北海道野付郡別海町にあった西春別駅は、釧網本線の標津駅から根室標津駅に至る本線(69,4km)と中標津駅から根室本線の厚床駅に至る支線(47,5km)の2つの線から成っていた全線単線非電化の標津線(116,9km)の一般駅として、1936(昭和11)年10月29日に開業しました。
しかし、標津線が国鉄分割民営化の1989(平成元)年4月30日限りで廃止されたのに伴い、西春別駅も廃駅となりました。
島式ホーム1面2線を有していて列車交換可能な有人駅でした。
開業時に建てられた木造駅舎が、廃止時まで使われていました。
西春別駅が属していた標津線は、根釧原野の開拓に伴う物資や農産物を輸送するためと産業の振興をはかるために建設されましたが、沿線の大部分は原野と農地が占め、この地域で町として成長した地区は中標津など数駅の周辺だけであり、広域的にみれば全国でも有数の人口希薄地域だったので、開業当初から標津線の利用者は限られており、貨物取扱量も1965(昭和40)年をピークに減少に転じました。
そのため、1968(昭和43)年9月1日に国鉄諮問委員会が提出した“赤字83線”の意見書にも名を連ね、1980(昭和55)年12月の国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)の施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定されますが、営業キロが100km以上もあった長大路線であったため地元の自治体が特別な配慮を求めたことや、沿線道路が未整備だったため、冬季の代替輸送に問題がある等の理由により一時廃止承認が保留されたものの、その後、運輸省(現・国土交通省)の調査結果を受けて1985(昭和60)年8月2日に追加廃止承認されてしまいます。
そして標津線は、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継された後、1989(平成元)年4月30日限りで廃止され、これに伴い西春別駅も廃駅となりました。
<西春別駅の年表>
・1936(昭和11)年10月29日:国鉄標津線の一般駅として開業
・1980(昭和55)年4月30日:貨物取扱い廃止
・1984(昭和59)年2月1日:荷物取扱い廃止
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる
・1989(平成元)年4月30日:標津線の廃止に伴って廃駅となる
(駅 名 標)
(駅舎・ホーム側)
(西春別駅駅舎)