兵庫県三木市にあった別所駅は、JR加古川線の厄神駅と三木駅とを結んでいた全長6.6kmの三木鉄道の旅客駅でしたが、2008(平成20)年4月1日に三木鉄道が廃止されたことに伴い、廃駅となりました。
単式ホーム1面1線を有し、播州鉄道の開業時に建てられた木造駅舎が、国鉄三木線から三木鉄道に転換後も解体されずに廃止時まで残っていました。
別所駅が属していた三木鉄道の歴史をさかのぼれば、もともとは1916(大正5)年11月22日に播州鉄道として開業しましたが、その後、播丹鉄道を経て、1943(昭和18)年6月1日に国鉄三木線となりました。
1980(昭和55)年12月に施行された国鉄再建法により、三木線は第1次特定地方交通線に選定されてしまいます。 地元では1982(昭和57)年2月23日を皮切りに6回にわたって三木線特定地方交通線対策協議会を開いて協議し、1984(昭和59)年5月25日に開かれた第6回対策協議会において正式に第3セクター鉄道として存続することを決定し、翌年の1985(昭和60)年4月1日に国鉄三木線が第3セクター三木鉄道に転換されました。
しかし、三木鉄道は転換初年度から1度も黒字になったことはなく、乗客の減少が続いて慢性的な赤字に陥っており、さらに三木市長選挙の際には、三木市の財政再建のため「三木鉄道の廃止」を公約の1つに掲げていた候補者が市長として当選したこともあり、ついに三木鉄道は2008(平成20)年4月1日に廃止されました。
＜別所駅の年表＞
・1916(大正5)年11月22日：播州鉄道の旅客駅として開業
・1923(大正12)年12月21日：播丹鉄道に譲渡され、同鉄道の駅となる
・1943(昭和18)年6月1日：播丹鉄道が国有化されて国鉄三木線となり、同線の駅となる
・1947(昭和22)年6月1日：貨物取扱い開始
・1962(昭和37)年9月1日：貨物取扱い廃止
・1973(昭和48)年10月1日：駅の無人化
・1985(昭和60)年4月1日：国鉄三木線が第3セクター三木鉄道に転換されたことにより、同鉄道の駅となる
・2008(平成20)年4月1日：三木鉄道が廃止されたことに伴い、廃駅となる
（駅名標）
（駅 舎）
（駅 舎 内）
撮影年月日：2000(平成12)年12月18日