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米国、G20控えて中国に総攻勢

2017-07-02 10:49:43 | 日記
米国、G20控えて中国に総攻勢

7/1(土) 13:04配信

ハンギョレ新聞


米国、G20控えて中国に総攻勢


丹東銀行


「人身売買最下位等級」に続き 丹東銀行に電撃制裁 習近平主席との会談控え 北朝鮮核・貿易交渉で機先制圧

米国のドナルド・トランプ政権が29日(現地時間)、中国の丹東銀行を「マネーロンダリング憂慮機関」として名指ししたのは、来週の主要20カ国(G20)会議を契機に開かれる米中首脳会談に向けた高強度圧迫の性格が濃厚に見える。

最近、中国を最悪の人身売買国家に降格させたのに続き、北朝鮮核および貿易問題の交渉で有利な立場に立つための機先制圧用措置と見られる。

まず、米財務省が丹東銀行をマネーロンダリング憂慮機関に指定した過程を見れば、両国の激しい力比べが見える。

米国は、丹東銀行が北朝鮮企業の“不法”金融取引を助けた疑惑を捕らえて、昨秋から中国が自主的に措置するよう要求していたという。

昨年9月、丹東鴻祥グループが米国の圧迫により中国当局の自主調査を受け、一時鴻祥グループが丹東銀行の株式持分を保有していたことが分かった点を考慮すれば、それは概略昨年9月前後だったと推定される。

だが、中国が自主的な処罰を拒否すると、米国行政府が“刃物”を持ち出したという。

ワシントンのある消息筋も「今回の措置について、中国との事前調整ははしなかったと理解する」と明らかにした。

そうした点で“力対力”の対決になった今回の措置は、今後の米中関係に深い沈殿物を残しかねない。

また今回の措置は、米国政権内で中国の“消極的な”対北朝鮮圧迫に対する不満が高まっていることと関係がなくはない。

トランプ政権は、北朝鮮核問題と関連して「最大の圧迫と関与」政策を展開すると公言してきたが、先に圧迫するしくみが作動するには中国の協力なしには不可能だ。

だが「最大の圧迫と関与」政策について、最近の公式ブリーフィングで「成果はいったい何か」という記者たちの批判的質問が頻繁になった。

トランプ政権関係者たちも非公式の集いでバラク・オバマ行政府の対北朝鮮政策である「戦略的忍耐」と変わりがないという事実を認め始めたという。

トランプ政権の立場としては、成果を見せなければならないという焦燥感が生まれ、中国を一層固く締めつける必要性を感じざるをえない。

今回の措置は、中国本土の銀行に対する米国の最初の制裁という点で象徴性が少なくない。

そのうえ、米国が2005年9月にマネーロンダリング憂慮銀行に指定した「マカオ バンコデルタアジア」(BDA)銀行事態と手続き的にも似ている。

当時の指定根拠も、丹東銀行と同様に愛国法第301条であった。BDAはマネーロンダリング憂慮対象指定の後、預金の大量引出事態が起き、北朝鮮関連口座を凍結した。

丹東銀行でも大量引出事態が発生する可能性がある。

ただし、丹東銀行の北朝鮮関連資金取引量は具体的に明らかにされていない。

北朝鮮が「BDA学習効果」により現金輸送方式に変えたり、代案的金融網を構築しているならば、実質的な打撃はないという見通しもある。

また、丹東銀行が1993年に地域信用協同組合として創立され、97年から銀行に転換された小規模地域銀行であるだけに、米国との取引は多くないだろうという分析も出ている。

実質的効果は別にして、中国に投げるメッセージの効果は小さくなく見える。

米国は最近数日間、休む間もなく中国を追い詰めている。

27日には中国の脱北者送還と北朝鮮海外労働者の雇用を理由に、中国を人身売買最下位等級国に降格させた。

29日にはトランプ政権になって初めて台湾に対する兵器販売も承認した。

これに伴い、来週のG20会議を契機に開かれる習近平中国国家主席との首脳会談では、両国間に激しい綱引きが予想される。

北朝鮮核問題以外にも、7月16日には4月に米中首脳が合意した「米中貿易・投資不均衡解消100日計画」が満了する。

米国はその時まで貿易・投資分野で中国からより多くの成果を勝ち取るために圧迫を強化する必要がある。

米中の力比べ過程が臨界点を超えれば、北東アジア情勢が悪化しかねない。

北朝鮮が米国の措置に反発し、緊張高揚行為をすることもありうる。逆に、取引と結果指向のトランプ政権が所期の目的を達成すれば、両国関係が再び縫合されることもありうる。


トランプ大統領「直ちにFTAの再交渉を始める」…“通商における不公正”を強く批判

2017-07-02 10:38:45 | 日記
トランプ大統領「直ちにFTAの再交渉を始める」…“通商における不公正”を強く批判


7/2(日) 6:46配信

ハンギョレ新聞


韓米FTA再交渉を事実上公式化   「米国貿易赤字、110億ドル増加」 自動車・鉄鋼における不公正の解決などを含む 「両国の互恵的交渉に努力」への合意を示唆 貿易収支の管理など説得努力が水の泡に 一部では「今年中に再交渉を開始」との見通しも

ドナルド・トランプ米大統領が30日(米現地時間)開かれた韓米首脳会談で「私たちは韓国と直ちに(再交渉を)始める。

私たちは(貿易赤字が)続くことを容認できない」として、韓米両国間の貿易不均衡を正すための韓米自由貿易協定(FTA)再交渉に着手することを事実上公式化した。

彼は首脳会談前に行った冒頭発言でも、「私たちはこれから貿易交渉を再度行う。公平な交渉になることを望んでいる。それは、双方にとって公正な交渉になるだろう」と述べ、韓米自由貿易協定(FTA)の再交渉を強く示唆した。

トランプ大統領はまた、「(韓米FTA)貿易交渉は米国にとって不当な交渉だった。

しかし、これからはかなり違うだろう。私たちは米国の労働者にとっていい交渉になることを望んでいる。

韓米両国にとっても互恵的であろう」と話した。彼は首脳会談直後、ホワイトハウスのローズガーデンで開かれた共同マスコミ発表でも「(2012年韓米FTAの発効後)韓国に対する米国の貿易収支の赤字幅が110億ドルも増加した」とし、「韓米FTAは成功的とは言えない」と強く批判した。

トランプ大統領は特に、韓米自由貿易協定を含め、両国における貿易懸案の問題を共に解決していくことで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と合意したと強調した。

彼は「(文大統領と)米国に輸入されている韓国産の鉄鋼製品のダンピング問題をともに解決することにした」とし、「(両国が)共に努力して公正な交渉になれるよう努力することにした」と述べ、再交渉を両国の間に事実上合意されたものとして受け止めていることを覗わせた。

韓米FTAの再交渉が目の前の問題として現実化したことで、韓国の通商当局にも緊張が走っている。

これまで通商専門家らはトランプ政権が再交渉に乗り出すとしても、来年下半期以降に始まるもの予想してきた。

米通商当局は今年8月に北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に突入する予定だが、同交渉は来年下半期に終わる可能性が高く、韓米FTAをめぐる再交渉はそれ以降になるものと思われてきた。

しかし、同日、トランプ大統領が「私たちはこれから貿易交渉を再度行う」と攻勢をかけたことで、NAFTAの再交渉と韓米FTAの再交渉が同時進行される状況もあり得るとの見通しも示されている。

今年1月のトランプ政権発足以来、韓国の通商当局や貿易協会は積極的な「アウトリッチ」(out-reach)活動を展開し、韓米FTAの再交渉を避けるため、米国側を多方面から説得してきた。

トランプ政権をけん制する米議会とワシントンの主要シンクタンク及び経済団体などに対し、韓米FTAって両国に“相互互恵的”であることを説明してきたのだ。

また、トランプ大統領が繰り返し言及してきた対米貿易黒字の規模をできるだけ減らす貿易収支管理を通じて、米国を“なだめる”のに力を入れてきた。

実際、今年に入って米国に対する韓国の貿易収支の黒字は目に見えて減っている。

1~5月までの累積対米貿易収支黒字は69億2千万ドルで、前年同期に比べ40億1千万ドルも減少した。昨年の年間対米貿易収支の黒字減少額(25億6千万ドル)をすでに大きく上回っている。米国産製品の月別輸入額はトランプ大統領が当選した昨年11月以来7カ月連続で増加している。

しかし、韓国側のこのような様々な努力にもかかわらず、トランプ大統領を説得するための努力は水泡に帰した。

むしろトランプ政権が予想に反して急いで攻勢に乗り出したことで、韓国の通商当局は直ちに韓国の輸出業界の利益をでいるだけ守りながら、“新たな利益バランス”を見出さなければならない、険しい再交渉を余儀なくされることになった。

一方、今回の韓米首脳会談の共同声明で、両国は投資とビジネスの増進に向けた産業協力の対話チャンネル▽情報通信技術(ICT)など先端分野の協力に向けた高官級経済協議会▽官民合同フォーラムなどを活用し、多様かつ互恵的な経済協力の機会を発掘することにした。

特に、両国は公正な市場競争の環境作りに向けて、鉄鋼過剰設備の削減および非関税貿易障壁の減少を共に目指していくことにした。

試練に晒されている文大統領の外交

2017-07-01 15:50:42 | 日記


2017年06月26日 10:55国際

試練に晒されている文大統領の外交


日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)

お断りしておくが、私はプロの政治評論家ではない。今回は、一般市民の目線で、韓国外交はどのような方向に進もうとしているのかを書いてみたい。

外交の世界では、国力が物を言う。韓国のように世界列強に挟まれていては、外交は甚だ難しい。

それに、いつの時代もそうであったように、外交というのは、表向きにはいろいろな理屈はあっても、結局は自国の利益を優先することになる。

現在、世界各国はそれぞれ大きな課題を抱えていて、露骨に自国の利益追求に躍起になっている。

そのような状況のなかで、韓国に課された外交課題は、北朝鮮の核開発の中止、THAADミサイル配備に関する決定、慰安婦問題の円満な解決などであろう。

まず、韓国の国内事情に触れておこう。去年10月ごろから文大統領が就任するまで、韓国の政治には空白があった。

今、1つずつ明らかにされているが、常識では考えられない国政介入、不正と不透明な意思決定が前の政権では行われていた。

たしかに韓国は、普通なら100年くらいかかる経済成長を30年という短い期間に成し遂げた国である。しかし、高速成長がもたらした社会のさまざまな弊害が、今まさに噴出し始めている。

筆者の世代は、親の世代の苦労もよく知っていると同時に、親の世代の問題もよく知っていて、それを変えたいという問題意識を持った世代である。

経済が大事であることには間違いないが、経済発展のためにすべてが犠牲になるべきではないと考えている。

経済成長が少し遅れることになっても、このあたりで韓国社会を改造しないと、韓国に未来がないと思っている。

朴前大統領に対する弾劾は、旧時代に対する弾劾でもある。

今回、ろうそくデモを主催したのは、民労組という極左団体であるという指摘もあるが、今回のデモを通じて国民は極左の主張に賛成したわけではなく、新しい時代の到来を希望したのだ。

日本のマスコミでは、国民の感情に流されて朴大統領が弾劾されたという主張も見られるが、それは事実をあまり知らない話である。

また、日本のマスコミでは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を親北と決め付けているが、実際は少し違うような気がする。

文大統領は、貧しい家庭で生まれ、人権弁護士という道を歩んでいたため、経済的にはそれほど恵まれなかった。

特権意識や優越感で人の意見を聞こうともしない前大統領とは対照的で、そのような側面が国民に大いに受けたかもしれない。

文大統領は盧大統領の秘書室長として国政に深く関わった経験もあって、その経験が有効に活かされることを国民は期待しただろう。

文大統領は人の意見を傾聴し、よく考えてから行動に移すタイプである。弁護士であったため、人の話を聞いて判断する能力に長けていて、頭も明晰なようだ。

しかし、そのような文大統領にとっても、外交問題は大きな試練になるだろう。ところが、日本のマスコミが伝えているように、北朝鮮一辺倒ではない。

このあたりを日本人に理解してもらうことは、並大抵のことではない。


韓国国内でも北朝鮮に対して下手な発言をすると、すぐ北朝鮮に同調する勢力として罵倒されることもあるので、意見を言うのも、慎重にならざるを得ない。

韓国国内だけではない。北朝鮮問題の解決をめぐっては、各国の立場も少しずつ違う。

しかし、冷静に考えてみてほしい。問題解決の大原則の1つに、人間は自分を変えることはできても、他人は変えられないというのがある。

すなわち、問題の解決に外部に頼るのではなく、当事者同士で解決するのが早道であると考える人たちがいる。

北朝鮮を敵だとしか思わない韓国の保守勢力にとっては、このような思想は危険極まりない思想である。

北朝鮮が好きで助けるのではなく、戦争を抑制し、結果的に平和をもたらすために北朝鮮を刺激しないようにしようということなのに、場合によっては、それは大きな誤解を生む。

北と南の違いは認め、それぞれが別の体制を維持しながら、1つの国にしようという金大中元大統領の主張もあった。

このような主張をすると、韓国ではすぐ親北勢力と決め付けられる。今の文大統領もどちらかというと、このような思想を持っていて、一方的に北の肩を持つものではないと思っている。

それでは、北朝鮮の立場を考えてみよう。

金正恩は核兵器を手放すと、自分は相手にされないと思っているに違いない。

どんなことがあっても、体制維持のために核開発は止めないだろう。

米国の立場はどうだろうか。

米国にとっては、北朝鮮は脅威でも何でもない。

しかし、北朝鮮の存在が東北アジアの緊張を高めることによって、米国は武器の販売にもつながるし、存在感も高められる。

韓国にとっては、米韓同盟は防衛の要で、大事である。

しかし米国は中国を牽制するために、韓国の防衛にはあまり関係のないTHAADミサイルを韓国に配備しているのも事実である。

一方、中国との武力衝突をちらつかせ、武器などを販売しながら、一方で米国は中国とは実益を重視した外交を展開しているのも事実である。

このように外交は、自国の利益を優先する場である。
 
中国の立場はどうだろうか。

中国は米国を刺激しないようにしながらも、常に米国を追い越すための努力を続けていくだろう。

中国は、米国に動きが把握されることだけは避けたいので、韓国にTHAADミサイルが配備されることも強く反対するだろう。

中国にとって大事な国は米国であって、韓国とか北朝鮮ではない。

どちらに統一されても、自分の配下におけるだろうと中国は判断しているようだ。

最後に、日本の立場はどうだろうか。

日本は米日同盟を鮮明にしている。今現在、日本として選択できる最善の方法であろう。

しかし、防衛ではそうあっても、他の面では近隣国家である中国、韓国とも、もっとうまく付き合う必要があるだろう。

日本のマスコミでは、中国経済崩壊のような記事が散見されるが、日本が衰退することはあっても、中国が崩壊することはないと思っている。

日本の物差しで相手を判断しては、相手を正しく見ることはできない。

日本は、華やかな過去を持っている素晴らしい国であることは認める。

しかし、日本の物差しで相手を判断していては、相手と親しくなれないし、それは共存共栄ともほど遠い道である。

慰安婦問題で筆者の意見を言うならば、韓国政府は日本のお金をもらうべきではなかったし、もう少し国民の意見も聞くべきだった。

韓国で問題されているのは、合意のプロセスの不透明さである。日韓関係の足かせになっている慰安婦問題が、早期に解決されることを願ってやまない。

(了)

韓国、「原発廃止表明」原理主義と独善で唖然「電力対策」欠く

2017-07-01 11:59:16 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


2017-06-30 05:00:00

韓国、「原発廃止表明」原理主義と独善で唖然「電力対策」欠く

文大統領の「関白宣言」!?

事実をねじ曲げたウソ発言



文在寅大統領はまた、野党にも相談なく原子力発電所の廃止宣言を出した。原子力発電所が問題含みであることは事実としても、国民の合意がなく一方的に廃止宣言するのは民主政治のルールに反する。

少数与党の韓国政府は、原発廃止宣言を実現できるのか。その具体的な見通しはゼロである。


文在寅氏は、日本の民主党政権を率いた鳩山由紀夫氏と、その政治スタイルが酷似している。

理想を追い求めるのは結構だが、それを実現する手法を持たずに、ただ闇雲に突っ走るだけである。

大統領府に政治経験ゼロの「86世代」を引き入れて、理想論だけを言い立てている姿は、鳩山氏を彷彿とさせる。


鳩山氏は、沖縄の基地移転で大ミソをつけた。安全保障上に占める沖縄の役割を忘れて、人情論で対応したからだ。

文在寅氏も同様である。THAAD(超高高度ミサイル網)設置の必要性が分からず右往左往している。鳩山氏の挫折は、文氏のそれを暗示している。


文大統領の「関白宣言」!?

『朝鮮日報』(6月20日付)は、「脱原発は任期5年大統領が勝手に決められる問題でない」とする社説を掲げた。

韓国大統領府は、全閣僚が決まらない段階で次々と重要な決定をくだしている。

THAAD(超高高度ミサイル網)の稼働先送りによって、米国との外交関係は急速に冷え込む前兆を見せているのだ。

これに次いで、今回の原発廃止である。

理想論から言えば、原発事故が起きた時の被害額が大きいことを考えれば、廃止するという結論もあろう。だが、国民の合意が前提である。

少数与党でしかも文氏は大統領選で4割強の得票率に過ぎない。この事実を棚上げして、一方的に「原発廃止宣言」は横暴である。

まさに、文氏自身が自戒してきた、「原理主義」と「独善」にとらわれた行動である。


(1)「文在寅大統領は19日、釜山広域市機張郡の古里原子力発電所1号機の永久停止宣言式に出席した際、『新規の原発建設を白紙化し、設計上の寿命を迎えた原発の運転延長もしない』とした上で、『脱原発の時代に進んでいく』と述べた。

文大統領は『慶州地震によって韓国も地震の安全地帯ではないことが確認された』とも述べたが、これについては当然多くの国民が同意しただろう。

文大統領の言葉通り、韓国は国土面積当たりの原発密集度が世界トップで、古里原発から半径30キロ以内にはおよそ380万人が居住している」

文大統領は、「スタンドプレー」が大好きのようだ。目立ちたがり屋である。

古里原子力発電所1号機の永久停止宣言式という舞台を利用して原発廃止宣言をした。

格好はいいが、原子力発電の穴をどうやって埋めるのか。その場合の電力料金はどの程度上がるのか。

それが、企業と家計のコストをどれだけ引き上げるのか。

こういった諸点を議論する場を、どのように開くのか。きめ細かい議論が欠かせないのだ。それもなく、「格好」をつけた議論だけが先行している。

(2)「韓国はエネルギーの97%を海外から輸入しており、年間のエネルギー輸入額は1600億ドル(約18兆円)を上回る。

そのような中で原発は電力原価の中で燃料代が占める割合がわずか2%と安く、年間8億ドル(約900億円)の輸入ウランで国全体に必要な電力の30%を賄うことができる。

原子力発電は気候変動対策や大気汚染の解消にも非常に有効だ。

文大統領は、『石炭火力発電所についても新規建設を中断し、老朽化した10基は任期中に閉鎖する』とも述べ、その代替として天然ガスを使った発電所を増やす考えを示した。

現在、韓国における原発と石炭火力の割合は発電量全体の70%を占める。

原子力を全て天然ガス発電で賄うには、液化天然ガス(LNG)を今よりも19兆ウォン(約1兆9000億円)分追加で輸入しなければならない。現時点で風力や太陽光だけで大量のエネルギーを賄うことはできないからだ」

韓国は、産業用電力料金が割安に決められている。

輸出工業を奨励する意味も含められてきた。

電力発電コストだけを比較すれば、原子力発電が優位であることは疑いない。欧州が原発を廃棄することで、当面の電力料金が跳ね上がっている。

ただ、原発の廃棄コストまで計算に入れたトータル・コストは極めて高くなる。


韓国の国内製造業は、割安な電力料金設定で支援されている。

原発廃止が、韓国の産業構造に大きな影響を与えるはずだ。雇用問題へも飛び火する。

現在の韓国経済において、喫緊の課題は雇用問題の解決である。国内の製造業が成り立たないケースが発生すれば、原発廃止が雇用問題に水を差すのだ。

(3)「文大統領の任期は5年だが、これは考えようによっては非常に短いため、大統領として決められることと決められないことがある。

脱原発や教育政策など国の根幹あるいは方向性に関わる問題は、5年の任期しかない大統領が自らの一方的な考えや偏見で決めるべきことではない。

任期中にたとえ力で押し通したとしても、5年後に再び見直されることも当然考えられるだろう。

もし今後原発や石炭への依存度を下げた場合、現状では何によってそれを賄うかというロードマップさえない。

いきなり脱原発を宣言はしたものの、これは政治的な発想によって実現できる問題ではない。

今政府では原発に強く反対する市民団体の活動家だった人物が何人も要職を占めている。つまり一方的な偏見を持った人物が国の政策を決めているということだ」。


原発の存廃問題は、文政権5年間で形がつく問題でない。

文政権がなすべきことは、広く国民に議論する場を提供することであろう。一方的に、少数与党の「共に民主党」内だけの結論を国民に押しつけることは、原理主義と独善主義の典型例である。


事実をねじ曲げたウソ発言


『朝鮮日報』(6月20日付)は、「文大統領の脱原発演説に専門家から異論」と題して次のように報じた。

(4)「文大統領は19日、最近の慶州地震に見られるように、韓国はもはや地震の安全地帯ではないことから、脱原発すべきだと主張した。

これに対しソウル大学原子核工学科の黄一淳(ファン・イルスン)教授は、『韓国が地震の安全地帯ではないという点は事実』と述べつつも『昨年の慶州地震はマグニチュード5.8で、韓国の原発の耐震設計範囲に収まっている』と語った。

もともと韓国の原発はマグニチュード6.5の地震に耐えるよう設計されている。

その後、2011年の東日本巨大地震に伴う福島第一原発の事故に鑑みて、新設される原発はもちろん、既存の原発についてもマグニチュード7.0に耐えられるよう補強工事を行った」

韓国では、昨年9月12日、慶州(キョンジュ)で発生したM(マグニチュード)5.8の強震のあと、今年の4月にM2.2の地震が連続して発生した。

これは昨年9月の余震と説明されている。

4月の余震は、週末ごとに起こるので、住民の不安を高めた。ただ、韓国の原発はM7まで耐えられるように補強工事を行なったという。専門家は、その面で安全であると保障している。

日本では、一時期の原発廃止論から、徐々に再稼働への動きを見せている。

原発廃止派からは厳しい批判を浴びているが、国民世論は容認へと傾いている。

世界最大の被害を出した日本だけに、原発批判が根強いのは当然である。

ただ、その不安を上回る安全対策がとられれば容認しても良い、とする見方も増えている訳で、最終的な判断は難しいものだ。


韓国が、一刀両断で大統領が廃止と言ったから廃止する。そういう簡単な問題でないことだけは事実だ。

余りにも乱暴な発言という批判が出ても致し方あるまい。科学的な議論を飛び越えた、感情論だけでの「原発廃止論」である。


(5)「文大統領が、『福島原発の事故で2016年3月現在、1368人が死亡した』と言及したことをめぐっても、誤解される面があるという指摘が出た。

『1368人死亡』は、昨年3月6日の東京新聞による報道だという。ソウル大学の朱漢奎(チュ・ハンギュ)教授は、『記事に出てきた死者の95.5%は、避難後にストレスで健康が悪化した60歳以上の人物で、67%は80歳以上の高齢者だった。

福島の原発事故現場において、放射線被ばくによって死亡した人は一人もいない』と語った」


文大統領は、原発廃止論の理由の一つに、日本の原発犠牲者が1368人にも上がったと指摘している。

実は、これが誤りだと韓国でも指摘されている。奇跡的に、放射能による死者は1人も出ていないのだ。ただ、この事故を悲観して命を自ら絶つという悲劇は発生した。


結局、文大統領の原発廃止論として掲げた2つの理由である、

①地震への対策と,

②日本での放射能被害者数の間違いは今後、論争の的になろう。

「原理主義」と「独善」に基づく原発廃止論が俎上に乗るのだ。


『中央日報』(6月20日付)は、「電力対策が抜けた文在寅政府の脱原発宣言」と題して次のように報じた。


文氏は、大統領になれば好き勝手に自己の信念を実現できると思っている節がある。

今回の「原発廃止宣言」はその最たるものであろう。人間は誰でも大統領の椅子に座ると、ここまで舞い上がってしまうのか。

そういう危惧の念を持たざるを得ない。もう少し、「権力の魔力性」に気づき自重すべきだ。

(6)「文在寅大統領が19日、『脱原発』方針を公式化した。この日の発表は文大統領の大統領選候補時代の公約を再確認したものだ。

文大統領は大統領選挙中、『40年後に原発ゼロ国家を達成』という公約で掲げ、新規原発建設中断および計画白紙化、脱核エネルギー転換ロードマップ樹立--を約束した。

しかし『脱原発』のためには増える費用負担問題を解決しなければいけない。この日の文大統領の発表には『脱原発』宣言だけがあり、電力需給対策の青写真はなかった」


文氏は、「脱原発」を宣言したが、具体的なその実現へのロードマップの発表はなかった。革新派メディアの『ハンギョレ』も国民合意を言い出すほど、実現のほどに懸念を持っているのだろう。

(7)「原発は最も費用が安い発電方式だ。韓国水力原子力によると、1キロワット時あたりの電力生産単価は原発が68ウォン、石炭火力が73.8ウォン。

一方、LNG発電(101.2ウォン)・再生可能エネルギー発電(156.5ウォン)は多くの費用がかかる。

発電費用がかかれば電気料金は高くなるしかない。 原発は発電コストが低いが、放射能などが流出する事故が発生すれば人間と自然に深刻な影響を及ぼす。

2011年の大地震で原発爆発事故を経験した日本の惨事が代表的な例だ」

文大統領は親環境エネルギー税制の整備、エネルギー高消費産業構造の改編、産業用電気料金の引き上げなどを代案として出している。

だが、電力料金はどの程度上がるのか。その際、産業や家計への影響がどのように出てくるのか。

それをはっきり「見える化」することであろう。むろん、原発への安全投資をどれだけ行なうか。そういった、総合的な試算を出して国民に問うべきであろう。

その点で、全くの唐突な原発廃止論の発表だ。

当然、韓国国内が動揺するという予測がつかなかったとしたならば、大統領は失格である。

ただの、目立ちたがり屋のスタンドプレーと蔑まされるだけであろう。

チョン・ボムジン慶煕大原子力工学科教授は、「電力の安定的供給という側面で緻密な計画を立て、電気料金引き上げの可能性などの現実を国民に知らせるべきだ」と指摘している。その通りであろう。


韓国の丁世均議長が大放言! 「平昌五輪、日本人観光客少なかったら東京五輪に1人も行かせない」

2017-07-01 11:37:21 | 日記
産経

2017.7.1 05:00更新


韓国の丁世均議長が大放言! 「平昌五輪、日本人観光客少なかったら東京五輪に1人も行かせない」

「日本企業は韓国の若者を引き受けろ」…大島理森衆院議長らと会談で

韓国国会の丁世均(チョンセギュン)議長が6月7日に来日し、8日に大島理森衆院議長らと会談した際に、

2018年平昌冬季五輪への日本人観光客訪問を求め、「もし少なかったら2020年東京五輪には1人の韓国人も行かせない」と述べるなど、

不規則発言を繰り返して現場を混乱させていたことが30日、複数の同席者の証言で分かった。

それによると、韓国与党、「共に民主党」幹部でもある丁氏は会談冒頭から「昨年は今回のような招待がなかった」と日本側の対応に不満を漏らした。

その上で韓国の経済状態がよくないことを指摘し、「日本は景気がいいのだから、査証(ビザ)を簡素化して、韓国の若者を日本企業で引き受けてほしい」と要求した。

また、弾道ミサイル発射実験を繰り返すなど北朝鮮情勢が影響し、訪韓する日本人観光客が減っていることを「よくない」と指摘。

「平昌五輪に日本人観光客がたくさん来るように努力してほしい。もし少なかったら、東京五輪には1人の韓国人も行かせない」と言い放ったという。

さらに歴史問題にも言及し、先の大戦で旧日本軍の兵士・軍属として終戦を迎え、いわゆる「BC級戦犯」とされた韓国人への戦後補償についても「ちゃんとやってほしい」と取り組みを求めた。

丁氏は、その後に安倍晋三首相を表敬訪問した際にはこうした問題は持ち出さなかったが、外務省関係者によると、日本側に事前に国際常識から外れた要求をしてきたという。

韓国の文喜相(ムンヒサン)大統領特使が5月18日に安倍首相を表敬訪問したときには、

首相が座った椅子が文氏の椅子とデザインが異なり、若干大きかった。

これを気にした丁氏サイドが「首相と韓国議長の椅子を同じものにしてほしい」と要請してきたため、丁氏表敬時には同型の椅子を用意した。

安倍首相と丁氏が「同格」であると演出する狙いがあったとみられるが、

外務省関係者は「韓国大使館から杉山晋輔事務次官にまで『椅子をなんとかしてほしい』との電話がかかってきた。

理解不能な反応だった」と話している。