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Are You My Baby ?

ウェンディ&リサ(Wendy & Lisa)という、女性2人組のデュオを御存知だろうか?
2人は、あのプリンス(Prince)のバックバンド The Revolution の中心メンバーだった。
「Raspberry Beret」、「Kiss」 などの有名ヒット曲の PV や、ツアー映像など、プリンスのバックでいつも演奏していたので、覚えている人も多いだろう。

Wendy Melvoin
Lisa Coleman

最も古くまで遡れば、プリンスの1980年の 3rd アルバム 「Dirty Mind」 のクレジットに、"Lisa Coleman"(=リサ) の名前を見つけることができる。
1982年のアルバム 「1999」 で "Wendy Melvoin"(=ウェンディ)の名前がクレジットに登場し、そこでウェンディとリサの2人が揃い踏みする。

1983年の名作 「Purple Rain」 では、CD に付属のライナーを開くと、クレジットの一番先頭に "Lisa Coleman"、"Wendy" の名前がある。
1986年の 「Parade」 のラストを飾る美しいバラード 「Sometimes It Snows in April」 は、プリンスが単独で書いた曲ではなく、ウェンディ&リサとの共作だ。

そのように振り返ると、ウェンディ&リサの2人は、プリンスの音楽活動に多大な貢献を果たしてきた、そう言って間違いないと思う。
プリンスは生涯に渡って全盛期だったが、1980年代のあの頃はやはり別格だった。
その最も輝いていた時期に、ウェンディとリサは、プリンスを完璧にバックアップした。

しかし、そうした音楽面での貢献がプリンスになかなか認めてもらえないことへの失望から、1987年のアルバム 「Sign o' the Times」 を最後に、2人はプリンスのもとを去る。
Wikipedia をざっと見た感じでは、大体そんな内容の経緯が書かれている。
孤高の天才プリンスの妥協を知らない厳しさゆえに、起きてしまったすれ違いだったのか。
そんな風に自分は想像する。



プリンスと袂を分かった翌年、1987年にウェンディとリサの2人はデュオを結成し、アルバム 「Wendy and Lisa」 で記念すべきソロデビューを飾る。

1987年 「Wendy and Lisa」

1989年には 2nd アルバム 「Fruit at the Bottom」 をリリース。
このアルバムを、自分は大学時代にフルで聞いたことがある。
スマッシュヒットしたシングル 「Are You My Baby ?」 の他にも、個性的でキャッチーな曲が並ぶポップな作品で、当時けっこう気に入ってよく聞いていた。

1989年 「Fruit at the Bottom」

1990年の3作目 「Eroica」 が、セールス的には最も伸びたアルバムのようだ。
「Eroica」 まではメジャーレーベルからのアルバムリリースだったが、その後はどことも契約しない自主リリースの形を取り、最新作は2011年の 「Snapshots EP」 となっている。
現在も2人で活動中とのことだ。

プリンスとは2004年頃に和解し(?)、アルバム 「Planet Earth」 の制作に参加。
2016年4月21日、プリンスの訃報を受け、ウェンディとリサは The Revolution の元メンバーらと追悼メッセージを発表し、昨年9月に引き続き今年4月にも再結成ツアーが行なわれた。

The Revolution で活躍していた頃のウェンディとリサは、妖しく美しく輝いていた。
当時に比べると、その後のソロでの足跡は地味であることは否めない。
プリンスの威光はやはり偉大だったというべきなのか。

しかし、ウェンディとリサは、映画や TV のテーマ曲を提供するなど、セッションミュージシャン、裏方としての多方面の仕事で実力を発揮してきた、とのことだ。
プリンスを完璧にサポートしたように、2人にはその方が性にあっているのかもしれない。



Wendy & Lisa - Are You My Baby
https://www.youtube.com/watch?v=FgQ-irSwywo
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