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大学教員の昇進:アメリカの1大学の例

2006-10-20 20:10:15 | 科学
世に「大学教授になる方法」などと称する本が出ているが、時々外国の大学の昇進のための評価をお願いされる。日本でも昇進や採用にあたり、そのような外部評価を行うところが多くなりつつある。今日、また1件頼まれた。
評価に際しては、その基準が公開されているのがアメリカでは一般的である。それを紹介してみよう。このような基準に関して日本では公開されていないことがほとんどであるが、民主主義の国、アメリカではそのような不透明性は許されない。不明朗な人事は日本では減少していると信じたいが、アメリカほどの透明性からはほど遠い。
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○○大学における昇進とテニュア(自己申告退職まで身分が保障される永年職のこと)の基準
昇進とテニュア推薦委員会は、推薦を以下の基準にて実施する。推薦は教員の研究、教育、学界への貢献の定量的定性的評価を考慮して行う。
 評価で最も重要なことは、個人の科学的あるいは産業、そして教育へのインパクトである。教育は学生、同僚、教室のプログラム、そして専門領域におけるインパクトである。昇進のねらいは、学術的仕事における卓抜さをたたえ、促進し、もって教室の名声を高くすることにある。委員会の推薦は、先任順ではなく、メリットベースである。

 助手に昇進する、あるいは雇用される人は、明確に突き抜けている能力とパフォーマンスを有するものをのぞいて、普通は博士の学位を有しなければならない。教育と研究においてはっきりとした能力を有しなければならない。さらに明確な将来性と引き続く成長が見込まれなければならない。

 助教授への推薦者は、すべてにおいて高度の質を有しなければならない。加えて、研究の達成度と教育に関して、学生と専門家による評価によって、国の名声を博する卓抜した研究者と教育者になる潜在性を有することが、証明されなければならない。
 
 教授への昇進は、国中にはっきりと認識される確立した研究者であること、すばらしい教育者であること、が必須である。ある分野で超一流であれば、それは他を補償すると考える。研究に隣接する大学レベルのあるいは国レベルの科学に関する政治的意思決定過程への明確な能力は歓迎する。
 テニュアの推薦は個々の研究の到達点、教室と大学への貢献への潜在性に基づくメリットベースである。
 外部審査者による評価書は教室の長によって確保し、助教授、教授への昇進、あるいはテニュアへの推薦とともに添付されなければならない。
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さて皆さん、周りをみていかがかな?

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