“癒し”のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究小熊 英二,上野 陽子慶應義塾大学出版会このアイテムの詳細を見る |
いま歴史をどうみるかを巡って、社会は揺れている。
いわゆる「つくる会」系の「自虐的歴史観脱却派」が圧倒的優位に見える。
そんななか、自虐派とレッテルを貼られた旧勢力ではなく、新しい流れはないのか、と気にしていたら、あるはあるは。
「つくる会」そのものを研究対象としている歴史学者たちがいる。
世の中、バランスのとれているものだと感心した。
しかし、このような流れは、圧倒的なネット社会では浮上していないし、街の本屋ではあまり見ず、専門書の並ぶ大学の本屋でしかお目にかかれないことがバランスを欠いている。圧倒的財力をもつ方が、草の根ナショナリズムを巻き込んで圧倒しているという現状がある。
こちらの方々も漫画でも書いたらいいのにね、と思ったりする。
しかし、歴史観を普及する気はないのかもしれない。
実は、先日本屋へ行ったら、かつての「国民の歴史」と同程度に厚い本がデーンと積んであった。
それはとても読む時間がないので、その著者とはどのような人なのかを知りたくて、この本を手にした。
いやはや、なかなか面白い。
ちょっと趣味の域を超えて来たかな?文系ってやはり生臭い事も研究対象とするので、大変だ。
なんてことを言ってられない現実が、自然科学、地球科学にも実は迫られているのだが。
科学と政治、科学と経済の関係の理解なくしてモラトリアムである時代は終わろうとしている。