霧訪山 1305m 2009.04.19

 

 

　　

　　　「たまには お泊りで ゆっくりしたいね～」　

　　　Ｔ さんの、ぼやきとも お叱りともとれる 発言から

　　　今回の小旅行が始まりました。 

 

 

　　Ｎ さんの予約してくれたのが 蓼科の宿と知った時の、嬉しかったこと・・・。

　　お花の季節に 訪れてみたかった あの山に、いよいよ行けるのです。

 

　　　　中央道から霞んで見えていた 南アルプスが

　　　　甲府を過ぎる頃には すっきりと姿を見せ始めました。

　　　

 

　春の装いの里山に、鳳凰三山が映えています。

　進むにつれて見えてきた 八ヶ岳も、やはり今年は雪が少ないようです。

 

　岡谷インターを過ぎると、今度は北アルプスがうっすら見え始めました。

　ずいぶん 霞んでいるけれど、山頂に着くまで 待っていてね。

 

　塩尻 ＩＣ から１５３号線にはいり

　霧訪（きりとう）山登山口のある 下西条の 山ノ神自然園へ向かいます。

　あたりは 山桜、桃、梨、海棠やレンギョウの花盛り。

　山肌の淡い緑の中に 点々と白いかたまりが見えているのは、いったい何でしょう。

 

　山ノ神自然園の駐車スペースに 車をとめると、すぐ近くに こんな光景が広がりました。

　ニリンソウの群落です。

　　　

 

　　　

 

　さあ今日は、どんなお花たちが 待っていてくれるでしょうか。

 

　

　歩き出すとすぐに、葉の柔らかそうな イブキスミレ（左上）と、ヒナスミレ（右上）

　近くには、ヒカゲスミレや ヒゲネワチガイソウも 咲いています。

 

　ユニークな姿の レンプクソウが咲いていました。

　小さいお花が直方体を形作っています。

 

　　　　その先には、たまらずの池

　　　　水面に映った緑が春色です。

　　　 　

 　

　少し早いかも・と 心配していた シハイスミレが 咲いていました。

　右は斑入り、初めて見ました。

　

 

　登山口に着く頃には、何組ものハイカーに追い越されています。

　また今日もこんな調子です。

 

　登山口からは、アカマツ林の急登を ジグザグに進みます。

　そうそう、ここは松茸山なんです。

 

　　　

　　　シハイスミレの葉が目立つだけで

　　　お花はさっぱりなくなり

　　　頭上の白い花は、コブシかタムシバか

　　　などと話していると

　　　イワウチワが控えめに咲いていました。

 

　今年は、大塚山で見事な群落を見ましたが

　ポツンポツンと現れるイワウチワの可憐さに、ついつい足が止まってしまいます。

 

　【ブナの分れ】で大芝山への道を分けると、カタクリの咲く女坂と 急登の男坂に分かれます。

　進んだ 女坂では、積もった枯葉の下から カタクリがそこかしこに葉を見せていますが

　まだ蕾が多く、これからが楽しみ といったところでした。

 

　やがて到着した山頂は、団体さんで大賑わい

　まずは、ザックを下して ３６０度の展望を楽しみます。

　

 

　霞んではいるものの

　北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳も 何とか見えています。

　空気の澄んだ冬場には、絶景が広がることでしょう。

 

　そして、今日のお目当てのひとつ・・・ オキナグサが、咲いていました。

　ずっと昔、天女山で見て以来、山では会うことがなかった お花です。

 

　

 

　花が終わると、チングルマのように 白く長い花穂が目立ち

　その様子から翁の名がついたと言われています。

 

　

 

　この花も、絶滅危惧Ⅱ類。

　ロープで仕切られ 保護された状態ではあるけれど、ともかく咲いていてくれました。

 

　夏のような日が照りつける中 ランチを終え、団体さんの去った頂上が静かになると

　今までひらひらと飛び回っていた蝶が、のんびりと 羽を休め始めました。

 

　

 

　このあたりの里山で見られる ヒメギフチョウは、石砂山で見たギフチョウよりは、小型です。

　スミレやカタクリの花を吸蜜し、幼虫はウスバサイシンの葉を食べて成長します。

　（ ヒメギフチョウと思っていた写真の蝶は、キアゲハ でした。花散歩さんに教えていただきました。 ）

 

　眺望とお花、蝶と、ゆっくり楽しんだ後は、大芝山経由で自然園まで戻ることにします。

　たきあらしの峰 までは、一度下って 登り返しますが

　こちらの登山道でも、 両側にカタクリが咲いていました。

 

　

 

　そして、たきあらしの峰から大芝山までは、圧巻のフラワーロード。

　これまでのカタクリに加え

　ヤマエンゴサク、ヒゲネワチガイソウ、キバナアマナ、アオイスミレ

　ニリンソウなどが、所狭しと咲き競っていました。

 

　

 

　大芝山から洞ノ峰へ

　さらに山腹を巻いて進むと、対面に見える尾根が白くなっています。

 

　

 

　今朝 見えていた 山肌の白いかたまりは、タムシバ（右上）だったようです。

　もう散っている花を多く見ましたから、盛りの頃は、もっと見事だったことでしょう。

 

　そして、下りも終盤となった頃、また嬉しい出会いがありました。

　ピカイチ美人のマキノスミレです。開きかけの花びらは まるで桜のよう

　写真より赤みかがった紫色でした。　　　　　　

　　　　　　　　

　

　 

　林道に出ると、アケボノスミレやヒカゲスミレ、ヒナスミレにシロバナタチツボスミレなど

　またもや行く手を阻むお花攻撃。

　駐車場を出たのは、やはり最後になってしまいました。

 

　今日は、蓼科泊まり。

　宿に向かう車窓からは、大きな夕日に照らされた八ヶ岳が赤く輝いていました。

 

　　山ノ神自然園ーブナの分れー山頂ーブナの分れーたきあらしの峰ー大芝山

　　　　ー洞ノ峰ー山ノ神自然園