源氏物語と共に

源氏物語関連

源氏物語の写本

2008-04-19 08:56:21 | その他

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源氏物語千年紀NHK公開セミナーに参加してきました。


大阪女子大学名誉教授片桐洋一先生の講座でした。


先生のお名前は伊勢物語成立説の時に聞いていましたので、
どんな方か楽しみでした。


ただし、学術的な内容で眠ってしまわないかと心配しましたが、
私的には面白かったです♪


特に後半は、スライド写真を見ながらの説明に
すっかり引き込まれてしまいました。


今度、京都文化博物館で開催される源氏物語千年紀展の画像もあり、
そちらへも是非行って見たくなる内容でした。


「源氏物語の原形と現形」 写本についての説明も面白かったです。


現在ある本の写本から当時の原形を推し量るという内容。


写本はちょっと苦手な分野ですが、
変体仮名なども読めないながらも、スライド説明を面白く拝聴しました。


印刷技術の無い時代、
手作業で写すので、誤字脱落などもそのまま伝わるという事です。
だからその本の元の写本の系列がわかるそうです。


源氏物語の写本は大きくわけて三種類。


①藤原定家の青表紙本


②河内本


③その他の別本系


現在の源氏物語の文章はだいたいここから伝わっているそうです。


写本は、青表紙本と河内本では微妙に文が違っていますから、
その本がどちらの本系列を写したのか判断できるという内容でした。
特に語り手の顔がのぞく草子地に違いが多くあるそうです。


しかし、両方を合わせてよい所を写した③もあり、
現存しない当時の原形源氏物語をつきとめるのは大変な作業のように思います。


先生は表紙が青色だったという青表紙本は伝説で伝わっているので、
定家の自筆もあやしいものもあると言っておられたのが面白かったです♪


しかし、現代に伝わる写本の奥書に実朝の直筆があったのには驚きでした。


また写本の縦横の寸法で時代がわかるとか、何センチの単位で
研究というのはずいぶん細かいと感じました。


また、本の上に紙を貼って示された元の和歌を書いて説明がしてあった奥入りなど、
昔の学者さんは、本当に熱心に源氏物語を研究されたのだと感心しました。


紫式部日記の
藤原公任(きんとう)が、若紫はここにおられますか?と尋ねたという有名な場面。


この記事によって、今年が源氏物語千年紀になると推察されるのですが、
千年を経てもまだ伝わる源氏物語のすごさを改めて感じました。


そして紫式部日記絵巻にこの場面があり、
「小右記」で有名なすごく真面目な作者が
女房に戯れる姿に、
こんないやらしい事をする人とは思えないといわれたので、皆が大笑いしました。
(私はこんなしょうもない事しか覚えていません(^^ゞ)


それにしても、ひらがなと変体仮名ばかりの写本は全く読めなかったのですが(笑)
とても面白かったです♪


コメント
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