日本と世界

世界の中の日本

日本は「朝鮮半島」に深入りするべきではない

2017-09-17 16:30:58 | 日記

日本は「朝鮮半島」に深入りするべきではない

今後の日韓両国関係の在り方とは?

福田 恵介 : 東洋経済 記者
在韓35年。
 
朝鮮半島情勢の報道では日本を代表するジャーナリストである産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏。『隣国への足跡』は、日韓の近現代史を掘り下げながら、今後の日韓両国のあり方を示している。

 ──1907年のハーグ密使事件から1987年の大韓航空機爆破事件まで、日本とかかわりの深い歴史を取り扱っています。

記者生活での体験や体験とゆかりのあるものを素材にした、体験的日韓関係史だ。

離れられない関係であることを日本人は知っておくべき

──韓国・北朝鮮の近現代史は、植民地支配が終わり南北分断後から今でも、日本とのかかわりの程度が強いままで変わらないように思えます。

この数年間、日本では嫌韓・反韓感情が強まり、「断絶してコリアと付き合うのはやめよ」といった国交断絶論をはじめ韓国を遠ざけようとする動きがある。

それでも私が言いたいのは、朝鮮半島は日本にとって付き合わざるをえない国であり、同時に向こうからも押しかけてくる国で、離れられない関係であることを日本人は知っておくべきだということだ。

──本書には、李朝最後の皇太子だった李垠(イウン)殿下と結婚した皇族・李方子(まさこ)妃(梨本宮方子、1901~1989年)はじめ、有名無名を問わず多くの日本人が紹介されています。

日韓の歴史を刻んだ日本人を紹介したのは、日韓関係史で彼らが示した「日本人としての気概」を紹介したかったためだ。

その代表例こそ李方子妃。彼女の人生は、激動の日韓史そのものだ。

結婚自体が「お国のため」、すなわち政略結婚だったが、1989年に亡くなられると韓国は「最後の王朝葬礼」といわれるほどの手厚い葬儀を行った。

このとき、多くの市民が「ウリ(われわれの)王妃だから」と葬列を見送った。

中でも、正装をした老婆が路上で「クンジョル」という、地に頭を垂れる最大の敬意を示す礼を尽くしながら見送ったシーンは忘れられない。

李朝を崩壊させた日本人の皇族出身ながらも、政略結婚という運命を身に引き受け、戦後は地道な障害児教育・支援を行われた姿を韓国民はよく見ていたのだ。

――同じ王族で、広島の原爆で亡くなった日本陸軍中佐の李ウ殿下についても紹介されています。

原爆投下の8月6日、李ウ殿下付き武官だった吉成弘中佐は出勤の際、体調が悪く殿下に付き添えなかった。

これに責任を感じた彼は、殿下の通夜の翌日に自決している。

殿下の未亡人・朴賛珠(パクチャンジュ)さんは吉成中佐について「武人のかがみ、亡き主人(殿下)の供をしていただいた。

地下で主人は寂しくないだろう」との手紙を書き残している。こうして日本の名誉を守った日本人もいるのだ。

──普通の日本人が示した気概も紹介されていますね。

黒田 勝弘(くろだ かつひろ)/1941年生まれ。京都大学経済学部卒業。共同通信社入社後、1978年に韓国・延世大学留学。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員などを経る。著書に『韓国 反日感情の正体』『韓国人の歴史観』『朝鮮半島 21世紀への深層』など。(撮影:尾形文繁)

韓国人の知り合いから聞いた話だ。

彼は子どもの頃、北朝鮮北西部・平安北道定州(チョンジュ)に住んでおり、終戦時に満州から南下してきた日本人引き揚げ者の群れを定州駅で見た。

食糧配給の際、薄汚れたボロをまとった彼らは、整然と列を作って静かに順番を待っていた。これを見て、とても驚いたというのだ。

食うや食わずの避難中でも先を争う者がいない。

中には静かに本を読みながら食糧の配給を待っている日本人もいた。

「いかに窮しても、いかにボロをまとっていても日本人はすごい」。

今でも変わらない、彼の日本人観だ。

東日本大震災の際にも、避難者の整然とした行動が世界的に称賛を浴びたが、こうした日本人の気概は、敗戦時の苦難の引き揚げ史にもあったということだ。

── 一方で、1895年に起きた「閔妃(ミンビ)暗殺」事件について、日本にとって「痛恨の歴史」としています。

日韓近現代史の中には、日本人として総括ができず、避けてしまっている苦い歴史がある。

閔妃暗殺事件はその代表例だ。

駐韓公使の三浦梧楼をトップに軍人や民間人も加わって王宮を襲撃した。

事件後、帰国させられた彼らは、裁判で無罪となってしまった。

そのわずか4年前、訪日中のロシアのニコライ皇太子(後のニコライ2世)を警察官・津田三蔵が襲った「大津事件」での対応と正反対だ。

ロシアからの圧力と報復を恐れた日本政府は皇太子にケガをさせた津田を死刑とするよう司法に圧力をかけた。

ところが、裁判所は現行法では適用されないとして無期懲役とした。

後に司法の独立を守ったと評価された判決だ。なぜこれと同じことが、閔妃暗殺ではできなかったのか。

あの無罪放免は、日本がその後の大陸進出の過程で「現地の独走」を許して国の方向性を誤った、その始まりだったと思う。

朝鮮半島は「引き込まれやすく、深入りしがちな相手」

──35年間の韓国滞在経験を踏まえたうえで、「朝鮮半島に深入りするな」と書いています。

最近、日本にとって朝鮮半島は「引き込まれやすく、深入りしがちな相手」ではないかと思い至った。

古代史の白村江の戦いや中世の豊臣秀吉の侵略もそうだが、

彼の地との関係は日本が深入りした歴史であり、同時に引き込まれた歴史ではないかと思う。

ちょうど今、北朝鮮によるミサイル発射と6回目の核実験で、日本は朝鮮半島情勢に巻き込まれている。

日本は北朝鮮と戦争する気はないし、あちらに押しかける気もないのに、結果としてあたふたさせられている。

一方で、深入りは日清戦争(1894年)から日韓併合(1910年)が最たるものだ。結果的に植民地にしてしまい、

一度関係を持つと日本人の心性をくすぐる、他国にはない魅力を感じてしまうのではないか。

だが、その魅力は同時に危うさでもある。痛恨の歴史をつくってしまう伏線になってしまうのではないか。

1977~1981年に韓国大使を務めた須之部量三・元外務事務次官から「この地に足は2本とも入れず、1本は外に出しておけ」と言われたことがある。

2本とも入れておくと、いざというときに抜けなくなるからだという理由だった。

地理的・文化的に、また地政学的にも日本は朝鮮半島と向き合わざるをえない。

だが、これまでの歴史を振り返って言えるのは、海峡を渡って北に向かうときは慎重にかつ十分に用心しろ──。

足が抜けないほど深入りしてはいけない、ということだ。

 
 

中国、「不良債権」バッド・バンンクに買い取らせ「身奇麗」装う

2017-09-17 14:11:31 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。

2017-09-17 05:00:00

中国、「不良債権」バッド・バンンクに買い取らせ「身奇麗」装う

 すでにバブルは崩壊した、「後始末」で財政資金投入へ

 中国は「欺瞞国家」である。表と裏で、これだけ差がある国はない。

表面を繕って飾り立てるが、内部は腐敗で充満している。

これは、政治だけでない。経済もまた深刻な不良債権に苦しんでいる。私は、すでにバブルは崩壊したと見る。

膨大な不良債権がさまよい始めているからだ。次の記事は、私の視点と相容れない楽観的な記事だ。

 「中国の大手銀行で不良債権の増加に歯止めがかかり始めた。四大国有銀行が8月31日までに発表した2017年1~6月期決算によると、6月末時点の不良債権比率は平均で1.65%と、16年12月末に比べて0.07ポイント低下した。

四大銀の不良債権比率が低下するのは約5年ぶり。

国内景気の安定に加え、不良債権の外部売却や証券化を進めた効果が出ている」(『日本経済新聞』9月1日付)

 この記事は、中国4大国有銀行の不良債権比率が、今年6月末時点で平均1.65%と、16年12月末に比べて0.07ポイント低下したというもの。

その背景には、国内景気が安定しており前年同期比6.9%成長を続けているとしている。

 私は、この記事を読んだ瞬間、「エッ」と驚きを禁じ得なかった。

「そんな訳はないだろう」と大きな疑問を持ったのだ。

国有企業が債務繰り延べを行なうべく、国有企業と国有銀行の間で「債権者委員会」までつくらせ、債務支払いの延期や棚上げなどの措置を講じているからだ。

この事実をブログで取り上げてきた私としては、「裏があるはず」と読んだのである。

もっとも、前記の記事の最後には、「『供給サイドの改革が深まるにつれ、企業の信用リスクがあらわになる可能性もある』(中国銀行の潘岳漢・首席リスク管理官)。

不良債権処理が峠を越えたとは言い切れない、との慎重な見方も少なくない」と断り書きがついている。

 臭いものに蓋する

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月8日付)は、「中国の不良債権対策、結局は『臭いものにふた』」と題するコラムを掲載した。

 この記事を読むと、前記の4大国有企業の不良債権比率の減少理由が、はっきりと指摘されている。

バッドバンク(不良債権受け皿会社)に不良債権を売り渡したのだ。その結果、身軽になれただけである。

4大国有銀行から不良債権は「消えた」が、その不良債権はバッドバンクに「移された」に過ぎない。

この点を誤解してはならない。中国経済全体では不良債権が、山をなして膨らんでいるのだ。

 (1)「中国では、通常の銀行のほかにバッドバンク(不良債権受け皿会社)が存在している。

同国における不良債権問題の深刻さを理解するにはバッドバンクに注目することが必要だ。

中国信達資産管理(チャイナ・シンダ・アセット・マネジメント)は、1990年代に設立された不良債権処理会社4社のうち2番目の規模を持つ。

当時すでに不良債権は大量に積み上がっていたが、その後、約20年を経てもなお同社は、銀行から受け入れたディストレスト(注:経営行き詰まり)資産を管理・再編している」

 バッドバンクの中国信達資産管理は、中国に設立されている不良債権処理会社4社のうち2番目の規模である。

このバッドバンクのお陰で、中国政府はあたかも健全な経済運営をしているような「振り」ができる貴重な存在である。

 (2)「中国信達が発表した2017年1~6月期(上半期)決算報告を見ると、国内資産の質が急激に悪化していることがうかがえる。

7%近い経済成長率や数年ぶり高水準にまで改善した企業利益を背景に、投資家の間で比較的強気の見方が広がっているのとは好対照だ。

同社は現在、処理能力を大幅に上回るペースでディストレスト資産を買い入れているため、同社の不良債権ポートフォリオの売却価格は、昨年同時期の元本1ドル当たり0.30ドルから同0.20ドル近くまで落ち込んでいる。

不良資産処理による収入は年間で64%減少し、1~6月期の不良資産の再編による収益率は前年同期の10.6%から8.7%に低下した。

引当金計上が10倍以上増加したため、不良資産の減損額が2倍以上に膨らんだことが影響した。

このような傾向は、投資家が大手銀行の決算から推測する以上に中国の不良債権問題が深刻化していることを示している」

 前記の中国信達が発表した2017年上半期決算は、不良債権処理能力を大幅に上回る規模のディストレスト(経営行き詰まり)資産を買い入ている。

中国のGDPは、今年上半期で前年比6.9%成長を実現したが、その裏では銀行のディストレスト資産が買い取られて、新規融資が可能であった結果である。

まさに、「救命医」の役割を演じているのだ。

 中国信達の不良資産売却値段は、元本1ドル当たり0.30ドルから同0.20ドル近くまで落ち込んでいる。

元本が70~80%もディスカウントされているのは、不良債権発生率が高まっているので、大幅値引きで処分せざるを得ないのだ。

不良資産の減損額(値引率を大きくして売却するに伴う損失)は、2倍以上膨らんでいる。

この事実こそ、中国の経済減速が予想以上のスピードで進んでいることを証明している。中国政府の発表する楽観的データは、嘘で固められた数字と見て間違いない。

 (3)「今年上半期の 中国工商銀行 (ICBC)と中国銀行の決算では、中国信達などの資産管理会社に不良債権を売却できたこともあり、不良債権率が低下した。

中国信達は、大手銀行のディストレスト資産の約60%を引き受けている。

大手銀行は不良債権をこのようなバッドバンクに売却でき、これによって明らかに業績が改善した。

そのおかげもあって今年は投資家から高く評価されている。だが、中国の不良債権は消えたわけではない。ただ、隠れているだけだ」

 冒頭に紹介した「日経記事」による、国有銀行の不良債権比率の低下は、資産管理会社に不良債権を売却できた結果である。

自力で実現した不良債権の減少ではなかった。

中国信達は、大手銀行のディストレスト資産の約60%を引き受けているという。

この中国信達という「救命医」が存在しなかったら、大手国有銀行は不良債権で沈没を余儀なくされる運命であったかも知れない。まさに、救命医である。

 銀行の不良債権処理は、資産管理会社だけが請け負っているわけでない。もう一つ、企業の抱える債務を株式化して国有銀行に持たせる抜け穴も利用されている。

 『ブルームバーグ』(8月21日付)は、「ゾンビ企業が生き返る、中国の債務株式化、 当初の狙い通り進まず」と題して、次のように報じられた。

 債務の株式化とは、企業の債務を株式化して銀行が所有することである。

債務(負債)が株式(資産)に姿を変えることだから、これに勝る「手品」はない。

中国政府は、この手品によって過剰債務を切り抜けようとしている。

中国政府は土地を国有化しており、地方政府はその売却益を主要な財源に充てている。

土地がカネを生む点では、企業債務が株式に変貌する「錬金術」過程と似通っているのだ。

 中国は、「窮すれば変ずる」という「易経」の精神にしたがって、全てを無原則に利用する国である。

だが、経済原則はそのように融通無碍(ゆうずうむげ)な利用が不可能である。

経済(市場)原則は合理的であり、不合理なものを排除してゆく。「易経」の世界とは異なるのだ。

中国の伝統的な思考回路は、経済原則に対して完全に背を向けるものである。

 (4)「企業のレバレッジ急増を抑制するための措置を中国政府が打ち出してから1年がたとうとしている。

ここへきて家計がリスクを背負う一方で、本来そうした措置に値しない企業が恩恵を受けているとの懸念が強まりつつある。

政府は16年10月、世界最大級に膨らんだ中国企業の債務削減の一環として『デット・エクイティ・スワップ』(債務の株式化)プログラムの指針を公表。

当初の狙いは健全な企業が有利子負債を減らすために同プログラムを利用し、肥大化した企業は排除するというものだった」

 債務の株式化は本来、企業経営が順調なケースにおいて、資産構成の健全化という主旨において行なわれる。

支払利息をはるかに上回る営業利益を計上している。そういう企業が初めて実施可能なのだ。

中国政府は、こういう前提の下で行なうと表明してきたが、実態は利息も満足に払えない企業救済策として採用しようとしている。

インチキを行なっているのだ。

 (5)「ナティクシスによれば、今年4~6月(第2四半期)に株式に転換された債務はこれまでで最大で、プログラム開始後の累計は7760億元(約12兆7200億円)規模に達した。

だが、同プログラムは常に当初の狙い通りに実施されてきたわけではない。

中国国務院は昨年10月、赤字続きながら存続している『ゾンビ企業』はこの制度に参加しないとの見通しを示していたが、ナティクシスの推計では4~6月期のスワップの55%は過剰生産に悩まされている石炭・鉄鋼業界で行われた。

スワップ(注:債務の株式化)の増加はリスクが個人投資家に移りつつあるとの懸念も引き起こしている。

ファンドがそうした株式を高利回りの資産運用商品である理財商品に組み入れているためだ。

ナティクシスのチーフエコノミスト、アリシア・ガルシアエレロ氏(香港在勤)は」家計が打撃を受けつつある』と指摘した」

 ナティクシスの推計によると、今年4~6月期における債務株式化の55%は、過剰生産に悩まされている石炭・鉄鋼業界の救済に使われた。

これでは、スワップ(注:債務の株式化)の増加によるリスクが、個人投資家に移りつつある「とんでもない」事態を懸念させるものだ。

具体的には、こうした曰く付き「株式」が、理財商品に組み込まれている。米国で2008年、リーマンショックの原因となるサブプライムローンの証券化と重なり合う事態なのだ。

 「窮すれば変ずる」という、中国の伝統思想に通じる「債務の株式化」が今後、どれだけの災害を庶民の家計に及ぼすのか。

本来は、国有企業の債務だから政府がその尻を拭うべきものである。

現実は、債務の株式化→理財商品→家計の購入という形で、庶民の懐を直撃するであろう。

これが、国民大衆の利益を最優先すべき「社会主義政府」の行なっている道である。深く憂慮するのだ。

 債務の株式化はカムフラージュ

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月9日付)は、「中国の債務株式化、実質はやはり政府主導」と題する記事を掲載した。

 昨年、中国政府が企業債務を減らすため大々的に打ち出した計画は、債務を抱えた企業が貸し手の銀行に債務帳消し目的で、株式と交換するデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)であった。

これは本来、市場原理の活用を前提とする試みとして発表されたもの。

問題は、中国の銀行が借り手の株式を持ちたがらなかったのだ。

政府はこれに業を煮やし始めている。

経済政策を統括する国家発展改革委員会(NDRC)は、政府が近々、債務の株式化計画に「産業投資基金」を投入するかもしれない、と指摘している。

 このように、債務の株式化は計画よりも遅れている。そこで政府は、財政資金を投入する準備を進めているという。

日本が「平成バブル」崩壊後、株式市場のテコ入れで「日銀資金」を投入した事態と似通ってきた。

現実の中国は、すでに「バブル崩壊」後の企業救済に移っていることを証明しているのだ。中国政府がそのように発言しないだけで、実際は「バブル崩壊後」と同じ事態になっている。

この点の認識が不可欠である。ぜひ、この点を忘れないでいただきたい。

 (6)「中国政府がこの債務株式化構想を打ち出したのは16年だ。

ガイドラインを発表したとき、政府は銀行にこうした取引を押しつけるようなことはしないと強調した。

さらに、この計画は市場原理に基づいて推進され、政府は『いかなる損失も補填しない』と述べた。

予防的措置として講じられた一つの方策が、銀行には直接株式を保有させず、株式を保有する『実施機関』を設けることだ。

こうした機関には資産運用会社や保険会社のほか、銀行自身が設立した傘下の機関も含まれる。

これらの機関は債券の発行、銀行が販売した投資商品で得られた資金など複数の資金調達手段を持っているが、アナリストによれば、現時点では政府による資金が注入される可能性もある」

 昨年、政府から発表された「債務株式化構想」では、民間資金によって企業債務を株式化するものであった。

進捗状態は遅れており、政府が財政資金を投入せざるを得ない状態である。

すでに「バブル崩壊」が起こっている結果だ。

政府が、企業の抱える過剰債務処理に乗り出さなければならない。そういう段階まできた証拠であろう。

 (7)「実際の債務軽減は遅々として進まない。新鴻基金融集団によると、7000億元相当の債務の株式化について合意ができているにもかかわらず、6月9日までに進展があったのは、その11%にすぎない。

6月に行われた金融をテーマとした会合で、信達証券(注:不良債権処理会社)のジャン・ジーガン会長は、多くの債務株式化において、借り手は最終的に銀行から株式を買い戻すことで合意しており、その実態は債券に似たものとなっていると指摘した。

これまで発表された計画はほとんどが経営不振の国営企業によるもので、政府が『ゾンビ企業』の延命を目指しているとの懸念を浮き彫りにするものだった」

 新鴻基金融集団によると、7000億元相当の債務の株式化で合意されているにもかかわらず、6月9日までに進展があったのは、その11%にすぎないという。

多くの債務株式化で、借り手の企業は最終的に銀行から株式を買い戻すことで合意している。

結局、債務の株式化の実態は、債券に似たものとなっているという。

これまで発表された計画はほとんどが経営不振の国営企業によるもの。債務の株式化とは、政府による「ゾンビ国有企業」の延命である。

 (8)「株式化した債務の大半は四大銀行の一角、中国建設銀行によって買い取られている。

同銀は7月末時点で、41企業から株式化した債務を買い取り、その総額は5442億ドルに上った。

産業投資基金の関与が盛り込まれたという事実は、中国政府がいかに切羽詰まっているかをうかがわせる。

NDRCの声明によると、同基金は、債務の株式化計画を加速するため『利得の一部を放棄』することができる。

政府は昨年の時点で同基金について言及していなかったため、この構想を策定したのは最近だと思われる、とムーディーズ・インベスターズ・サービシズのデービッド・イン氏は言う。

やはりこの方策は『市場原理』でなく『政府主導』となりそうだ」 

株式化された債務の過半は、国有4大銀行の一つである中国建設銀行が買い取っている。

その総額は41企業で5442億ドルに上がるという。

こうなると、中国建設銀行の資産内容が著しく劣化する羽目になる。

国際金融ルールから見ると、「不健全銀行」の烙印を押されるはずだ。政府は、財政資金でこれら「問題株式」を買い取らざるをえない状況に追い込まれている。

 ここで繰り返すが、中国のバブルはすでに崩壊した。

そのツケが、不良債権として金融市場に溢れているに過ぎない。

中国政府は、この事態を巧妙に隠しているが、それ故にかえって、経済の実態を脆弱化させている。

全ては、10月18日からの19回党大会後に表面化させるのだろうか。

習氏の人事が決まった後で、中国経済の恥部が洗いざらい浮上する公算もある。それまでは、「嵐の前の静けさ」であろう。

 

(2017年9月17日)


韓国のスワップは危機的状況

2017-09-17 13:57:19 | 日記

韓国のスワップは危機的状況

韓国、中韓スワップ延長を中国に懇願か?

新宿会計士

久しぶりに、心の底から呆れる報道を発見しました。

韓国と中国、通貨スワップ協定の延長を協議中=韓国中銀当局者(2017年9月13日 12:02付 ロイター日本語版より)

ロイターの報道によると、韓国の中央銀行である韓国銀行の「当局者」は、中韓間の2ヵ国間通貨スワップ協定(BSA)の延長を「実務レベルで協議中だ」と述べたのだそうです。

ただし、今のところ中国側から中韓スワップに関する報道は見当たりません。

あくまでも私の主観ですが、これは「実務レベルで協議中」なのではなく、「韓国が中国に対して懇願している最中」ではないでしょうか?

私がそう判断する理由は、昨年の日韓スワップ再開交渉を巡る韓国側の報道の過熱とパターンが似ているからです。

韓国政府担当者は、しばしば希望的観測を口にする

得てして韓国では、交渉の段階で、具体的な協議内容(というよりも韓国政府・当局の担当者の希望的観測)が、記者団にダダ漏れになってしまいがちです。

日韓スワップについてもこの例に漏れず、昨年9月末頃に、韓国のメディアから「新たな日韓スワップの規模は500億ドル程度になる」とのリークがありました(これについては私も昨年、『日韓スワップ「500億ドル」の怪』で触れています)。

おそらくこの報道の正体は、韓国の企画財政部担当者が口にした希望的観測をそのまま記事にしたものであり、日本側の財務省の裏取りなども一切なされていない代物だったのではないかと思います。

(※余談ですが、日韓スワップの再開交渉は今年1月6日に打ち切られ、今日に至るまで再開されていません。)

そのことを踏まえて、改めてロイターの記事を読んでみます。

ロイターの記事には「中韓両国は中韓スワップの延長を実務レベルで協議中」とありますが、これは、「中韓両国は大筋ではスワップの延長で合意しており、現在は実務者レベルで詳細条件を詰めている段階だ」というニュアンスだと受け取りました。

もしその意味だとすると、昨年の日韓スワップで韓国側からどんどんと先行して、「スワップ再開観測」が過熱して行ったのと、状況がよく似ています。

おそらく、今年10月10日に満期を迎えるスワップを延長するのであれば、もうそろそろ具体的な話が出て来ているべきでしょう。

それが、この段階で「実務レベルで協議中」と述べたということの背景にあると見るのは、あながち的外れではないと思います。

中韓スワップは「張子の虎」

改めて振り返っておきましょう。韓国が外国との間で締結しているスワップ協定は、2ヵ国間スワップ(BSA)が4本と多国間スワップが1本であり、米ドルに換算すれば、約1124億ドル程度です。

  • オーストラリアとのBSA(金額:100億豪ドル・9兆ウォン、約79億ドルに相当)
  • マレーシアとのBSA(金額:150億リンギット・5兆ウォン、約35億ドルに相当)
  • インドネシアとのBSA(金額:115兆ルピア・11兆ウォン、約86億ドルに相当)
  • 中国とのBSA(金額:3600億人民元・64兆ウォン、約540億ドルに相当)
  • チェンマイ・イニシアティブ・多国間スワップ(CMIM)(拠出可能額:384億ドル)

ただし、これは「米ドルに換算すれば」、という話であり、CMIMを除いて、実際に米ドルで引き出せる、という意味ではありません。

通貨・為替市場では、「どの通貨で引き出すか」が非常に重要です。

韓国が締結している4本のBSAは、いずれも相手国の中央銀行と締結しているものであり、相手国の中央銀行から通貨を引き出した場合、それを外国為替市場で米ドルなどに両替しなければ、使い物になりません。

そして、オーストラリアを除く3ヵ国の通貨は、いずれも国際的な市場では使い物になりません。

インドネシア、マレーシアともに通貨市場の規模は小さく、BSAに基づいて相手国通貨を引き出したところで、それをドルに両替しようとすれば、両国の通貨の暴落を招きます。

さらに、中国の通貨・人民元の場合、中国本土では本土人民元(CNY)の米ドルへの両替を中国人民銀行が厳格にコントロールしており、人民元を引き出したところで、それを米ドルに両替できるという保証はありません。

また、最近では人民元は香港、東京、ロンドン市場などのオフショアで流通していますが、いずれも市場規模が小さく、人民元を一気に米ドルに両替しようとすれば、オフショア人民元(CNH)の価値が暴落します。

張子の虎も破棄されれば痛い

以上から、韓国が想定している使い方(スワップで引き出した人民元を市場で米ドルに両替すること)は事実上不可能であり、韓国にとっては全く意味がない、使い物にならないスワップなのです。

(※もっとも、人民元建てのBSAは、中国からの輸入代金に人民元決済を使っている場合など、役立つ場合は皆無ではありませんが、その場合、3600億元ものスワップは必要ないでしょう。)

ただし、金融の素人から見れば、「為替換算して540億ドルを超える」という金額は、たしかに魅力的です。

いわば、この540億ドルは「張子の虎」、「絵に描いた餅」ですが、それでも投機筋からの攻撃に対する「気休め」程度にはなっていました。

ということは、その540億ドルを破棄されれば、韓国が保持するBSAの7割以上が一気に失われる格好であり、投機筋に対しては「今が韓国の通貨を空売りするチャンスですよ~」というメッセージになります。

通貨暴落の具体的プロセス

韓国は厳格な資本コントロールを行っているため、韓国の通貨の暴落が始まるとしたら、現実にはオフショアのNDFの売りからスタートするのではないかと思います。

ただし、NDF市場が崩落すれば、その影響は実体経済に及びます。

具体的には、外国人投資家の資金が逃げるため、株式債券もセットで売られ、株安・金利上昇・通貨下落の「トリプル安」となることが想定されます(いわゆるキャピタル・フライト)。

ただし、本当に怖いのは、株安でも金利上昇でもありません。「外債のデフォルト」です。

韓国の銀行は外国の銀行や機関投資家から、貸出金・債券の形で、相当多額の資金を調達しています。

その金額は日本円に換算して、40兆円少々ですが、これは韓国当局が公表している外貨準備の額とほぼ等しい金額です。

しかし、韓国の外貨準備高については、少なく見積もっても75%が不良資産であると考えられるため(このあたりの詳細は『韓国の外貨準備の75%はウソ?』に書きましたのでご参照ください)、

キャピタル・フライトが発生した時に自国通貨を買い支えるための外貨準備がすぐに底をつく可能性があります。

CMIMは約100億ドルまでIMFの介入なしに引き出すことができますが(いわゆるデリンク条項)、キャピタル・フライトの前には100億ドルなど「焼け石に水」です。このため、韓国はオーストラリアのスワップ(100億豪ドル)を引き出してすぐに米ドルに両替し(約80億ドル)、それでも足りなければインドネシア、マレーシアとのスワップを引き出して両国を通貨安の道連れにし、それでも足りなければ、

  • CMIMから残額を引き出す(つまりIMFの介入を招く)か、
  • 中国に頭を下げてCNYを引き出して米ドルと両替してもらうか、
  • それとも日本に泣きつくか、

という流れです。

日本は絶対に助けるな!

財務省の日韓スワップロジックの詭弁』でも指摘しましたが、韓国経済が破綻に近づけば、それなりに日本企業にも影響は出てきます。

しかし、それと同時に、アジア諸国では国家破綻など普通に考えられる話であり、個別の民間企業が韓国についてもカントリー・リスクをきちんと評価し、リスク管理しているべき筋合いのものです。

財務省、あるいはマス「ゴミ」あたりから、「財務省の外為特会から韓国への緊急融資を行え」といった議論が出てくることを、私は一番警戒しているのですが、これについては麻生太郎副総理兼財相がキッチリと〆てくれることを期待したいと思います。