「ラスト サムライ」などのハリウッド作品で芸者役を演じた女優の曽原三友紀がメガホンをとり、京都の芸妓や職人の“ありのままの姿”をカメラに収めたドキュメンタリー。
監督は宮崎県都城市出身で、現在はロサンゼルス在住で米国人の夫と一男一女がいる。
テレビ局のアナウンサーなどを経て結婚を機に1999年に渡米、縁あってハリウッド映画出演の機会を得た。
しかし、与えられる役は“アメリカ人が思う日本人”のイメージでとらえられた日本人役ばかり。
特に“ゲイシャ”の役はひどかったという。
「バスローブ姿で男性の肩をもむシーンもあった。屈辱を通り越し、悲しかった。私が間違った日本人像を浸透させ、芸妓さんや舞妓さんをはじめ日本女性を傷つけているのではないか」
と、自己嫌悪に陥ったとも。
そんな折、米紙が「祇園の『都をどり』は南京大虐殺を祝うためのイベント」という大誤報を出す。
「今、何かしなければ!」と一念発起した彼女は、映画製作へと動きだしたのだった。
生まれたばかりの長男を連れ、撮影協力を求めて花街を歩いたというその熱意が街の人々を動かし、街にカメラが入ることを許される。
着物、帯、かんざしなど、京都の職人の匠の技によって作られた最高級の工芸品に身を包み、およそ300年以上に渡って日本伝統の「美」と「文化」を守り、伝承していく彼女たちは正に「生きる芸術」。
京都で何気なく見かける芸妓・舞妓さんが、実は日本の伝統工芸の粋を集めた装いを身に付けていることに改めて気づかされるとともに驚いた。
作品には、100年前にJPモルガンの甥と結婚したモルガンおゆきから、Jazz歌手として活躍する祇園の芸妓、メキシコ生まれで中国育ちの帰国子女の舞妓といった様々な芸妓・舞妓がだけでなく、お茶屋の女将や職人、芸妓・舞妓の着付けを行う「男衆(おとこし)」から常連客まで、花街に関わるいろんな人々が登場する。
芸妓・舞妓たちが、この世界に飛び込んだ理由や今の思い、花街の最新事情を語り、襟替え、踊りや三味線の稽古などの舞台裏が映し出される。
普段我々が目にし、耳にすることのない世界に触れることができ、興味津々でスクリーンに目が釘付けになった。
日本人でさえ知らないことだらけの花街の世界を我々に体験させてくれる、京都の全花街が協力して作り上げられた貴重なドキュメンタリー。
「はんなり Geisha Modern」
2007年/アメリカ 監督:曽原三友紀
監督は宮崎県都城市出身で、現在はロサンゼルス在住で米国人の夫と一男一女がいる。
テレビ局のアナウンサーなどを経て結婚を機に1999年に渡米、縁あってハリウッド映画出演の機会を得た。
しかし、与えられる役は“アメリカ人が思う日本人”のイメージでとらえられた日本人役ばかり。
特に“ゲイシャ”の役はひどかったという。
「バスローブ姿で男性の肩をもむシーンもあった。屈辱を通り越し、悲しかった。私が間違った日本人像を浸透させ、芸妓さんや舞妓さんをはじめ日本女性を傷つけているのではないか」
と、自己嫌悪に陥ったとも。
そんな折、米紙が「祇園の『都をどり』は南京大虐殺を祝うためのイベント」という大誤報を出す。
「今、何かしなければ!」と一念発起した彼女は、映画製作へと動きだしたのだった。
生まれたばかりの長男を連れ、撮影協力を求めて花街を歩いたというその熱意が街の人々を動かし、街にカメラが入ることを許される。
着物、帯、かんざしなど、京都の職人の匠の技によって作られた最高級の工芸品に身を包み、およそ300年以上に渡って日本伝統の「美」と「文化」を守り、伝承していく彼女たちは正に「生きる芸術」。
京都で何気なく見かける芸妓・舞妓さんが、実は日本の伝統工芸の粋を集めた装いを身に付けていることに改めて気づかされるとともに驚いた。
作品には、100年前にJPモルガンの甥と結婚したモルガンおゆきから、Jazz歌手として活躍する祇園の芸妓、メキシコ生まれで中国育ちの帰国子女の舞妓といった様々な芸妓・舞妓がだけでなく、お茶屋の女将や職人、芸妓・舞妓の着付けを行う「男衆(おとこし)」から常連客まで、花街に関わるいろんな人々が登場する。
芸妓・舞妓たちが、この世界に飛び込んだ理由や今の思い、花街の最新事情を語り、襟替え、踊りや三味線の稽古などの舞台裏が映し出される。
普段我々が目にし、耳にすることのない世界に触れることができ、興味津々でスクリーンに目が釘付けになった。
日本人でさえ知らないことだらけの花街の世界を我々に体験させてくれる、京都の全花街が協力して作り上げられた貴重なドキュメンタリー。
「はんなり Geisha Modern」
2007年/アメリカ 監督:曽原三友紀