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知的遺産のピラミッド作り

日本宗教史

2007-12-06 02:04:27 | 歴史
日本宗教史 (岩波新書)
末木 文美士
岩波書店

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久々の読書だ。
なかなか面白く一気読みした。またまた電車通勤読書+アルファ。
よくま~、忙しいのに読むね。と自分にいう。でも、これがないとね。息が詰まるし。

どこが面白かったかって?
古事記や日本書紀には、仏教の輸入の色彩が色濃いというところ。
そこが、今までの常識というか、私の貧相な認識と違って新しい。
古事記や日本書紀に依存し、天皇の系譜を天照大神(お伊勢さんだ!)以来と解く神道は古来の日本宗教である、という常識は間違っている!というのが著者のオリジナルな主張。

確かに古事記や日本書紀がまとめられた時代は仏教推進の聖徳太子よりずっと後だしね。天皇家は仏教に帰依していた訳だし。あたりまえのことだね。さすが、仏教学者。

そのおせおせ仏教も戦国まで。それでも1000年は圧倒的に君臨した、ということだ。
いろいろ分派は生まれたが。
しかし、江戸時代に入ると、葬式仏教となったので、神道はむしろ儒教と仲良くなったとか。
「仁智礼義信」。
そして、江戸末期、「この紋所が眼に入らぬか~~」の黄門さま以来の水戸学派が、神道を強化。
それが攘夷思想とつながり、明治維新。国家神道へ。
そして、第2次世界大戦の大悲劇へと突入する。

宗教と政治と日本の歴史を一気に俯瞰した。

ドラマ人間模様で面白いね。
この前行った、伊勢の外宮、内宮の確執なんてのも面白いね。

ちなみに私は宗教に興味があるのではなく、そこにいる人間に興味があるのです。





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