17歳のミミちゃんは、阿佐ヶ谷で両親と暮らす17歳の高校生。
生来の記憶力の良さもあって成績は常にトップクラスの優等生ながら、なんとなく周囲から浮いた存在になっていて、あまり居心地は良くない。
自分がいるべき本来の場所はどこだろう?本当の自分て何だろう?
ある日の学校の帰り道、送電線の下で落雷に遭うが、そこで雷神のらーさん(長森雅人)と出会った。
それをきっかけに、風神のふーさん(飯田孝男)に海神のうみさん(川津祐介)、田の神のたーさん(山谷初男)、阿修羅のあーちゃん、大黒天の大ちゃん(山崎恵史)、芸能の神のミッキー(なんきん)という、古来より日本に住むちょっとくたびれた神様たちと知り合い、行動をともにするようになる。
そして、老人ホームに暮らす静おばあちゃんが可愛がっていた歌う九官鳥のハクシを、“神様的手段”を駆使して探す時空を超えた旅に出たり、東日本大震災以来、ミミちゃんを悩ませてきた食事のたびに舌がチクチク痛む症状の原因を突き止めようとしてセシウムのホットスポットを辿ったり…
東日本大震災の3日後、東京にセシウムの雨が降り注いで以来、ミミちゃんの舌は食事をするとチクチクと痛む。
出会った神々と共にその原因を突き止めようとして、セシウムのホットスポットを辿ったり、神様たちが原発政策に対して喧々諤々の議論を戦わせる。
静おばあちゃんの九官鳥を探す時空の旅では、アニメと実写が絵本のように織り交ざって描かれ、ほのぼのとしたファンタジー映画の様相を呈する一方で、神様たちの口を通して原発への懸念や原発に対するこの国のあり方を憂い、憤る。
事故を起こした福島の原発は、周辺を巻き込んで二度と人の住めない土地を作り出し、今もなお放射能を吐き出している。
原発事故に近い福島はおろか、東京のそこかしこにも、セシウムのホットポイントが存在する。
本当に「まだ何も終わっちゃいない」のだ。
にも関わらず、原発推進は止まらず、原発周辺の避難指示は次々と解除されていく。
そして原発に対する国民の不安を吹き飛ばすかのように、安保法案を推し進めて自衛隊の戦争参加への道筋を整えようとする。
この国の為政者は、本気で国民のこと、日本のあるべき姿を考えていない。
いや、為政者は考えていないのではなく、首相個人が独善的かつ自己満足的に、「日本の為に」なることを推し進めているのである。
併せて、こんなことを書いたら警察組織から目をつけられる可能性のある国へと突き進んでいる。
主人公のミミちゃんが溌剌と弾ける可愛い映画でありながら、どストレートに原発政策に対する疑問をぶっ放し、北原白秋の歌に乗せて日本の来し方行く末への考察を明るく促す、POPでキュートなトゲのあるファンタジー。
反戦意識だけでなく、原発への憂いも忘れてはならないことを思い起こさせてくれる。
「セシウムと少女」
2015年/日本 監督:才谷遼
出演:白波瀬海来、長森雅人、飯田孝男、川津祐介、山谷初男、なんきん、山崎恵史、金野美穂
生来の記憶力の良さもあって成績は常にトップクラスの優等生ながら、なんとなく周囲から浮いた存在になっていて、あまり居心地は良くない。
自分がいるべき本来の場所はどこだろう?本当の自分て何だろう?
ある日の学校の帰り道、送電線の下で落雷に遭うが、そこで雷神のらーさん(長森雅人)と出会った。
それをきっかけに、風神のふーさん(飯田孝男)に海神のうみさん(川津祐介)、田の神のたーさん(山谷初男)、阿修羅のあーちゃん、大黒天の大ちゃん(山崎恵史)、芸能の神のミッキー(なんきん)という、古来より日本に住むちょっとくたびれた神様たちと知り合い、行動をともにするようになる。
そして、老人ホームに暮らす静おばあちゃんが可愛がっていた歌う九官鳥のハクシを、“神様的手段”を駆使して探す時空を超えた旅に出たり、東日本大震災以来、ミミちゃんを悩ませてきた食事のたびに舌がチクチク痛む症状の原因を突き止めようとしてセシウムのホットスポットを辿ったり…
東日本大震災の3日後、東京にセシウムの雨が降り注いで以来、ミミちゃんの舌は食事をするとチクチクと痛む。
出会った神々と共にその原因を突き止めようとして、セシウムのホットスポットを辿ったり、神様たちが原発政策に対して喧々諤々の議論を戦わせる。
静おばあちゃんの九官鳥を探す時空の旅では、アニメと実写が絵本のように織り交ざって描かれ、ほのぼのとしたファンタジー映画の様相を呈する一方で、神様たちの口を通して原発への懸念や原発に対するこの国のあり方を憂い、憤る。
事故を起こした福島の原発は、周辺を巻き込んで二度と人の住めない土地を作り出し、今もなお放射能を吐き出している。
原発事故に近い福島はおろか、東京のそこかしこにも、セシウムのホットポイントが存在する。
本当に「まだ何も終わっちゃいない」のだ。
にも関わらず、原発推進は止まらず、原発周辺の避難指示は次々と解除されていく。
そして原発に対する国民の不安を吹き飛ばすかのように、安保法案を推し進めて自衛隊の戦争参加への道筋を整えようとする。
この国の為政者は、本気で国民のこと、日本のあるべき姿を考えていない。
いや、為政者は考えていないのではなく、首相個人が独善的かつ自己満足的に、「日本の為に」なることを推し進めているのである。
併せて、こんなことを書いたら警察組織から目をつけられる可能性のある国へと突き進んでいる。
主人公のミミちゃんが溌剌と弾ける可愛い映画でありながら、どストレートに原発政策に対する疑問をぶっ放し、北原白秋の歌に乗せて日本の来し方行く末への考察を明るく促す、POPでキュートなトゲのあるファンタジー。
反戦意識だけでなく、原発への憂いも忘れてはならないことを思い起こさせてくれる。
「セシウムと少女」
2015年/日本 監督:才谷遼
出演:白波瀬海来、長森雅人、飯田孝男、川津祐介、山谷初男、なんきん、山崎恵史、金野美穂