あまり期待せずに観に行き、「あ、エエやん♪」という映画に当たったときは楽しい。
近年よくあるコミック原作の“ダークヒーローモノ”ということで、坊主頭のナタリー・ポートマン以外は注目していなかった。
しかしそこは、さすがにウォシャウスキー兄弟が脚本/製作にあたっているだけのことはあった。
話は単純、独裁国家にあって、自由を取り戻すために暗躍するレジスタンスである『V』と名乗る仮面のテロリストの活躍と、彼の行動により圧制からの解放に目覚めた人々。
そしてそこに『V』誕生秘話や独裁国家への道のりと裏事情などの謎解きと、『V』とヒロインとの恋模様などのエッセンスがほどよくからんで、観客をスクリーンに引きつけ続ける。
国家とは国民のために存在するものであり、断じて国民が国家のために存在するのではない。
個人の存在こそが尊重されるべきものであり、決して国家の存在がそれに優先するものではない。
独裁は、その当り前のことをないがしろにするものであり、最も忌むべきものであるが、往々にして人々が求めるものとなる。
一つは、個人を規制できるのは、その個人自身しかいないのに、その個人自身が自身を規制できなくなってきたとき。
自律ができない個の増加は、各個は自身を省みることなく、周囲の個に対して疑心を生み続け、それが社会不安をもたらし、結果として、国家による個の統制を許してしまうことになるのである。
もう一つは、本作のように国家が危機に見舞われたとき。
国家が危機に見舞われると、多くの個人はパニックに陥り、とにかくその存在を守ろうという意識が芽生え、個人の存在は片隅へ追いやられてしまう。
しかし、その『国家の危機』は、実は一部の人間が自らの利益のためだけに捏造することができる。
その恐ろしいメカニズムを、非常に分かりやすく解き明かしているところは面白い。
この点については、広くそういったことに無関心な方々に、ぜひ観ていただきたい。。
「Vフォー・ヴェンデッタ」
2005年/アメリカ・ドイツ 監督:ジェイムズ・マクティーグ
出演:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィービング、ジョン・ハート
近年よくあるコミック原作の“ダークヒーローモノ”ということで、坊主頭のナタリー・ポートマン以外は注目していなかった。
しかしそこは、さすがにウォシャウスキー兄弟が脚本/製作にあたっているだけのことはあった。
話は単純、独裁国家にあって、自由を取り戻すために暗躍するレジスタンスである『V』と名乗る仮面のテロリストの活躍と、彼の行動により圧制からの解放に目覚めた人々。
そしてそこに『V』誕生秘話や独裁国家への道のりと裏事情などの謎解きと、『V』とヒロインとの恋模様などのエッセンスがほどよくからんで、観客をスクリーンに引きつけ続ける。
国家とは国民のために存在するものであり、断じて国民が国家のために存在するのではない。
個人の存在こそが尊重されるべきものであり、決して国家の存在がそれに優先するものではない。
独裁は、その当り前のことをないがしろにするものであり、最も忌むべきものであるが、往々にして人々が求めるものとなる。
一つは、個人を規制できるのは、その個人自身しかいないのに、その個人自身が自身を規制できなくなってきたとき。
自律ができない個の増加は、各個は自身を省みることなく、周囲の個に対して疑心を生み続け、それが社会不安をもたらし、結果として、国家による個の統制を許してしまうことになるのである。
もう一つは、本作のように国家が危機に見舞われたとき。
国家が危機に見舞われると、多くの個人はパニックに陥り、とにかくその存在を守ろうという意識が芽生え、個人の存在は片隅へ追いやられてしまう。
しかし、その『国家の危機』は、実は一部の人間が自らの利益のためだけに捏造することができる。
その恐ろしいメカニズムを、非常に分かりやすく解き明かしているところは面白い。
この点については、広くそういったことに無関心な方々に、ぜひ観ていただきたい。。
「Vフォー・ヴェンデッタ」
2005年/アメリカ・ドイツ 監督:ジェイムズ・マクティーグ
出演:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィービング、ジョン・ハート