怒りのトランプ氏、THAAD妨害の韓国見捨てた 米韓同盟破綻の危機、識者「文政権の行動の裏に中国」
2017年6月8日 17時12分
ZAKZAK(夕刊フジ)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、米韓同盟破綻の道に踏み出した。
国内に配備された米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」をめぐり、言いがかりのような問題点を指摘し、稼働が大幅に遅れる事態となっているのだ。
北朝鮮の核・ミサイルへの「防衛の要」であるTHAADへの卑劣な妨害を、米国が許すはずがない。ドナルド・トランプ大統領は今月末、文氏と初の米韓首脳会談を行うが、このままではブチ切れ必至だ。
「THAAD稼働は来年以降か」
韓国の聯合ニュースは5日、こんな見出しの記事を報じた。
文氏が同日、THAADの配備・稼働について、手続き面で国民すべてが納得できる正当性を得るため、国防省に法令にのっとった適切な環境影響評価を進めるよう指示したことを受けての記事だ。
同ニュースによると、THAADが配備された敷地ではこれまで、小規模な環境影響評価が行われたが、文氏は「法令の基準を満たしていない」と判断したという。
終了までに1年かかるとの見方も出ており、THAADの完全稼働は来年に持ち越される可能性が高くなったという。
文政権誕生後、THAADをめぐるトラブルが勃発したのは今回が初めてではない。
発射台4基が韓国内に追加搬入されたことについても、「文氏が知らされていなかった」という騒動が巻き起こった。
在韓米軍は4月26日、米韓間の合意に従い、
国南部・星州(ソンジュ)郡の配備先に、THAADの発射台や高性能のXバンドレーダーなどを搬入し、設置した。
国防省は5月25日、国政企画諮問委員会と青瓦台(大統領府)への業務報告で、発射台2基を搬入したと伝えた。
その後の追加報告で「4基の追加搬入」が確認されると、文氏は突然、「非常に衝撃的だ」と騒ぎ出し、調査を指示したのだ。
政権交代で、極左・従北化した青瓦台(大統領府)は5月31日、「国防省による意図的な隠蔽(いんぺい)とみられる」との調査結果を明らかにした。
だが、文氏や青瓦台の主張は不可解だった。
そもそも、THAADは6基の発射台とレーダーで一体運用されるシステムとして知られている。
追加搬入された4基についても、韓国のテレビ局のカメラで、車両に積載し、移動する様子が確認された。
その後、業務報告書の草案には4基の保管場所が記載されていたが、国防省の国防政策室長が削除を命じていたことが判明している。
このため、複数の韓国メディアが、文政権の姿勢に疑念を示している。
東亜日報(日本語版)は6日の社説で、報告漏れについて「意思疎通の混乱が生んだ事故」とし、「大統領府が初めからそれほど大げさに騒ぐ事案であったか自省すべき点だ」と指摘した。
トランプ政権は、韓国の態度に不信感を高めつつある。
「狂犬」ことジェームズ・マティス国防長官は3日、韓民求(ハン・ミング)国防相に対し、「THAADは北朝鮮のミサイル脅威から韓国を防御することが目的」と伝え、改めて早期稼働の必要性を強調した。
中央日報(同)は6日、米国防総省ミサイル防衛局のジェームズ・シリング局長らが急遽(きゅうきょ)、青瓦台を訪問したとの記事で、消息筋の見方をこう伝えた。
「米国は青瓦台外交安保ラインがTHAADを誤解しているのではないかと考えているようだ」。
トランプ氏は今月末、ワシントンで文氏を迎える。THAAD問題は当然、首脳会談の重要課題となる。
こうしたなか、朝鮮日報(同)は7日、青瓦台が首脳会談で、THAADを正式な議題から外す考えを米国側に伝えたことが分かった、と報じた。
敏感な問題で確執を深めるよりも、北朝鮮の核問題などの懸案に集中しようという趣旨だというが、「極左・従北」の素顔が現れ始めた文氏に対し、トランプ氏が厳しい姿勢で臨むことは避けられない。
文氏が、THAAD配備・稼働を遅らせる背景は何か。
朝鮮半島や中国をめぐる日本の危機について記した『米中激戦!』(KKベストセラーズ)が評判となっている国際政治学者の藤井厳喜氏は「文政権の行動の裏に、中国がいる」と分析し、続けた。
「文氏が大統領に当選した直後の電話会談で、習近平国家主席は『中国側の意向をわきまえてくれ』という趣旨のことを念押ししている。
要するに『THAADを韓国から追い出してくれ』ということだ。
文氏は北朝鮮に『超太陽政策』を一貫して取っており、北朝鮮のためにもTHAAD配備を無効にするのではないか」
それでは同盟国への裏切り行為だ。トランプ政権の堪忍袋の緒は大丈夫なのか。藤井氏は米韓同盟について、次のように語る。
「すでに同盟関係に亀裂が入っている。
そして、文氏は今後、それを拡大する方向に持っていくのではないか。
トランプ氏は対外干渉はしたくない人なので、『離れていくなら仕方ない』と突き放すだろう。
米韓同盟は破綻し、在韓米軍の撤退も予想される」
ZAKZAK(夕刊フジ)
2017年6月8日 17時12分
ZAKZAK(夕刊フジ)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、米韓同盟破綻の道に踏み出した。
国内に配備された米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」をめぐり、言いがかりのような問題点を指摘し、稼働が大幅に遅れる事態となっているのだ。
北朝鮮の核・ミサイルへの「防衛の要」であるTHAADへの卑劣な妨害を、米国が許すはずがない。ドナルド・トランプ大統領は今月末、文氏と初の米韓首脳会談を行うが、このままではブチ切れ必至だ。
「THAAD稼働は来年以降か」
韓国の聯合ニュースは5日、こんな見出しの記事を報じた。
文氏が同日、THAADの配備・稼働について、手続き面で国民すべてが納得できる正当性を得るため、国防省に法令にのっとった適切な環境影響評価を進めるよう指示したことを受けての記事だ。
同ニュースによると、THAADが配備された敷地ではこれまで、小規模な環境影響評価が行われたが、文氏は「法令の基準を満たしていない」と判断したという。
終了までに1年かかるとの見方も出ており、THAADの完全稼働は来年に持ち越される可能性が高くなったという。
文政権誕生後、THAADをめぐるトラブルが勃発したのは今回が初めてではない。
発射台4基が韓国内に追加搬入されたことについても、「文氏が知らされていなかった」という騒動が巻き起こった。
在韓米軍は4月26日、米韓間の合意に従い、
国南部・星州(ソンジュ)郡の配備先に、THAADの発射台や高性能のXバンドレーダーなどを搬入し、設置した。
国防省は5月25日、国政企画諮問委員会と青瓦台(大統領府)への業務報告で、発射台2基を搬入したと伝えた。
その後の追加報告で「4基の追加搬入」が確認されると、文氏は突然、「非常に衝撃的だ」と騒ぎ出し、調査を指示したのだ。
政権交代で、極左・従北化した青瓦台(大統領府)は5月31日、「国防省による意図的な隠蔽(いんぺい)とみられる」との調査結果を明らかにした。
だが、文氏や青瓦台の主張は不可解だった。
そもそも、THAADは6基の発射台とレーダーで一体運用されるシステムとして知られている。
追加搬入された4基についても、韓国のテレビ局のカメラで、車両に積載し、移動する様子が確認された。
その後、業務報告書の草案には4基の保管場所が記載されていたが、国防省の国防政策室長が削除を命じていたことが判明している。
このため、複数の韓国メディアが、文政権の姿勢に疑念を示している。
東亜日報(日本語版)は6日の社説で、報告漏れについて「意思疎通の混乱が生んだ事故」とし、「大統領府が初めからそれほど大げさに騒ぐ事案であったか自省すべき点だ」と指摘した。
トランプ政権は、韓国の態度に不信感を高めつつある。
「狂犬」ことジェームズ・マティス国防長官は3日、韓民求(ハン・ミング)国防相に対し、「THAADは北朝鮮のミサイル脅威から韓国を防御することが目的」と伝え、改めて早期稼働の必要性を強調した。
中央日報(同)は6日、米国防総省ミサイル防衛局のジェームズ・シリング局長らが急遽(きゅうきょ)、青瓦台を訪問したとの記事で、消息筋の見方をこう伝えた。
「米国は青瓦台外交安保ラインがTHAADを誤解しているのではないかと考えているようだ」。
トランプ氏は今月末、ワシントンで文氏を迎える。THAAD問題は当然、首脳会談の重要課題となる。
こうしたなか、朝鮮日報(同)は7日、青瓦台が首脳会談で、THAADを正式な議題から外す考えを米国側に伝えたことが分かった、と報じた。
敏感な問題で確執を深めるよりも、北朝鮮の核問題などの懸案に集中しようという趣旨だというが、「極左・従北」の素顔が現れ始めた文氏に対し、トランプ氏が厳しい姿勢で臨むことは避けられない。
文氏が、THAAD配備・稼働を遅らせる背景は何か。
朝鮮半島や中国をめぐる日本の危機について記した『米中激戦!』(KKベストセラーズ)が評判となっている国際政治学者の藤井厳喜氏は「文政権の行動の裏に、中国がいる」と分析し、続けた。
「文氏が大統領に当選した直後の電話会談で、習近平国家主席は『中国側の意向をわきまえてくれ』という趣旨のことを念押ししている。
要するに『THAADを韓国から追い出してくれ』ということだ。
文氏は北朝鮮に『超太陽政策』を一貫して取っており、北朝鮮のためにもTHAAD配備を無効にするのではないか」
それでは同盟国への裏切り行為だ。トランプ政権の堪忍袋の緒は大丈夫なのか。藤井氏は米韓同盟について、次のように語る。
「すでに同盟関係に亀裂が入っている。
そして、文氏は今後、それを拡大する方向に持っていくのではないか。
トランプ氏は対外干渉はしたくない人なので、『離れていくなら仕方ない』と突き放すだろう。
米韓同盟は破綻し、在韓米軍の撤退も予想される」
ZAKZAK(夕刊フジ)