リュウゼツランの仲間は多彩だ。
サンセベリア、ポニーテール、アガベ、ユッカ…。
中でも中南米に自生するような奴らは50年や70年は生きて
直径は2メートル超となるようだ。
花は一生に一度といわれており、30年から50年くらい経ってやっと開花するという。
近所の植物園では折しもアガベとリュウゼツランの「乱れ雪」が花を咲かしていた。
「乱れ雪」とは何ともいえない和名だが、名付けた人がたぶん演歌が好きだったのだろう。
乱れ雪は竿のような花茎を3メートルくらい伸ばし小さな花をびっしりつけている。
美しいとは言い難いが凄みはある。
花には蜜がたっぷりとあり、虫や鳥たちに大盤振る舞いだ。
吉祥冠は開花の準備中だ。
花茎は150センチほど。
一日で15センチも伸びるそうだ。
こちらはこんなかわいい花をつけそうだ。
一生に一度花をつけると株は枯れて、根元の子株に命をゆずるという。
奴らが花を咲かすということは、そういうことなのだ。
花を咲かせ、世代を交代し、自分は枯れていく。
自分の居場所を譲るのだ。
ふむふむ。
うちにも先日アガベの小さいのがやってきた。
こいつの開花に立ち会えるかどうかはわからない。
花を待ち焦がれるような、違うような複雑な想いである。
しかし育てた末に子どもに譲るところも見てみたい。
つらい想いもすることにはなるが。
一生に一度の花とは、いのちそのものである。
花はいのちであったのだ。
嗚呼、ボタニカル!