花々楽しい日

布合わせを楽しみながら キュートで物語のある布小物を作っています

『仁川の雨女』 エピソード3

2008-01-15 | エッセイ

『仁川の雨女』のエピソードはこれで3回目です
このシリーズをまだ読んでいない方は
2日前の記事までさかのぼって読んでくださいね 

 

エピソード 3

じゃぁTちゃんから!
画数を念入りに調べたおじさんが言いました

「う~ん・・・・君は短命だね。」

いきなりそんな悲劇的な言葉が出てきて3人ともビックリ
おじさんはたたみかけるように「君は幸せにはなれないよ」とも言うのです

「でも結婚して苗字が変ったら又違ってくるやん!」と食って掛かるTちゃん
「いや結婚して 苗字が変っても 旧姓を引きずる」とおじさんも引かない

でも!

と おじさんは後ろのポスターを指差して言いました
「このような印鑑を作ると厄が払われて幸せになれます 絶対に作った方がいい」

そうなのです!
このおじさんは高級印鑑の販売が目的で
「無料で姓名判断をします」の看板を出していたのです

ムッとするTちゃんは「次は誰?Mちゃんやってもらいっ!」と
無理矢理Mちゃんをおじさんの前に押し出しました

Mちゃんは「後家相がある」と言われました

「うちのお父さんのお姉さんの一人は後家やし、もう一人は行かず後家やねん
なんかしゃれにならへんわ~私もその血が流れてんのかなぁ?」
おじさんはMちゃんにも印鑑購入を強く勧めていました

残るは私一人?
いやだなぁと思っていると 私の不幸話が聞きたい二人が
「次はkanaちゃんよ!」とおじさんの前に押し出しました

画数を調べたおじさんと私たちの間に しばらく沈黙が流れました

おじさんは「う~ん。。。」と唸った後に
静かに言いました

「あなたには実に素晴らしい老後が待っています
薔薇色の老後です」

不幸な未来を覚悟していた私は 拍子抜けしました
横では二人が文句を言ってます
「なんで私らが短命と後家やのにkanaちゃんだけ薔薇色の老後やの?」

そんなこと言われたって…

でも「老後がいい」と言われても 弱冠22歳の若い私はちょっと複雑です
「素晴らしい結婚相手と巡り合う」とか「大もうけができる」とかならまだしも
老後ですよ!

おじさんはなぜか私にだけは印鑑を勧めませんでした

その高級印鑑販売所があったスーパーを出ると
TちゃんとMちゃんは
「印鑑なんかなくたって幸せやもんね~」と言いながら
腕を組んでスキップしながら私を置いてどんどん進んでいきました
ズンタタッ ズンタタッ ズンタタッ って。。。

 

 
左からM・K・T
ロープーウェイの往復運賃と松山城天守閣の見学料合わせて550円
これは自腹です

さて、長々と書いてきたエピソードですが
この中に出てきたTちゃんに捧げた歌が
『仁川の雨女』です
道後温泉に行ったのが2月で この曲を作ったのが3月の初め頃です

Tちゃんが(卒業して)故郷へ帰る日も小雨が降っていました
Tちゃんは お金持ちのお嬢さんでなかなかの美人です
そして 社長さんのお見立て通りの清純な女の子でした

ところが なぜか ものすごく口年増で
見かけによらない発言がポンポン出てくる面白さも持っていました
そんなTちゃんのイメージソングですので
歌詞の一部にはちょっと誤解を招きそうな部分があります
悩んだ挙句 ちょっと…と思ったところは消去しました
私も軽いノリで作ったので…

 

いよいよ 明日が完結編
名曲(?)『仁川の雨女』を公開します

コメント (8)
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