シアトル往復の隙間時間に藤沢周平「一茶」を読んだ。私は藤沢周平の時代小説が好きだ。スリルがありつつ人を描く「人肌の暖かさ」と「頑固さ」があることは「蝉しぐれ」でつとに有名である。この1作もそのことに貫かれている。対象はあの有名な小林一茶。私は理系人間なので、名を知っている程度であった。
前半はだらだらと読んだ。しかし、遺産相続争いあたりから引き込まれ一気読み。この頑固俳人の偏屈さはある種の研究者に似ている。しかも、エリート研究者のそれではなく、攻撃的にしかし、自然体で科学にのめり込む人に。型などというものに関係ない、人に批判されようがどうということない。描きたいように情景を切り取り、言葉に写す。こころを切り取り、言葉に写す。科学も同じ。自然の一部を切り取り論文に写す。その面白さにのめり込んだら止められなくなる。だから貧乏なんか関係ない。わがまま人生そのもの。50を超えて人生の終わりが見えてきてからの一茶の生き様が思うがままでいい。その分、家族を失う悲劇も負うが。私はこの「一茶」までにはなれない。しかし、限りなくシナパシーを感ずる。余韻が残り、さ!今日も仕事だ、という気にさせてくれる。
前半はだらだらと読んだ。しかし、遺産相続争いあたりから引き込まれ一気読み。この頑固俳人の偏屈さはある種の研究者に似ている。しかも、エリート研究者のそれではなく、攻撃的にしかし、自然体で科学にのめり込む人に。型などというものに関係ない、人に批判されようがどうということない。描きたいように情景を切り取り、言葉に写す。こころを切り取り、言葉に写す。科学も同じ。自然の一部を切り取り論文に写す。その面白さにのめり込んだら止められなくなる。だから貧乏なんか関係ない。わがまま人生そのもの。50を超えて人生の終わりが見えてきてからの一茶の生き様が思うがままでいい。その分、家族を失う悲劇も負うが。私はこの「一茶」までにはなれない。しかし、限りなくシナパシーを感ずる。余韻が残り、さ!今日も仕事だ、という気にさせてくれる。