津波予見できず!全員無罪
東京電力福島第一原発過酷事故を巡り強制起訴された3旧経営陣の裁判は「無罪判決」が言い渡された。この判決の一部始終を傍聴した立場から裁判の様子を伝えることとする。
(資料1)2017年6月の初公判の3被告の様子
午後1時15分、東京地裁で最も広い104号法廷で起立した3被告に永渕健一裁判長は、低くて聞き取れないような声で「被告人はいずれも無罪」と告げた。
傍聴席からは「えー」「うそだろー!」の怒声とも落胆ともとれる声が響いた。裁判長の「被告人は着席して」の声に、3人は安堵の様子を見せながらも(資料1)の初回の顔ぼうと大きな違いを見せていた。37回におよぶ公判の年月と重圧がそうさせたのだろう。
正面右側に座った被害者遺族から「なんで!」と萎える様子が裁判の過酷さを見る思いだった。
2時間余りの判決理由は下の「判決理由要旨」にある通りである。
しかし、これを子細に聞くと“先に無罪判決の結論があって、その理由を後から書き加えただけ”の内容だったと思える。
その良い例を挙げると、長期評価が警告する津波地震について東電は繰り返し先延ばしをしてきた経緯を全く取り上げていない。更に、日本海溝沿いには福島原発の他に東海原発、東北電力がある。この原発はそれぞれ対策を取り入れ津波の被害を免れている。それだけでなく東電はこの2つの会社に自らの会社と横並びするよう再三圧力を掛けていた。
判決後の記者会見で指定弁護士の石田省三郎弁護士は「国の原子力政策に忖度する判断だった!」と悔しさをにじませていた。
また、武藤類子告訴支援団長は「原発事故による避難者、被災者は何十万人もいる。このような結果になり誠に残念である。このままでは“加害者天国、被害者地獄”ではないか!共に控訴して闘い続けよう」と語っていた。その通りである。
P2 第一原発トリチウム汚染水問題
「長期保管に向け」本格議論が始まる
P3 第48回東電交渉
1・2号機排気筒解体、トリチウム汚染水問題で申し入れ書提出
P4 「死せる水トリチウム」を大量に作り出す原発と再処理施設
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P5 甲状腺がん支援グループが福島県知事に要望書提出!!
P6 震災関連死 2,278人 1年間で32人が犠牲に!
クロソイからストロンチウム 過去最高値を検出!