愛ーエステ

長年のエステティシャンとしての経験を生かし正しいスキンケアをお伝えします。

食の好み4

2019年05月06日 | 美容

今でも親戚中が集まると私の3歳の頃の武勇伝が必ず話題にのぼる。

 

 

 

丼鉢に山盛りの牡蠣酢と、なまこ酢を平らげた私は、げっぷをしながらも大喜びだったらしい。

 

 

 

全く肉やソーセージには手をつけず、牡蠣酢となまこ酢だけを平らげたのだ。

 

 

 

 

「女の子だというのに、この歳であんなものを十何人分も食べるなんて、こりゃ、とんでもない大酒のみになるぞ」

 

 

 

 

叔父たちにからかわれて、うちの両親も当惑した。

 

 

 

だいたい、牡蠣もなまこも、子供が喜んで食べるようなものではない。

 

 

 

 

例えば牡蠣のグラタンのように、食べやすいようにアレンジしてあるのなら何だが、牡蠣酢、なまこ酢なんて一番、子供が嫌がるような食べ物である。

 

 

 

 

本当に大酒のみになるんじゃないかと両親は心配していたが、実は、その通りになってしまった(^◇^)

 

 

 

 

今でも相変わらず牡蠣も、なまこも大好きなところを見ると、子供の頃の味覚は、そうそう変わらないのではないかと思える。

 

 

 

誰に食べろと言われたわけでもないのに、3歳の子供が前にある食べ物に目をとめた。

 

 

 

それは肉でもなくソーセージでもなく、牡蠣やなまこだった。

 

 

 

おそるおそる口にしたら、それがとてもおいしかった。

 

 

 

やはり、これが生まれ持った嗜好がなせるものだと思えてならない。

 

 

 

この話を煮物嫌いの彼にしたら「そんな妙な子供は、貴方くらいだよ」と言われた。

 

 

 

彼はそのテの生ものも苦手で「牡蠣酢となまこ酢が、今まで食べたなかで一番のゲテモノと言うのならわかるけど、3歳でそんなものが好きなのは、どう考えても変だ」と言い張る。

 

 

 

その上「人がゲテモノだと思っているものも喜んでパクパク食べてるのでは?」などと呆れかえった顔をされた。

 

 

 

彼の40数年の人生の中で一番のゲテモノは、かの、ブリのあら煮だったそうである。

 

 

 

一方、私は羊の脳味噌である。

 

 

 

それを聞いた途端、彼は「やっぱり~」という顔をして、私の傍から離れ「もう、あっちに行ってくれ」と言わんばかりの嫌そうな顔つきで、私が悪食の大家であるかの如く罵った。

 

 

つづく

 

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食の好み3

2019年05月05日 | 美容

初めてチーズたっぷりのピザを中学生の時に食べた時「こんなに美味しいものがあったのか」とうっとりした。

 

 

 

しかし、それも10代、20代をピークに段々、和食の方に嗜好が移っていった。

 

 

 

 

若い頃は脂っこいものを好んでも、段々とさっぱり系のものが体に馴染んでいくのではないのだろうか?

 

 

 

 

「俺は子供の時から、和食を食べていて、何か違う感じがしていたんだ。それがある日、ハンバーグとケチャップ味のパスタを食べて目からうろこが落ちたんだよ。おれの求めていたのは、これだったんだ。この味だったんだって。それ以来、ずーっと俺の味覚は変わらない」と彼は威張った。

 

 

 

 

 

ブリのあら煮なんか、喜んで食っている奴の方がよっぽど変だぞと言う。

 

 

 

 

人の味覚は、成長するものなのか?

 

 

 

それとも幼い頃から確固たるものがあって、一生、変化しないものなのか?

 

 

 

私にはわからない。

 

 

 

でも自分の幼い頃の話を聞くと、やはり洋食よりは和食の方が好きだったようなのだ。

 

 

 

親戚が集まると、必ず私の3歳の時の話が出る。

 

 

 

 

親戚中が叔父の家に集まった時、食事の準備をしていた叔母たちが、台所に料理の置き場所がなくなったので、焼いた肉やソーセージが盛られた大皿と、牡蠣酢となまこ酢が入った大きな丼ふたつを、客間の座卓の上に置いておいた。

 

 

 

 

台所仕事も一段落して、一同が集まっている部屋に行ってみると、私の姿が見えない。

 

 

 

慌てて家中を探してみたら、客間の座卓の前で私が、ぬいぐるみのクマみたいに座っていた。

 

 

 

 

ふと見ると、牡蠣酢と、なまこ酢が入っていた大きな丼が見事に両方とも空になっている。

 

 

 

 

ビックリした母が私を抱き上げると、にたーっと満足そうに笑い、手足をバタバタさせながら、げっぷをし続けていたというのである。

 

 

 

「どうしたんだ、この子は」

 

 

親戚中が呆れかえるなか、私は、きゃっきゃっと、大喜びしていたらしい。

 

 

つづく

 

 

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食の好み2

2019年05月04日 | 美容

彼女の家に行き、晩御飯に大嫌いな「ブリのあら煮」を出され、無理やり流し込んだ・・・これは彼にとっては拷問に等しいものだった。

 

 

 

彼女のためにと3杯の丼飯を喉の奥へ押し込んだのだが、家に帰った途端に熱を出し、三日間、寝込んだと言っていた。

 

 

 

 

「もう、絶対、ブリのあら煮はいや!!」

 

 

彼は心底、ブリのあら煮を憎んでいるようだった。

 

 

 

 

 

私はご飯とブリのあら煮があれば、それで十分である。

 

 

 

骨からいい味が出て、あんなにおいしいものはないし、あらの微妙に湾曲した部分にへばりついている魚肉を、お箸でこちょこちょかきだすのも楽しい。

 

 

 

 

 

魚は骨があるから面倒くさいという人がいるが、骨があるからこそ、食べていて楽しいのだ。

 

 

骨がが全部、取り除いてある、お上品な魚の切り身を食べていても面白くも何ともない。

 

 

 

おいしくて、骨から身をはがす遊びのある、ブリのあら煮などは最高の食べ物なのだ。

 

 

私がそう力説しても彼は納得なぞしない。

 

 

 

「信じられない」と言って私に軽蔑のまなざしを向ける。

 

 

 

そして「日本にハンバーグや、スパゲッティや、ピザが入ってきて本当に良かった。昔ながらの日本の料理だけだったら、おれはもう、生きていないと思う」と真顔になったのだった。

 

 

 

 

そうは言っても昭和40年代のはじめに生まれた彼は、いわゆる典型的な日本人の味を毎日、食べた世代であるはずだ。

 

 

 

 

パンよりもご飯、肉より魚、ケチャップよりも、しょうゆ味。それなのに何故、今になって自分の年齢よりもはるかに幼い、お子様向き味覚になってしまったのか?理解できない。

 

 

 

確かに子供のころは、特別、煮物やイワシの丸干しがおいしいとは思わず、それよりも卵焼きや洋食に心を奪われる時期もあった。

 

 

 

中学生の時にクラスで一番、最初にピザを食べた女の子がいて彼女は得意気に「ピザって手で食べるのよ。チーズがこーんなに伸びるんだから」と自慢した。

 

 

 

私達はその話を舌なめずりして聞き、自分も食べた時は「こんなにおいしいものがあったのか」とうっとりした。

 

 

つづく

 

 

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食の好み

2019年05月03日 | 美容

先日、30代なかばの男性と話していて、びっくりした。

 

 

 

彼は食べ物の中で和風の煮物が一番嫌いだと言う。

 

 

 

10代は別にして20代以上の男性はみーんな和風の煮物が好きだと私は思っていた。

 

 

 

 

それさえ、きちんと作ることが出来れば、男性は料理に関して文句を言わない。

 

 

浮気もしない。

 

 

 

煮物がちゃんと出来れば、男性は無条件に大喜びすると、決めつけていたからである。

 

 

 

 

「だから、うちの奥さんは楽だって言ってます。子供と同じ、ハンバーグとかパスタを作っていればいいのだから」彼はそう言って笑った。

 

 

 

 

 

子供が生まれると、お父さんの食事は一変して、お子様風になると聞いたことがある。

 

 

 

 

お母さんだって料理を子供用とお父さん用と二種類作るのは大変だから、ついつい、お父さんは我慢させられる。

 

 

 

 

仕事から疲れて帰ってきたというのに、真っ赤っかのケチャップ味のスパゲッティを食べさせられるのは気の毒だと同情していたのだが、そういう方がありがたいという彼の言葉は、男性の味覚に対して固定観念を持っていた私には衝撃だった。

 

 

 

 

私は料理は下手だが、和風の煮物さえクリアすれば、これから男性をおびきよせることも出来るんじゃないかとふんでいた。

 

 

 

しかし、こういう人がいるとなると、私の計画も変更せざるをえないかもしれないのである。

 

 

 

 

彼の味覚が子供の頃から、どのように発達してきたかは定かではないが、今まで食べた中で一番嫌いだったのが「ブリのあら煮」だったという。

 

 

 

 

彼は高校生の時にガールフレンドの家に遊びに行った。

 

 

 

 

彼女のお父さんは大工の棟梁で、わしわしと丼飯を山ほど食うのが男だと思っているタイプであった。

 

 

 

 

娘のボーイフレンドである彼の堂々とした体格を見たお父さんは喜び、「飯を食っていけ」と誘った。

 

 

 

彼も断る理由がないので一緒に食卓につくと、目の前に出されたのが、特大の器に山のように盛られたブリのあら煮だったのである。

 

 

 

 

げっとのけぞったが好きな彼女の手前、嫌な顔をするわけにもいかない。

 

 

 

お父さんはにこにこしながら「これ、うまいぞ」とすすめる。

 

 

 

 

そこで彼は死ぬ思いで丼飯とブリのあら煮をかきこんだ。

 

 

 

もたもたしていると喉に詰まるし、息をするとあら煮の妙なにおいがするので、殆ど息をとめて、ろくに噛まず、お茶とご飯でどんどん胃の中に落とし込み、やっと丼を空にした。

 

 

 

すると、お父さんが「おお!たのもしいなぁ、男はそれでなきゃいかん。どうだ、もう一杯」とご飯をよそおうとする。

 

 

 

「いえ、もう十分いただきましたから」

 

 

「若いもんがだらしがない。丼飯の一杯や2杯、どうってことないだろ」とご飯がてんこ盛りになった丼を彼の前に置いた。おかずは相変わらず、ブリのあら煮だけである。

 

 

つづく

 

 

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スケバン完結編

2019年05月01日 | 美容

冬休みが終わり、アルバイトをやめる当日、スケバン二人と休憩をすることになった。

 

 

また、亡霊におっぱらわれたからである。

 

 

 

「先輩、大学って面白いすか」スケバンは聞いた。

 

 

 

「半分、半分かなあ」

 

 

 

「あたしらは頭も悪いし、こんなだから高校を卒業するのが精いっぱいっす。だから卒業したら就職します」

 

 

 

「いいじゃないの、それで」

 

 

 

 

「そうすか・・・。親は短大くらい行ってくれって言うんすけど、なんせ頭が悪いもんで、先公にも嫌われてるし」スケバンはへへと笑って頭をかいた。

 

 

 

 

私が彼女達と一緒にいた2週間、スケバン達は毎日、長いタイトスカートをはいてきていた。

 

 

 

色や形は違うけれどはいてきた靴は、みんな、かかとが、はきつぶされて、スリッパ状態になっていた。

 

 

 

ミニスカートが全盛の時は忘れていたが、長いタイトスカートを見た途端、あのスケバン達の事を思い出した。

 

 

 

今では彼女達も、きっと結婚もして、お母さんになっているのだろう。

 

 

 

 

あの「~っす」しかボキャブラリーの無い彼女達が、どうやって子育てをしているのかと考えると、思わず、くっくっっと笑いが込み上げてくる。

 

 

 

ひょっとしたら、厚かましい、おばちゃんになっているのかもしれない。

 

 

 

巷では、あの長いタイトスカートは、セクシーでエレガントと言われているようだが、私にとってはやっぱり・・・・

 

 

「いっちょ、ヤキをいれてやりますか」

という言葉と共に頭に浮かぶ、スケバンのはくスカートなのである。

 

 

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