復興五輪でもない、コロナ克服五輪でもない
2013年9月、安倍元首相は「汚染水はコントロールされている」と東京にオリンピックを招致した。原発収束も汚染水問題も核廃棄物の問題も、避難の権利や健康被害など課題山積のままだ。
[資料1] 全国に設置された五輪マーク
県内では「福島はオリンピックどごろでねえ!!」と開催反対の声が上がっている。世論調査でも、中止を求める声は7割近くある。復興五輪が今やコロナ克服のイメージをつくろうとしているが、コロナ感染は、来日の海外選手からも発見されている。世界の200余りの国々から約10万人の選手や関係者が入国し、全国からも警察や医師、大会関係者が集められている。ここに集団感染がおきたら、世界各国から集まり世界中に散っていくことになる。人類の命を懸けた最悪のオリンピックとなるだろう。その弊害は、福島第一原発の現場でも起きている。オリンピックの開始前日から閉会まで(7月20日~8月8日)と、パラリンピック開会式前日から閉会式(8月23日~9月5日)までの約1か月間、溶接などの火を使う作業や、放射性物質を含むほこりが舞う恐れのある作業を自粛するという報道があった(東京新聞)溶け落ちた核燃料の冷却や汚染水の処理などは続けるというが、世界的イベントが開かれる中で、作業中のトラブル発生を考慮したということだ。
ここには、毎日4,000人の労働者が働き廃炉作業を続けている。中断した作業はお盆休みに実施するということだが、1年中で一番暑さ厳しいお盆の時期に作業をすることになると、作業員の熱中症やトラブル、事故につながるのではないかと下請け企業の幹部は危惧する。日給の作業員は、長期にわたる作業中断で収入がなく死活問題でもある。
[資料] 管理できない放射能
(資料2)7月20日の地方紙に「汚染土保管の金属製容器からストロンチウム90など高い放射性物質を含む水が河川流出」と報道があった。川は海につながる。「環境に影響は無い」などと済まされない。日本政府は、福島県民に対し、世界的な公衆被ばく線量1mSvを20mSvに据え置き、帰還困難区域を解除し、生活支援、補償を打ち切り、帰還政策を強めている。いつ何がおきるかわからない、不安要因を抱えたままの「原発緊急事態宣言発令中」の福島第一原発なのだ。オリンピック中止の声が世界的に広がる。命と危険を天秤にかけたオリンピック開催となった。(文責 千葉親子)
P2 汚染水 2次処理なし 海水で薄めて放出
P3 泥水のような汚染水は・・・
ALPS多核種除去設備では取り除けない
P4 汚染水 海洋投棄は決して許してはならない!
P5~6 高汚染地に取り残された赤宇木の人々
「100年帰れない故郷」を書き残す今野さんと地区役員