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詩人・吉野弘さんが亡くなりました。

2014-01-24 23:08:41 | インポート

吉野さんの詩、結婚式で読まれる「祝婚歌」を紹介します。

 二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派過ぎないほうがいい

立派過ぎることは

長持ちしないことだと

気づいているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい


完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

 二人のうち どちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

○少しひかえめにするほうがいい

○正しいことを言うときは

○相手を傷つけやすいものだと

○気づいているほうがいい

○立派でありたいとか

○正しくありたいとかいう

○無理な緊張には色目を使わず

○ゆったりゆたかに

○光を浴びているほうがいい


健康で風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そしてなぜ 胸が熱くなるのか

黙っていてもふたりには

わかるのであってほしい
この詩を知ったのは20年も前だったでしょうか?

うんうん、なるほどと、頷きながら聞きました。門出の二人にこの詩ですか?と思ったので、ず~と忘れることが出来ませんでした。何年か経ってからですが、この詩が大好きになりました。特に気にいっているのは、赤字の部分です。祝婚歌ですが、日常の暮らしの中でも良い人間関係を保つためには、同じことがいえると思います。このことが分かるようになったのは、二三年前からですが・・・。歳もとってみるものですね。

吉野弘さんは日本を代表する詩人でした。

ご冥福をお祈りいたします。


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