●月●日
●時●分
大阪難波（おおさかなんば）
の
デパートのまえで
まっています」
と
返信があり
フランス人は
のこのこ
その
指定された
日時に（にちじに）
でかけていった
が
まてどくらせど
いっこうに
おんなはこず
あえずに
かえってきた
あえずにかえってきた
フランス人は
そのあしで
当店によって(寄って)
その話を
ぼきに
してくれた
それから
数日後
マスター
今日も
まちあわせしたのに
あえへんかったわ
と
フランス人が言うので
ぼきは（僕は）
「きょうは
どこで
まちあわせしたん？？」
と
聞くと
「きょうは
大阪の梅田の（おおさかのうめだの）
映画館の前や」（えいがかんのまえや）
と
しょぼくれて
言っていた
「これで
すっぽんかまされたんは
何回目？？」
と
ぼきが（僕が）
聞くと
「きょうで
4回目や」
と
フランス人が
答えた
「ますたー
そやけどな～
メール返すんだけでも
おかねいるんやで
相手のおんなの
メールアドレスを
聞くだけで
2000円
さらにな
相手のでんわ番号
を
聞いたら
また
3000円いるんや
どないなってるんや～～」
と
なげいていた
ぼきは（僕は）
「じゃ～
フランス人よ
きょうも
合計5000円
ぱ～
かいな」
と
聞くと
「きょうのは
8000円やった」
と
フランス人が
言うので
ぼきは
「え～～～
8000円も
かかったの？？？」
と
言うと
「そうや
8000円
ふりこんだんや」
と
言い
つづけざまに
「きょうの
おんなはな～
あうだけで
100万円くれるんや
そしてな
えっちをしたら
さらに
もう300万円
くれる
と
言うてたから
そのおんなの
メールアドレス
と
電話番号に
8000円払ったんや」
と
フランス人は言い
いつももっている
おおきな
かばんの中から
1本
1000円近くする
ユンケル黄帝液（こうていえき）
を
とりだし
これを飲んで
がんばろうと
思ったんや
と
しょげていた
と
ぼきの
日誌に（にっしに）
書いてあった
そんな
フランス人が
数か月ぶりの
2020年1月1日
水曜日の
17:00ごろ
アンパンをもって
当店に
やってきた
フランス人は
マスター
おとしだまや
と
その
あんぱん
を
ぼきに（僕に）
くれた。
その
アンパンをみてみると
88円だったのだが
50％引きの
シールが
はられてあった
