明治浪漫-熊本県宇城市：三角西港

Misumi-Nishi Port, Uki City, Kumamoto Pref.

さてさて、熊本県宇城市の三角西港にやって来たワタクシ達は、軽く昼食も食べましたので、港を散策することにいたしました。
明治２０年に華々しく開港した三角西港は、貿易、行政、司法の各施設を備えた近代的都市として発展し、貿易港としての地位を築いていきました。
明治２２年には国の特別輸出港に指定され、米、麦、麦粉、石炭、硫黄の重要輸出港としてさらに発展していきます。
今の静かな三角西港を見ていると、そんな繁栄の時代が嘘のように思えます。


この建物は「浦島屋」と言いまして、ラフカディオ・ハーン（小泉八雲）が、明治26年7月22日、長崎からの帰途に立ち寄りました。
長崎が猛暑であったのに、ここ三角は涼しかったため、ずいぶんこの浦島屋を気に入ったようです。


後に日露戦争後、浦島屋は国が買い上げて解体し、満州の大連で日本式旅館として使用するために移転したそうです。
したがって現在の建物は当時の物ではなく、設計図をもとに復元したものだそうですよ。


かつては政府高官、皇族、華族などもこの浦島屋に宿泊したそうです。
なんだか不思議な感慨を、ワタクシは感じたのでありました。


これは756mにもおよぶ石積み埠頭です。築港当時のままの姿を見せており、平成14年に国重要文化財に指定されました。
明治時代の中頃には、この埠頭に貨物船や客船が横付けしていたのでしょうね。


この建物は旧三角簡易裁判所で明治23年に開庁し、平成４年まで現役の簡易裁判所として使用されました。


まぁワタクシなどは、これまで裁判所とは関係の無い人生を歩んできましたし、これからも裁判所とは関係ない人生でありたいです。


これは旧宇土郡役場で、明治２８年に三角簡易裁判所横に開庁しました。
モルタル塗りの外壁を石造り風に見せる技術などは、明治中期の洋風建築技術の秀逸さを示しています。
現在は宇城市立九州海技学院として使われています。今も現役なのが嬉しいですね。


三角西港の埠頭に立つと天草が目の前です。あの橋を渡ると天草諸島なんですよね。
とはいえ、この日の宿は天草でもかなり奥まった場所にありますので、そろそろ出発するとしましょうか。

使用したカメラ：FUJIFILM X-E1


三角西港を訪ねるのは、もちろん今回が初めてなのですが、明治時代や大正時代の近代建築が好きな私には
なかなか興味深く、また散策していて楽しい場所でありました。
まだまだ未知の興味深い場所というのは、たくさんあるものですねぇ。


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