3.11原発過酷事故から7年目
南相馬市立総合病院 白血病10.8倍に増加!
国や福島県は、小児甲状腺がんを除き健康調査を全くしてこなかった。ところが南相馬市議会議員の大山弘一氏が南相馬市立総合病院から病名ごとの患者推移データの提供を受けた。その数は衝撃的な内容であった。
原発過酷事故の前年2010年(平成22年)と7年後の2017年(平成29年)の対比では、原発事故により放射線被ばくの影響との関連性が強いとされる甲状腺がん(成人)が事故前の2010年には1人だったのが、7年後の2017年には29倍になっている。
更に、白血病は10.8倍、肺ガン4.2倍、小児がんは4倍、肺炎3.98倍、心筋梗塞3.97倍、肝臓がん3.92倍、大腸がん2.99倍、胃がん2.27倍になっている。表にはないが脳卒中が3.52倍である。(その他の傷病名は割愛)
確かにデータ数は多くなく、一病院のデータだけから同市全体の傾向に短絡するのは注意が必要である。
同市は3.11大震災での直接死や関連死がもっとも犠牲の多かった地域であり、周辺の医療機関の閉鎖や規模の縮小、住民の高齢化、津波や原発事故に伴う心身の疲れや精神的なストレスなどの影響も検討すべきである。
しかし、同病院の外来患者数は2010年の82,954人と比較し、2017年には81,812人と1,142人の減少、また65歳以上の患者数は2010年18,809人、2017年18,452人と357人減っている。
同市の65歳以上の人口は2010年1月1日時点で18,766人であったのに対し、2017年1月1日では18,819人と若干増えている。
このような地域でありながら驚くほどの倍率である。
脱原発情報 No202号 PDF版はこちらから
P3 東電旧経営陣公判 最大の山場被告人質問始まる
P4 高性能ALPSはとんでもない代物
P5 第3回 第一原発40年の軌跡を辿る
P6 甲状腺検査の公平を求めた住民監査請求が却下
※ 202号1ページの文章に間違いがありました。
11月20日に203号で訂正したものと差し替えました。