プロ野球の先発投手が、今日投げたとして、次にいつ投げるかを、間の日の数で
- 中6日(なかむいか)・・・・これが日本の標準(終盤の上位チームならこの限りにあらず)
- 中4日(なかよっか)・・・・これがMLBの標準(1試合で100球前後に制限しているが年間試合数が多い)
などと言います。
年間試合数、登板数、投球数を考慮した比較表です。
日本でも、100球を過ぎると交代を考え始めることがありますが、120球投げると仮定しても、上の表のように年間投球数では、日本はMLBの75%に過ぎません。
さらに日本がMLBの年間投球数と同じだけ投げるには、1試合に160球投げることになりますが、これは高校野球ならいざ知らず、プロ野球ではまずないでしょう。
日本では「試合前の練習で投げすぎる」という声があるのでこれを加味してみましょうか。
日本でMLBの年間投球数と同じだけ投げるとすれば、練習で88球も投げ、試合で120球も投げることになります。これもまずない数でしょう。
最後に、1試合100球に制限し、日本の方が練習で多く投げると仮定した日米の比較をすると・・・・。
試合前に66球を投げ、MLBと同じ100球を投げるとすると、年間で日本ではMLBの80%となっています。
結論
- プロ野球の投手の投球数:MLBのほうが年間投球数は多い。
- 高校野球の投手の投球数:おそらく日本が多いと思われる。
一般的に、日本では20歳前に投げ過ぎ、MLBでは20歳以降で投げ過ぎ。
改善点
MLBでは原則中6日にするべきでしょう。
2014/09/11現在、MLBで勝星が多かった田中将大(NYY)とダルビッシュ(TEX)の両方が故障者リストに入っており、その他米国人投手も肘の手術者が多いこと、ダルビッシュがMLBオールスター戦前に提言したこともあり、2015年度からは中6日を取り入れるMLB球団があらわれるだろう、と予想しておきます。
もちろんその場合、選手の新規年俸にも影響を与えることでしょうから、球団もその対策を鋭意検討中かと思われます。中6日が年俸高騰の歯止めになるかどうか、見ものです。ただし故障者が少なくなれば、故障者リストに入って歩留まりが悪くなるよりは、マシかも知れません。
- ダルビッシュが所属するレンジャーズ(TEX)は、今(2014/09/11)現在ア・リーグ西地区最下位にあり、今期は絶望的なので、故障明けになるであろうダルビッシュを無理に投げさせる必要はない。来年に期待している若手に投げさせるべきでしょう。
- 田中将大が所属するヤンキース(NYY)は、今(2014/09/11)現在ア・リーグ東地区3位で20試合程度を残して11ゲーム差では望みがなく、またワイルドカード選出(奇数地区分割ゆえに各地区2位のうち最高の勝率球団も優勝決定戦へ)でも現在勝率が4位とほぼ絶望的なので、田中将大も無理に投げさせることはないでしょう。
ということはダルビッシュも田中将大も、ひょっとしたら調整登板があるかも知れませんが、もう投げる姿を見ることができない、と考えておくのが無難でしょう。
日本では高校野球の投手の投げすぎを制限する何らかの規則を作らねばならないでしょう。
しかしそれでなくても部員数が少なく、まともな投手が一人しかいない高校もあり、予選からほとんど一人で投げ続けているところからは強く反対されるでしょう。
さらに制限が出来れば、ますます中学生の青田刈りが進むと考えられるので、これにも何らかの制限が必要。
どうやら、高校の営業努力つまり金儲け至上主義が高校生投手の寿命を縮めていたようで、高校野球側には投手が卒業したら高校には責任がない、肩やヒジのケガをしないのが一流への道だ、という無反省の信仰があったようです。
日本のプロ野球界では、ずっと「読売さえ儲ればいい」という雰囲気がありました。高校野球でも「たくさんの投手を用意している有名高校だけが優遇されている」としたら、それは極めて憂慮すべき事態です。
高校生投手に制限を加えると、逆に有名校が有利になるかも知れませんが、できるだけ公平になるよう、いい案をひねり出したいものです。
待っていられません。一刻もはやく改善しましょう。
MLBで心配な投手は
ヤンキースの黒田と、シアトルの岩隈が故障しないかが、心配になってきました。
最後に、
中6日の日本ですが、2014/09/11現在セ・リーグ5位の中日ドラゴンズが本当に「中6日」かどうか(笑)を検証してみました。期間範囲は 2014/08/29-09/10。
成績が芳しくない球団を調べても意味がありませんが、山井が8/30、9/6と中6日でした。しかしこれは例外で、雄太(ゆうだい)が8/24、9/7の中13日、そのほかは来年度を見すえた投手起用でしょうか。
やはり現在首位の球団で述べないと説得力を欠くというもの。検証範囲は 2014/08/28-09/10。
セ・リーグで首位を走っているのが読売。
沢村が08/28、09/04で中6日、内海が08/29、09/05と中6日、杉内が09/02、09/09と中6日。
勝っても負けても3人は固定していました。その間の先発をこれからの投手が埋めています。
パ・リーグではソフトバンクが首位。
中日から移籍した中田が08/30、09/06の中6日、スタンリッジが09/02、09/09で中6日、摂津が09/03、09/10の中6日。
こちらも3人は中6日で固定しています。
どうやら、日本の中6日は、好調の球団では、健在のようです。
これを全球団で全期間にわたって調べる必要がありますが、まぁ本日はここまでにいたしとうぞんじます(笑)。