荒波の深夜

昨夜は大嵐であった。６ｍに及ぶ波と風。南海に浮かぶこの船でも上下左右にがんがん揺れる。あおい顔をした人が続出。私もコンピュータを見ていておかしくなった。その嵐の中でも仕事はつづく。雨と風の中でもふらふらになりながら目標をめざす、マラソンランナーのようだ。
そしてがんがんゆれる中で、ミスは起きた。
ほんの凡ミスであり、科学目標に対する被害はほとんどなかったが、状況がきついときは気をつけなければならない。その原因解明と総括に半日を費やす。
そして、また一歩前へ。
船酔いは知らぬ間にどこかへ吹っ飛んでしまっていた。
爆睡。

今夜は穏やかな海だ。
世の中はクリスマス連休らしい。
おーと、呼んでるぞ。

決める

次々と決めなければならないことが押し寄せる。深夜はただ一人。相談できないということがいかに大変なことか、改めて身にしみる。だから、２度反芻する。決断をしたときに何が起こるかを。
「人が怒る？理由は？」「形式？それは重要ではない」
「あそこが文句をいう？」「それも重要ではない」
「科学目的にあっている？」「間違いはない！」
「高価なものをなくす？」「かも」
「でも科学の価値はもっと高い？」
「高い」
「それで説得できる？」「できる！」
そしてgo!

そして動き出した後にデッキで一服。「ふー」
喫煙族が出てくる。
馬鹿話をして、「がはは！」

するとまた、押し寄せてくる。
今度は下から。サンプル処理の流れが悪いぞ！
「どこがボトルネックになっている？」
解決策を立てる。細かいとこはちょっと苦手。
「XX!手を打ってやってくれ！」

てな生活。
でも、今日はエレベータに乗って一服しているときにとても興奮するものとアイディアを思いついた。急いで戻って議論。それは面白い！といってくれた。これだよこれ！
おＨ、それは書けないのだ、ルールで。残念。
そのような時は至福のひと時だ。でもまだまだ山は高いぞ！
おっと違った。ここは海だ！
「まだまだ深いぞ！」

研究者勢ぞろい

昨日、研究者が勢ぞろいした。総勢２６名。日本、アメリカ、フランス、中国、ドイツ、イギリス、オーストラリア、スエーデン。男対女は２０；６．んん、ちょっとバランスがわるいな。でも実に多彩だ。これから５０日、寝起きを共にする。笑いあり、感動あり、涙あり、怒りあり、きっといろんなことがあるんだろうな。今日はみな初対面で緊張気味。私はなんとかほぐし役に徹せねば。年の功です。
てな具合で、なんとかスムーズ出発。
相方の女性のアメリカ人首席研究員と補佐役の研究員がとにかくジョークがすきというか、うまいというか、笑いが絶えません。
船の上は別世界だ！もう１週間たつけれど、陸には帰りたくない！

船上深夜族開始

いよいよ今夜から本番開始。０－１２時が責任シフト。ずーとおきているということ。学生時代と同じ時間帯だ！
私の時間はアメリカ時間となります！でも外は夜。
細かいことが次から次。150名（うち研究者26名）も乗っていると大変だ。おまけに言葉も文化もいろとりどり。首席とは世話係のことです。その世話をどれくらい楽しめるかだな。陸では所属学会の選挙の結果が出たらしい。ま、まっとうな結果であったようだ。そちらも次から次といろんなことがあるね。なにやら全部がドラマ模様。さて、あすはどんなドラマがあるかな？
サイエンスでドラマがあると一番うれしいのだがね。
今日午前中のサイエンスドラマはなかなか面白かったね。
でも、ヒ・ミ・ツだって。まとまるまで。
勝手にブログになんか書いたら大変なことになる。それが集団研究のルールです。
ごめんなさい。
では、また。

船の生活

すでに船に乗り6日。動くことがほとんどない。一日下手をすると千歩程度か。
先月もちょっとだけ乗ったのだが、それから一月。そのときから目に見えて膨張した人がいる。日に四度食事が出る。その間にお菓子も出る。研究の試料もデータも入らず、悶々とすると食べることしかない。おまけに上げ膳据え膳。掃除洗濯サービス万全。ドアの外に、そっと洗濯物の袋詰めを置いておくと、4時間後くらいにはアイロンかけてきちんとたたんでおいてある。
そして狭い部屋で一日コンピュータの画面とにらめっこ。
たまの娯楽は小さなトラブル、井戸端会議と避難訓練。
あーあ、これじゃー、ホアグラ、メタボになるよな。
10階建ての船を上から下まで、10回くらい上り下りするかなー。
波静か、されど黒潮は３．５ノットなり。