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変わったカウンセラー?

2006年01月03日 | エッセイ
私はロックやクラシック・シャンソン・ミュージカル・オペラなどの洋モノも大好きですが、歌舞伎や落語・浪曲などの和モノも、実は大好きです。

それぞれ思い入れがある作品はありますが、今日はお正月らしく、また昨年のドラマ「タイガー&ドラゴン」からブームが来ている落語について、思い出した事を書いてみます。

落語には昔ながらの古典と、それぞれの噺家さんが作った新作と呼ばれるものがあり、これも両方とも好きなのですが、やはり私の中のベスト1は、故・春風亭柳昇師匠の「春が来た」という作品です。
「春」という名の主人公の娘が、嫁ぎ先のお姑さんと折り合いが悪く、実家に来てはお姑さんの文句ばかり言います。
見かねた父親が娘にある粉末を渡し、「これは全く病死にしか見えない死に方をする毒薬だが、効き目が現れるまでに、少し時間がかかる。その時に疑われないように、今日から暫くは親孝行な嫁のふりをしていなさい。」と言い聞かせます。
娘は暫くの我慢ならと納得し、その粉末を少しずつ飲ませながらも、かいがいしく実の娘のように、お姑さんの面倒をみます。
そうして優しくされると、お姑さんも悪い気はしないので、お嫁さんを可愛がりはじめます。

さて一年後、再び娘が両親の所に来ます。
が、顔色が冴えません。
聞けば、あんなに優しく可愛がってくれるお姑さんに毒薬を飲ませていることを、とても後悔しているとのこと。
それを聞いたお父さんは大変喜んで、実はあの粉末はただの小麦粉だったことを娘に伝えます。

以前は、ただ「いい話だな~」と思って聞いていましたが、今思うと、この中にも「幸せのヒント」があったのです!

最初は無理してお姑さんに親切にしていたのに、お姑さんが喜んで感謝して可愛がってくれたことで、春さんもお姑さんに対する感謝といたわりの気持が湧いてきたんですね。

そう、やはり自分が変われば、ちゃんと周りも変わってくれる!ということだと思います。

そういう風に考えると、かなり極端ではありますが、このお父さんもなかなかのカウンセラーなのかも?!

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