面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞

2010年03月09日 | 映画
イルカ漁告発の米映画、アカデミー賞 「ザ・コーヴ」(朝日新聞) - goo ニュース


長編ドキュメンタリー賞を獲得した「ザ・コーヴ」。
製作段階から物議をかもし、話題になった作品で、自分のミーハー的やじうま心をくすぐる。
しかし、朝日新聞夕刊の1面で、アカデミー賞の話題としてこの作品の受賞が取り上げられていたのには、いささか驚いた。

作品の紹介のされ方としては、入り江に追い込まれ、血に染まっていく大量のイルカが激しく暴れているショッキングなシーンがクローズアップされていたイメージがあり、「シーシェパード」に近い狂信的イルカ保護論者の制作か?と疑っていたが、どうやらそれは大いなる思い違いだったようで。
「水銀で汚染されたイルカ肉が学校給食に使われている」といった告発は、アメリカのメディアに衝撃を与えたようだが、そんな話が入っていることを知らなかった自分も衝撃を受けた。
また、イルカ保護活動家として登場するリチャード・オバリー氏が、かつてアメリカのテレビドラマ「わんぱくフリッパー」のイルカ調教を担当した元トレーナーだったということも、小学生の頃に毎週日曜日このドラマを見て育った自分としては驚くべき事実だった。
そのほかに、隠しカメラを据え付けたり、警察官と思われる何者かに尾行されたりする展開が「ハリウッド映画の演出と同じくらいサスペンスに満ちた現実」(米MSNBCのウェブサイト)という評価を得ているというところも興味深い。

「ミーハー的好奇心ではない!」と言えばウソになるが、いろんな興味深い事象を含むこの作品、早く観てみたい。


第82回アカデミー賞

2010年03月09日 | 映画
アカデミー賞主演女優賞、「しあわせの隠れ場所」のS・ブロック(トムソンロイター) - goo ニュース


第82回アカデミー賞。
作品賞&監督賞における「アバター」vs「ハート・ロッカー」の、元夫婦による一騎討ち対決は、見事元妻の大勝利に終わった。
蓋を開けてみれば両賞他、全6部門で受賞。
対する「アバター」は撮影・美術・視覚効果の、「そら獲るわな」という当たり前の3賞にとどまった。
まあ、「ハート・ロッカー」は、現在のアメリカにおいて社会的な関心を一番惹きやすい題材であり、また女性監督による戦争映画(「トラ・トラ・トラ」や「地獄の黙示録」のよういな直接的な戦争映画ではないが)という話題性と切り口の斬新さなど、評価を受けやすい作品であったことは間違いないだろう。
(自分は試写を見損ねているのであるが…)
「アバター」は、多くの評判を見るまでも無く、物語としては非常に単純かつありふれた内容であり、あくまでも視覚的な効果において革新的であったに過ぎず、「ハート・ロッカー」の圧勝は、順当過ぎるくらい平凡な結果と言える。

作品についてともかく、自分にとって最大のトピックスだったのは、主演女優賞が誰に輝くか?ということだった。
先に書いたように、「ラジー賞」で最悪主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックがオスカーを獲得できるかどうかに大注目だったのだが、見事!栄冠を勝ち取った。
テレビのニュースで、「ラジー賞」の授賞式に駆けつけ、見事な受賞スピーチを披露しただけでなく、会場に受賞対象となった作品のDVDを大量に持ち込み、会員達に配るという心憎いユーモア溢れる演出を見て、是が非でも彼女に獲らせたいと思っていただけに、この“快挙”には拍手喝采を送りたい!

それにしても、「インビクタス/負けざる者たち」が、モーガン・フリーマンとマット・デイモンがそれぞれ主演・助演男優賞でノミネートされただけだったのは、作品自体がクリント・イーストウッド作品としてはパンチが弱かったからなのか?
作品を作ればオスカー候補となる彼に対して、ノミネートのハードルが上がっているのか、はたまた「今回は遠慮しといてもらおう」との“暗黙の了解”だったのか?

それはともかく、とりあえず「ハート・ロッカー」と「プレシャス」は早く観たい!
それと「コーヴ」も。